ロックバンドの9mm Parabellum Bulletが10月5日、東京・新宿BLAZEで『9mm Parabellum Bullet~15th Anniversary ~「6番勝負」』のファイナル公演をおこなった。『6番勝負』は、9mmにゆかりのあるバンドとの2マンライブ形式で各地で開催された。6月8日F.A.D YOKOHAMA(VS avengers in sci-fi)、6月14日LiveHouse浜松窓枠(VS the telephones)、7月14日名古屋Electric Lady Land(VS アルカラ)、7月22日恵比寿LIQUIDROOM(VS UNISON SQUARE GARDEN)、9月9日昭和女子大学人見記念講堂(VS 凛として時雨)と続き、本ツアー最終日となるこの日の対バンは9mmと同じく15周年のTHE BAWDIES。2マンライブバトルファイナルとなったライブの模様を以下にレポートする。【取材=平吉賢治】

THE BAWDIES、「最高の打ち上げ花火を添えてやりましょうか!」

THE BAWDIES【撮影=橋本塁(SOUND SHOOTER)】

 ファイナル公演会場・新宿BLAZEは男性限定ライブ特有の熱気に包まれる。会場からは力強いクラップが鳴り響き、景気の良いSEと共にお揃いのスーツ姿でTHE BAWDIES登場。ROY(Vo, B)のハスキーなシャウト、そして「お祭りを始める準備はいいですか?」という煽りを契機に「IT'S TOO LATE」から華々しいロックンロールサウンドが響き渡った。

 その立ち上がりの熱気は「じわりじわりと会場のボルテージが上がっていく」という類のものではなく、1曲目からピークに達するようなアタック感でガンガンに好反応を見せるオーディエンス。ザクザクと16ビートでベースが刻まれる「YOU GOTTA DANCE」では会場一斉のジャンプ、続くSING YOUR SONGでは、「歌い出したら止まらないです! Keep on rockin’!」というROYの雄叫びに触発されシンガロングと、ライブ開始5分少々で新宿BLAZEは極上のロックンロールパーティー会場と化していた。

 そしてMCでの「今日初公開の新曲。音源としてどこにも出していない」というROYの言葉で期待感が膨らむなか、「SKIPPIN' STONES」へ。印象的なギターテーマフレーズからのこの曲は、TAXMAN(G, Vo)のワウサウンドにバラエティ豊かな楽曲展開、JIM(G, Cho)のアグレッシヴなパフォーマンスがライブ熱を更に上昇させた。

 そしてMARCY(Dr, Cho)の“ハネ”のリズムが絶妙な「LET'S GO BACK」へと進み、縦に横にとあらゆるアプローチのロッキングルーヴでオーディエンスを熱く揺さぶった。

 そしてMCでの大掛かりな準備(映画『スターウォーズ』をモチーフとしたメンバーの小芝居風の振り)で会場の笑いをガッチリと誘いつつ突入する曲は待ってましたの「HOT DOG」。オーディエンスはTHE BAWDIESに吸い込まれるように一体化していた。立て続けに、JIMのスライドギターがブルージーに光る「BLUES GOD」、TAXMANのストレートなコードワークがド直球に刺さりまくる「B. P. B」と、血が滾るような生々しいロックサウンドは終盤まで流れ続けた。

 「最高の打ち上げ花火を添えてやりましょうか!」という、15周年に向けたROYの言葉は9mm Parabellum Bulletに、そしてTHE BAWDIES自身に、会場中に広がり、「9mmもTHE BAWDIESもまだまだ転がり続けて行きます!」と、これからの展望も熱く伝え、ハイスピードでキレキレのロックンロール「KEEP ON ROCKIN'」でフィニッシュ。盛大なコール&レスポンスを経て、ラストはTHE BAWDIESとオーディエンスの「ワッショイ!」のシンクロで景気良く締めた。

