シンガーのBoAが9月30日、埼玉・大宮ソニックシティ大ホールで全国ツアー『BoA LIVE TOUR 2019 - #mood -』の埼玉公演をおこなった。本ツアーは9月22日の相模女子大学グリーンホール公演から始まり、10月14日の大阪メルパルクホール公演がファイナルとなる6カ所7公演の全国ホールツアー。5人のバンドメンバー&6人のダンサーというゴージャスな編成のなかでメドレーや未発表曲の披露と、色彩豊かなライブ展開でオーディエンスを魅了した。【取材=平吉賢治】

笑顔を絶やさない天真爛漫なBoA

BoA(撮影=田中聖太郎)

 開演時刻、会場は歌姫の登場を待ち望む“BoAコール”が湧いた。ライブスタートを示唆する映像がスクリーンに流れるとオーディエンスは一斉に総立ち。この日のステージセットは2段重ねの舞台に中央、左右の階段、そして5人のバンドメンバーは2段目ステージの下に並ぶという構えだ。

 「LOSE YOUR MIND」のバンドサウンドと共に、2段目ステージの下方からゆっくりとせり上がる玉座と共にBoAが登場。“歌姫”という表現がピッタリなブラックとゴールドの衣装に身を包み、まずは座ったままゆったりとした表情で伸びやかな歌唱を披露した。

 そしてBoAは玉座から立ち上がり、階段を降りながらメインステージの中央へ向かい「Shout It Out」をダンスと共に歌った。6人のダンサーが加わってのゴージャスなステージングで華やかなライブ序盤を魅せる。ブルーのライティングがBoAを包み、妖艶でセクシーなダンスと共に「抱きしめる」を歌い上げた。

 MCでは「カワイイ!」「BoAちゃん!」と、オーディエンスからの声援が途切れずにBoAに投げかけられた。BoAは「平日のなか公演に来てくださってありがとうございます!」と、とびきりの笑顔で応え、とにかく楽しそうな心境が歌だけではなくトークからも伝わってきた。その後のMCでも、BoAはオーディエンスの声援、問いかけに応じて近距離でのコミュニケーションを和気あいあいと見せ、会場に集まった人々との絆を深めていた。

 ムーディーなシンセサイザーの音色で始まる「Kiss My Lips」では、ステージ左右先端までゆっくりと歩きながらの歌唱からダンサーと共にダンス歌唱。ミドルテンポからジワジワと湧き上がるグルーヴを経て、情熱的なアコースティック・ギターとパーカッションのリズムの「AMOR」へと進み、徐々にテンションを高まらせてくれるセットリストにオーディエンスの熱気は上昇していく。

 ここで一旦BoAとダンサーは姿を消し、会場はブルーとオレンジの大人な空気に包まれた。ピアノの旋律から始まるインタールード・セッションでバンドのコンビネーションを鮮やかに魅せ、ライブを絶妙に繋ぐ。そのまま音を途切れさせずにグッとテンポを落として「Milestone」へ。白と青のコーディネートの衣装で再び姿を現したBoAはステージ中央でじっくりとメロディを、言葉を、四つのスポットライトの交差点で、表現力豊かに会場の隅々まで伝えるように歌った。

 そしてBoAの「次の曲は懐かしい曲」という紹介で入った「Smile again」では、アコースティック・ギター、ピアノの伴奏から導入し、怒涛の展開で大サビへと向かうアンサンブルでBoAとバンドの見事なダイナミズムが味わえるテイクを見せてくれた。

「みなさんから頂いたパワーを持って、引き続き頑張って行きたい」

BoA(撮影=田中聖太郎)

 中盤のここまで、アップテンポなダンス、絶妙なインタールードにバラードと、色とりどりのライブ展開を見せてくれたが、ショーは更なる色彩を広げる。「これからはみなさんをもっともっと楽しませていきたいと思います!」というBoAの煽りで始まったのは全7曲の豪華メドレーだ。

 BoA、バンド、ダンサーと全出演者がステージいっぱいに広がるフォーメーションで「Sweet Impact」「Amazing Kiss」と立て続けに展開され、会場が真っ赤に照らされた「Rock With You」では心燃えるような熱いフィーリングを飛散させる。しっとりとした歌唱も挟みつつ、レガートなボーカルで丁寧に想いを届けるような「気持ちはつたわる」へと続き、メドレーラストの「七色の明日~brand new beat~」ではオーディエンスのクラップがフレキシブルに鳴り響いた。

 そして艶やかな光沢の衣装にチェンジしたBoAはにこやかな笑顔で「ONE SHOT, TWO SHOT」を弾けるようなテンションでダンスパフォーマンス。ダンサンブルな空気感は強烈なキックの拍が会場を揺らす「Woman」へと引き継がれ、ダンサーと共に様々なアクションの舞いでライブを走らせた。少しトリッキーなビートの「NEGA DOLA」では、ラップ混じりのボーカルも披露し、BoAの何色ものテイストのパフォーマンスでオーディエンスを魅了した。

 コーラス、合唱と、満場一致のレスポンスを見せた「VALENTI」ではBoAとダンサーとオーディエンスの腕のアクションがシンクロし、この上ない会場一体感がホールに広がっていた。BoAのキュートな身振りが可愛すぎる「MASAYUME CHASING」が本編ラスト曲。スタートからここまで、ありとあらゆるサウンドにパフォーマンスを魅せたBoAは終始楽しげに、笑顔を絶やさない天真爛漫な姿でショーを存分に楽しませてくれた。

 アンコールに応えたBoAは白の衣装で再登場し、当時未発表曲の「Wishing Well」を最新シティ・ポップ調のアンサンブルのなか、シルキーに歌い上げた。この曲に対してBoAは「いま一生懸命に、みなさんに早く届けられるように頑張っています」とオーディエンスに伝えると、客席からは「ありがとう!」という期待と感謝の声が上がった。

ライブの模様(撮影=田中聖太郎)

 公演最終曲「Feedback」はBoAとお揃いのスタイルの衣装に身をまとったダンサーと共に披露された。最高のエンターテインメント空間をつくり上げた各メンバーを紹介し、ライブは幕を閉じる――。

 この日の全てのパフォーマンスを終えてBoAは、「凄く楽しい時間をみなさんと一緒に過ごせたと思います!」と、輝かしい笑顔を見せ、「みなさんから頂いたこのパワーを持って、引き続き頑張って行きたいと思います!」と、残る公演に対する意気込みをオーディエンスへ伝えた。

 BoAは最後に「私、出し切っちゃった!」と、本公演は完全燃焼のライブであったことをオーディエンスに伝えると、会場からは割れんばかりの歓声が沸いた。

 本レポートはツアー中盤の公演の模様だが、このクオリティのライブがここまでも、そしてファイナルまでも続いていったのか思うと、BoAというアーティストの魅力、存在感、表現力を改めて実感させられる。

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