現役高校生男女3人組バンド・ひかりのなかにが14日、東京・渋谷TSUTAYA O-nestで1stミニアルバム『放課後大戦争』リリースパーティー『ひかりのなかに presents「放課後大戦争」Release Party "せかいでいちばんやさしい日"』をおこなった。ひかりのなかには2017年4月に高校の軽音部で結成されたスリーピースロックバンド。結成1年半ながら2018年末に開催された『RO JACK for COUNTDOWN JAPAN 18/19』にて優勝、そして『COUNTDOWN JAPAN 18/19』に出演し、エネルギッシュなバンドサウンドでライブシーンの熱い支持を獲得し始めている。同世代の-KARMA-、goomieyをゲストに迎え、出演者が全員10代であったこの日の3マンライブ。ひかりのなかにの公演は光り輝くエネルギーにあふれていた。【取材=平吉賢治】

「後悔だけはしないように全力で」

ひかりのなかに(撮影=もがみゆうな)

 18歳のメンバー3人が弾き出すティーンエイジパワーは真っ直ぐで、パワフルで、能動的で、何より、光輝いていた。無我夢中でジャズベースを、テレキャスターギターを、ドラムセットを叩き鳴らす姿、そしてストレートで原色のような様々なカラーのエモーショナルは、オーディエンスの胸中を掘り返して感情をあふれ出させるようなエネルギーを発していた。

ヤマシタカホ(撮影=もがみゆうな)

 「O-nest、歌ってくれ!」と叫ぶヤマシタカホ(Vo/Gt)。「冴えない僕らに灯火を」から始まったライブは、キャッチーなメロディが直線的に四方八方へ飛び、ジョー(Dr)はドラムセットが壊れんばかりのパワフルなプレイを見せる。たけうちひより(Ba)は笑顔で音域豊かなベースラインを刻む。初曲からのアグレッシブな3ピースアンサンブルに触発されたオーディエンスはシンガロングで応えた。

ライブの模様(撮影=もがみゆうな)

 “エモーショナルなボーカル”と、たった一言で表現したくないのは、そこにどこかセンチメンタルな情念を音として感じられるからだ。ヤマシタカホの歌は、ストレートでエモいという魅力の内側に、何とも言えない訴求力のある情念が含まれているように感じられた。それは、ライブでの聴衆の好反応が物語っているようだった。

 ジョーの掛け声とシンクロするオーディエンスが掲げる拳は、ひかりのなかにが持つ勢いを如実に表しているようだった。「後悔だけはしないように全力で来てくれると――」というヤマシタカホのMCは、会場一体の弾けんばかりの熱量を生んだ。

2020年ミニアルバム発表、渋谷WWWワンマン公演を発表

ヤマシタカホ(撮影=もがみゆうな)

 ここまでアップテンポで走らせたなか、ライブ中盤の「潮風通り」ではシャッフルビートで変化をつけ、「満ちる月」ではギターアルペジオでの弾き語りスタイルからの導入と、勢い一発のバンドではないことを示した。ミドルテンポの楽曲のなかでもダイナミズムの起伏を担うのはジョー&たけうちひよりのプレイ。ギター、ベース、ドラムという最低限の編成だからこそ丸裸になるアンサンブルは、土台となるベースとドラムがバッチリと支えていた。そして、そのなかでヤマシタカホは歌とギターを感情に乗せて飛散させるように堂々と、パフォーマンスを続けた。

 疾走感あふれるナンバーの「はやぶさ」では、シンプルに楽曲を走らせるのではなく、裏打ちやハーフビートを挟みつつと、高テンション一辺倒ではないアプローチを光らせる。この楽曲に限らず、休符やキメのタイミングなど、“狙って出す”という感覚よりは“感情おもむくまま自然とこうした”という感じのピュアな表現力を感じさせるようだった。

たけうちひより(撮影=もがみゆうな)

 MCでヤマシタカホは「3人で産んだ子供のようなこのCDが、たくさんの人に祝われて、囲まれて、誕生日会を開いているような、初めての感覚で凄く嬉しい気持ちでいっぱいです」と、目を輝かせながらオーディエンスに感謝の気持ちを伝えた。

 輝いた感情は「ナイトライダー」へと続き、勢いを止めることなく、ライブは終始全力で走り抜けた。そして最後のMCでは2020年にミニアルバムのリリースと、来春に渋谷WWWでのワンマンライブを開催することをアナウンスした。

 バンドメンバーは来年の春に高校を卒業するが、その先は何も決まっていないという。そして、そんななかでも、ヤマシタカホは「ひかりのなかにはこれからも3人で続けていく」という強い意思をオーディエンスへ伝えた。そして、「ひかりのなかには、3人で完結するものではなく、あなた達がいるからバンドなんです。この場にいる全員がひかりのなかなんです」と、力強く伝えた。渋谷WWWでのワンマンは「無謀だと思う」と言葉にしたが、「そのぶん必死でやっていく覚悟があるということをみなさまに知ってほしい」と、決意表明をした。

ジョー(撮影=もがみゆうな)

 最終曲は「オーケストラ」。各メンバー、オーディエンス共に表情と音を輝かせながら渋谷TSUTAYA O-nest公演は幕を閉じた。パワフルで、エネルギッシュで、エモーショナルなひかりのなかにの3人が、どこまでの光の中の高みに進むか、期待が膨らむ――。

セットリスト

『ひかりのなかに presents「放課後大戦争」Release Party "せかいでいちばんやさしい日"』
2019年10月14日@東京・渋谷TSUTAYA O-nest

01. 冴えない僕らに灯火を
02. 瞬間プラトニック
03. 舞台裏
04. 潮風通り
05. 満ちる月
06. 十六才
07. はやぶさ
08. ナイトライダー(新曲)
09. オーケストラ

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