歌舞伎町に無数の弾痕を残す―9mm Parabellum Bullet

9mm Parabellum Bullet【撮影=橋本塁(SOUND SHOOTER)】

 ギターのフィードバック音が立ち込める煙のような雰囲気を醸し出すなか、9mm Parabellum Bulletは「The Revolutionary」からライブを走らせた。9mmのメンバー4人に、サポートギター・爲川裕也(folca)を加えた5人編成のトリプルギターが生み出すアンサンブルは恐ろしいほどの迫力。初曲のリードツインギタープレイから展開した爆撃の如き音圧のバンド・アンサンブルは驚愕モノだ。そのサウンドに比例するような瞬発力・爆発力を見せるアクションは、THE BAWDIESとはまた別カラーのエネルギーでオーディエンスを圧倒した。

 脳裏に張り付くようなメロディラインの滝 善充(Gt)のギターフレーズから始まる「ハートに火をつけて」に進む頃には(とはいってもまだ2曲目なのだが)クラウドサーフ混じりの激しすぎる反応を見せるオーディエンス。9mmのバンドエネルギーの濃度と高度、そして激流のようなエモーショナルをそのまま表しているようだった。

 MCでの菅原卓郎(Vo, Gt)の「THE BAWDIESと一緒にいると、彼らは永遠の少年達だから、歳も同じだし俺達も盛り上がっちゃうんですけど、みんなもそうだよね?」という言葉に、オーディエンスからは逞しい歓声が沸き起こる。男性限定ライブ独特の、あまりにも男らし過ぎるパワフルなエネルギーは天井知らずに上昇し続ける。

 かみじょうちひろ(Dr)が刻む高速4つ打ちのビートの「Beautiful Dreamer」はオーディエンスの心拍数を上げるように、中村和彦(Ba)のけたたましいシャウトは会場中の魂を揺さぶるように、9mmのバンドアンサンブルはオーディエンスの体の芯から脳天まで刺すようなエネルギーを発し続けた。「Discommunication」の曲中で魅せた轟音アンサンブル、ノイズからのバンドの激しいアクションは正に“9mmパラベラム弾”が飛び散る様をサウンド化、ビジュアル化させたようであった。

 神聖な空気感のギターアルペジオ。疾走感溢れるベースライン&ビート。叙情感漂うボーカル。鋭いソニックが飛び散る「黒い森の旅人」では美しさと轟音というコントラストがフルレンジで輝く。

 MCでの「正直、男臭え。みんな」という菅原の言葉に一時会場は和やかな笑いに包まれるも、「行けるか!」という再燃の契機のシャウトと共に怒涛の後半へ。「名もなきヒーロー」が披露されたあたりではもうオーディエンスはモッシュにクラウドサーフとお祭り騒ぎだ。どうやっても止めようがないほどのテンションに沸きまくり、どこかこの日の会場の地・新宿歌舞伎町が似合う曲調の「Black Market Blues」へと進み、「Talking Machine」ではかみじょうの怒涛のツーバス連打と滝のギターソロが壮絶なまでの激情をオーディエンスへ浴びせ、ラストは「Punishment」。凄まじい轟音ノイズを飛散させ、ギターフィードバックの恍惚とする倍音に包まれながら、9mmのライブは幕を閉じた。

 『6番勝負』ファイナル公演となったこの日のTHE BAWDIESの好演、そして9mm Parabellum Bulletの熱演は、燃えたぎるようなオーディエンスの熱量と共に、新宿BLAZE中に無数の弾痕を残した――。

セットリスト

9mm Parabellum Bullet~15th Anniversary ~『6番勝負』
2019年10月5日@新宿BLAZE

▽THE BAWDIES

01. IT'S TOO LATE
02. YOU GOTTA DANCE
03. SING YOUR SONG
04. FEELIN' FREE
05. SKIPPIN' STONES
06. LET'S GO BACK
07. HOT DOG
08. BLUES GOD
09. B. P. B
10. JUST BE COOL
11. KEEP ON ROCKIN'

▽9mm Parabellum Bullet

01. The Revolutionary
02. ハートに火をつけて
03. DEEP BLUE
04. Beautiful Dreamer
05. Discommunication
06. バベルのこどもたち
07. 黒い森の旅人
08. 名もなきヒーロー
09. Black Market Blues
10. Talking Machine
11. Punishment

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