声優・アーティストの内田真礼が10月2日、2ndミニアルバム『you are here』をリリース。2009年に声優デビューし、『中二病でも恋がしたい!』や『MIX』など人気アニメに出演し、数多くのキャラクターソングを担当。ソロアーティストとしては、2014年にシングル「創傷イノセンス」でデビューし、今年1月1日に日本武道館でワンマンライブを成功させた。今作『you are here』をリリースするにあたっては、今の自分を冷静に見つめ、「ここを新たな出発地点にしたい」と話す彼女。今作に参加したさまざまなクリエーターとのエピソードや、今どんな気持ちで音楽活動を行っているのか、どんな思いでステージに立つのか話を聞いた。【取材=榑林史章】

“共鳴”とは同じ方向を見て前に進むこと

『you are here』通常盤(CD)

――『you are here』のタイトルはどういう想いで決まったのでしょうか。

 “現在地”という意味合いで、“you are here”と付けました。アーティストデビューして5年が経ち、武道館ライブもやらせていただいて、今作でまたさまざまなアーティストの方と制作をさせていただいた、今私がいる現在地が、このミニアルバムだよといった意味で付けました。

――今の内田真礼さんが、表れている作品なんですね。

 歌詞を書いていただくにあたっても、私から「最近こう思っています」ということを、プロデューサーの冨田明宏さんにお伝えして、それをクリエーターのみなさんに伝えていただいた上で曲ができあがっています。だから、どの曲も自分が作詞をしたわけではないけれど、自分目線の曲ばかりになりました。新しく参加してくださったクリエーターさんが多い作品ではありますが、今までと同じように内田真礼らしさも感じてもらえる1枚だと思います。

――新しいクリエーターを入れたいという案も内田さんから?

 今までは、自分のしたいことを自分が大好きだと思う仲間達と、一緒にどこまで行けるか挑戦してみようという気持ちで前に進んでいました。でも、ここで止まるわけではなく、新しい仲間を増やして、もっと先に行ってみたいという気持ちがあったのではなく、新しい仲間を増やして、もっと先に行ってみたいという気持ちもあったので。

――まず「Seasons Come, Seasons Go」は、麻枝准さんの作詞作曲です。

 麻枝さんの曲は、2015年に出演したアニメ『Charlotte』の劇中バンド、How-Low-Hello(ハロハロ)のボーカルの西森柚咲役で、10曲以上歌わせていただいたことがあって。出会いから4年を経て、新しい内田真礼の楽曲として、こうしてまた麻枝さんの楽曲を歌えたことに感無量です。

――麻枝さんの詞曲の特徴みたいなものはありますか?

 麻枝さんの歌詞は、胸をえぐるようなものが多くて、悲痛な叫びや痛みみたいなものが歌詞に込められています。この曲でも、普通はもう少しオブラートに包んで表現することを、直接的な言葉で表現していて、すごく心に刺さりますね。

――タイトルの「Seasons Come, Seasons Go」は、季節は巡りゆくということですよね。麻枝さんとの出会いから季節が巡って、成長した今の内田さんも表現されていると。

 思えばアニメ『Charlotte』の頃は、ソロデビューはしていましたけど1stライブはまだやっていなくて。自分の音楽活動がどうなっていくかも分かっていない状態で、リリースイベントで歌うこと=ライブだと思っていたくらいでした。そんな私がバンドのボーカル役として、どうやったら格好良く歌えるのかを考えて、それでも上手くできなかった歯がゆさが、ずっと心に残っていたんです。それがこの曲のMVでは初めてバンドと一緒に撮影をさせていただいて、バンドのボーカルとしての一つの格好良さを、自分なりに形にできました。その部分では、当時の心残りが浄化された気持ちです。

――内田さんにとっては、どんな曲になりましたか?

 私は、何か辛いことがあったり、へこんだりしたときは痛みをただ受け入れるのではなく、前を向くことも大事だと思っていて、そのことが曲になっています。どんな人にも一人になる瞬間や、辛いときがあるもので、そういう時のみんなの奥底にある、よどんだものを浄化してくれるような曲なのではないかなと思います。

――「共鳴レゾンデートル」は、作詞・作曲をUNISON SQUARE GARDENの田淵智也さん、PENGUIN RESEARCHの堀江晶太さんが編曲という豪華な取り合わせですね。

 この楽曲は、「これからもっと変わっていくよ!」と宣言しているような曲です。今までの“内田真礼×田淵智也さん”のコラボレーションを聴いてきた人でも「攻めてるな!」と、思ってもらえると思います。

――かけ声や合いの手を入れるところがたくさんあって、ライブでファンとコール&レスポンスしている様子が浮かびますね。

 ただファンとの向き合い方が、今までとは少し違っていて。以前ならファンの人と向かい合って手を取ってきましたが、今回はファンと並んで、同じ方向を見ながら「一緒に前に進もうよ」と言っている気がしました。それが“共鳴”ということなのかな、と。

――歌い方がすごくワイルドで、そこも今までと違うなと思いました。最後に向けて、どんどん荒々しくなっていくし。

 歌入れはだいたい1日で終わるのですが、この曲は1日では終わらなくて。いつ終わるともしれない途方のない旅で、今作で一番大変なレコーディングでした。歌詞の分量もかなり多いですし、どんどん荒ぶっていく感覚で歌ったので、何度も頭がクラクラしました(笑)。

――それは内田さんの声質の問題もあったり?

 もともと私の声は、普通に歌うとルンルンでハッピーな明るいものになるので、それを抑えて心に芯を持った感じの歌い方をしました。普段はこういう風に叫ぶような感じで歌うことはないのですが、それを曲に引き出してもらいました。“荒ぶる内田真礼”を、ぜひ聴いていただきたいです。

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