INTERVIEW

小島梨里杏「不器用さに人間的面白さ」初海外戯曲で感じた感情表現の違い


木村武雄

記者:木村武雄

掲載:19年10月18日

読了時間:約8分

不器用さに人間的面白さ

――共演者とはいかがですか?

 弟のエラード役の我さんは30代後半で、私と酉年で一回り年齢が違うんですよ! 最初は江田(剛)さんか高田(翔)さんが弟役かなと思っていたけど、キャストの名前を見たら「あれ? 我さん?」と。年上の弟役に「え!」と驚いて(笑)。そうした年齢差もあって意外に思っていたけど、いざ始まってみると我さんのエラードがもう可愛すぎて、虜になっています! でもキャサリンはそんなエラードに怒るんですよ。今回はそれぞれの成長物語でもあるので、徐々に怒らなくなっていくんですけど、最初の方は怒ることを徹底しないといけなくて、それが大変です(笑)。

――それと婚約者・デイヴィッド役を演じる高田さんとは居残りで話し合ったとか?

 もともと、キャストは皆、早く帰りたいという方がいなくて自主的に残って稽古はしているんです。それで、たまたまその日は皆帰るのが早くて、そのなかで「2人の共通認識を持っていた方が良いよね?」という話になって。どういう出逢いがあって、どうやって一緒にここに来たのかということなどを考えました。

――深くまで役柄について考えていたんですね。

 そうですね。デイヴィッドという役は結構難しくて、最後までもっていくにはそこまでしないといけないとお互いに思ったんです。どこまでキャサリンの事を愛していたのか、または知っていたのか、を深くまで考えました。

――今回の物語で、一般の方にも共感できるところはありますか?

 あると思います! 登場人物がみんな不器用なんですよ。江田さんが演じているチャーリーは極度の人見知りで、友人のフロギー(徳山秀典)に、ベティ(武藤晃子)が営むロッジに連れてこられて。そこには人がいて、しゃべらないといけない。その時点で「もう、無理!!」という感じになっているんですけど、そんな彼が成長していく。そして、チャーリーによってみんなも変わっていきます。

 不器用さは普段生活しているなかでもあると思っていて、例えば、優しくしたくてもその優しさが思いのほか相手に伝わっていなかったり、優しくしたいのにできないとか。その不器用さが、キャサリンの場合は愛しているという表現や、怖いがゆえに怒るということに変換されて。エラードも一生懸命にやっているのにその頑張りが人に伝わらないとか。ベディも寂しい思いをしていたり、デイヴィッドも本当は悲しい過去があって、歯車の掛け違いで思ってもみなかった方向に行ってしまった、という。よく考えるとそれぞれに悲しいバックボーンがあります。だからこそ面白いところがあると思っていて、そういう不器用な人たちが向き合い本音でぶつかっていくから、丸くなっていって。人間だれしも不器用なところがあると思うので、観ている中でどの立場でも共感できると思います。

――人間的な面白さを感じます。

 そうですね。みんながコロコロと変わっていく様(さま)を観てほしいです。感情の起伏が激しかったりもしますし。日本人のしゃべり方はどちらかと言うと起伏が少なくて一定音だと思いますが、本作では「えっ!!」「うそっ!!」「やだっ、もう!!」とすごい。その起伏も面白いと思います。キャサリンで言えば「え? そんなことで怒っているの?」という感じなんです(笑)。「話し合えばいいじゃん」と思うけど、それさえもできないほどにいっぱいいっぱいになっている。その不器用さにツッコミを入れながら観てほしいです!

小島梨里杏

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