4人組バンドのパノラマパナマタウンが9月27日、東京・新宿LOFTで自主企画イベント『パノラマパナマタウン presents「渦:渦 vol.2~東京編~」』をおこなった。昨年からスタートした『渦:渦』は、メンバーがリスペクトするバンドをゲストに招いてのステージ。9月21日に梅田Shangri-Laでおこなわれた大阪編ではPOLYSICS、東京編では忘れらんねえよを招き、2バンドによるシナジーを見せた。パノラマパナマタウンは「目立ちたくないMIND」と「Dive to Mars」新曲2曲と、忘れらんねえよの「この高鳴りをなんと呼ぶ」をカバー。さらに「Dive to Mars」の先行配信と11月13日にミニアルバム『GINGAKEI』をリリースすることを発表した。【取材=村上順一】

“渦”のキャッチボールをしましょう!

ライブの模様(撮影=Atsuko Tanaka)

 忘れらんねえよのパワフルで奇想天外、まさに“忘れらんねえ”ステージによって、フロアは十二分に温まっていた。この熱量の中で、パノラマパナマタウンがどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、大いに期待が高まる。

 まずはメンバー3人がステージに登場し、最後に登場した岩渕想太(Vo.Gt)は「忘れらんねえよと俺達が渦じゃないんです。みんな一人一人の渦なんです!」とパノラマパナマタウンと忘れらんねえよだけではない、ということを伝え「世界最後になる歌は」でライブはスタートした。「楽しみたいやつ手を挙げろ!」と、バンドの放つビートにオーディエンスは身体を弾ませ4人の作り出すグルーヴを楽しむ。

 忘れらんねえよの柴田隆浩が、この日のMCでガチで泣いた歌詞と話していた「ずっとマイペース」を投下。“マイペース”とは言いながらも、強制的に身体を動かされてしまう、マイペースではいられない、空間を作り上げていく。

 「十分熱いんですけど、もっと熱くなりたいんで、待っていて下さい」と意味深な言葉を残しステージ袖に向かった岩渕は、まだまだ残暑が残るこの時期にまさかのダウンジャケットを着用し、再びステージに戻ってきた。視覚的にも“暑さ”を感じさせる中、「俺より熱くなれるかい!!」と投げかけ「HEAT ADDICTION ~灼熱中毒~」を投下。“パノパナ流”サーフロックチューンを披露。岩渕は間奏でマイクケーブルを使って縄跳びをおこなうなど、何が起きるかわからないパフォーマンスにヒートアップしていく会場。

「HEAT ADDICTION ~灼熱中毒~」でのパフォーマンス(撮影=Atsuko Tanaka)

 岩渕が「俺たちの精一杯の渦をばらまくんで一人ひとり俺たちに渦を跳ね返して下さい。“渦”のキャッチボールをしましょう!」と、新曲の「目立ちたくないMIND」を披露。目立ちたくない、という気持ちを歌詞に落とし込んだ、パノラマパナマタウンらしさ溢れた一曲だ。ソカを感じさせる心地よいビートの“キメ”が身体に響いてくる。続いて「声をもっと聞かせて下さい」と“新宿”、“LOFT”のコール&レスポンスから「マジカルケミカル」へ。言葉とリズムのシンクロ率が高いナンバーは、化学変化を起こすかのように、オーディエンスの腕がさらに挙がり、バンドのステージから放たれるエネルギーに応える。

 岩渕が今回珍しく髪の毛をセットしたというMCに続いて、デペッシュ・モードやニュー・オーダーを彷彿とし、80’sニューウェーブを感じさせる1曲「月の裏側」を披露。バンドサウンドにプラスされたシンセサウンドがシナジーを生み、田村夢希(Dr)のタイトなビートにノックアウト。続いてパーカッシブなリズムループから「ラプチャー」へ。混沌を感じさせる雰囲気のなか、微かな光を求めるような感情に溢れた岩渕の歌声に耳を傾けるオーディエンス。楽曲の世界観を堪能した。

「この高鳴りをなんと呼ぶ」を“パノパナ流アレンジ”で披露

パノラマパナマタウン(撮影=Atsuko Tanaka)

 叙情的な浪越康平(Gt)のアルペジオが流れるなか、岩渕は「新宿に思い入れがあります。実家は北九州だけど似ていて好きな街なんです。街は変わっていくけど、俺は変わらないものを信じていきたい」と語り、2年前のメジャーデビューを発表したこの新宿LOFTで、時の速さを感じながら<価値は自分で決めろ 自分の人生 自分で決めろ>とラップでメッセージを届ける。そして、岩渕が「マジで遊ばなきゃ損だぜ!」と投げかけ、自由を歌った「リバティーリバティー」へと流れ込んだ。歌詞にある<はやる気持ちが溢れ出して止まらない>といった、まさに歌詞にあるような空間を作り上げていく。

 「まだまだいくぜ!」とストレートに感情を爆発させた「フカンショウ」から「めちゃめちゃ生きてる」の流れは、躍動感と生命力に満ちたセットリストに、会場のボルテージは最高潮だ。ラップでは歌詞をその場の空気に合わせフレキシブルに変えて届けたりと、これぞライブといった一期一会の瞬間。最後は新曲「Dive to Mars」を初披露。“未知へ飛び込め”というテーマを持つ、彼らの意気込みを強く感じさせるナンバーだ。タノアキヒコ(Ba)はサンプラーを使用し、楽曲にアクセントを加える。ニュー・ジャック・スウィングを感じさせるアレンジに、ロックのエモーションとラップのスリリングさを融合させたストロングな1曲で、本編を終了した。

 アンコールを求める“PPTコール”に、再びメンバーがステージに登場。忘れらんねえよに感謝を込めて、忘れらんねえよのカバーで「この高鳴りをなんと呼ぶ」を“パノパナ流アレンジ”で届けた。オリジナルラップパートを追加し、声を高らかに歌い上げる岩渕から、忘れらんねえよへのリスペクトを感じさせてくれた。「行けるとこまで行こうぜ!」と「MOMO」を披露。ラップパートの歌詞をオリジナルとは変え、<今日は一皮剥けた気がするぜ!>と、このライブの中でも、レベルアップしたことを報告し、熱量の高い演奏と歌で大いに盛り上げた。

ライブの模様(撮影=Atsuko Tanaka)

 岩渕はスマホ(i Phone)のAirDrop(Appleのデバイス同士でデータをやり取りできる機能)を使用し、11月13日にミニアルバム『GINGAKEI』をリリースすることと、本編ラストに披露した「Dive to Mars」を先行配信することを発表。歓喜の声が湧き上がる中、ラストにもう一度「Dive to Mars」を届け『パノラマパナマタウン presents「渦:渦 vol.2~東京編~」』は大団円を迎えた。

 自分たちの武器をより理解し研ぎ澄ました印象を持ったステージ。それによって過去曲たちもさらに切れ味の鋭さを増していた。未知なる世界へダイブしていく、決意と意気込みを感じさせたパノラマパナマタウンの未来に期待したい。

セットリスト

『パノラマパナマタウン presents「渦:渦 vol.2~東京編~」』
9月27日@新宿LOFT

01.世界最後になる歌は
02.ずっとマイペース
03.HEAT ADDICTION~灼熱中毒~
04.目立ちたくないMIND
05.マジカルケミカル
06.月の裏側
07.ラプチャー
08.リバティーリバティー
09.フカンショウ
10.めちゃめちゃ生きてる
11.Dive to Mars

ENCORE

EN1.この高鳴りをなんと呼ぶ(忘れらんねえよカバー)
EN2.MOMO
EN3.Dive to Mars

この記事の写真をもっと見る