INTERVIEW

答えがなくても探し続けたい――、大原ゆい子 自然体で生まれた音楽の欠片


記者:木村武雄

写真:大原ゆい子

掲載:19年10月01日

読了時間:約10分

弦が合う歌声

――歌い方だけでなく、曲調も幅広いですよね。

 どんなジャンルも好きで、それがアニメのタイアップでも受け入れられていて、例えば「ハイステッパー」(TVアニメ『はねバド!』エンディングテーマ)ならゴリゴリのロックナンバーですし、「ゼロセンチメートル」(TVアニメ『からかい上手の高木さん2』オープニングテーマ)でしたら甘めの曲。どんな曲でもすごく楽しく歌っています。

――アルバム収録曲のなかで自分に近い曲はどれですか?

 自分の性格に近いのは「ハイステッパー」や「夢の途中で」ですかね。負けず嫌いなので、精神状態はそれに近いと思います。ですが、先ほどの2曲以外は自分が書いていますので、「これは自分じゃない」というのはないですね。

 それと、「205号室」や「夜になれば」、そして「夢の途中で」はもともとライブではやっていた既存曲ではあるんですが、収録は初めて。「星が眠るまで踊ろうよ」と「からっぽになりたい」、「雨宿り」は今回のアルバムに向けて新しく書き下ろした曲です。今までになかった自分の曲をアルバムに入れたいと思って、かなりカラーにこだわって曲調を変えて書きました。

――「星に眠るまで踊ろうよ」はジャジーテイストも感じるし、80年代の雰囲気も感じますね。

 「シティポップがやりたい」というのがありました。もともとこういう曲調が好きで、「アルバムを制作するならこういう曲も入れたい」ということで、メロディを作曲して、編曲して頂きました。「カッティングの感じが良いので」と、ディレクターさんにお願いして、アレンジャーさんを決めて頂きました。

――「雨宿り」は?

 もともと何曲かストックしているものがあったんですけど、その中の一つがこの曲です。シングルカットはできないし、カップリングは嫌だなと出しどころを考えていたところだったので「ぜひ入れたい」と改めて歌詞を書きました。

――ハープやアコーディオン、ストリングスなど多彩ですが、ストリングスは曲を華やかにしますけど、それ以外で入れる理由は?

 アレンジャーさんに「入れてほしい」と具体的にオーダーをしたわけではないんです。色んな曲に携わって頂いているアレンジャーの吉田さんに「大原は弦が合うと思うよ」と、弦のアレンジがうまい方を紹介してくださって。もともとJ-POPが好きで、弦楽器が入った曲は好きです。例えばMr.Childrenさんの曲とか、そういうのがルーツにあるのかもしれないですね。それと、もともとバイオリンをやっていたというのもあります。

――「弦が合うと思うよ」という言葉はすごいですね。単純に考えても弦に負けない歌声があるということですからね。

 私の印象としては、バイオリンの音は人間の声に近いので、歌っているときはバイオリンの音や私の組み合わせはどう聴こえているんだろうと思う時もあります。実際に収録された曲を聴くと、自分の声と弦もいいなと思います(笑)。

――私の解釈ですが、アルバムを通して思ったのが「大原ゆい子=弦」が核にあるのかなということでした。

 嬉しいですけど、私自身はそこまで意識したことはありませんでした。でもそう言わると、やっぱり弾いていたからなのかなと思います。メロディを作るときも無意識なうちに影響されているのかもしれないです。

――作曲においてはギターから作るときもあれば、ピアノもあると過去に話していましたが、この3曲についてはいかがですか?

 バラバラですね。「からっぽになりたい」はギターでメロディを「ららら」と作っていって、「星に眠るまで踊ろうよ」と「雨宿り」は完全にピアノですね。

――使い分ける理由は?

 こういうメロディが作りたいと思ったときに最初に思い描くのがギターなのか、ピアノなのかということです。でもギターで作っていって、これはピアノで作った方がいいかもという時はピアノにシフトします。

――ギターとピアノとではメロディも違いますからね。それを使い分けているというのも面白いですね。表現の幅が広がるというか。

 ギターだとどうしてもコードに左右されてしまうんですよね。歌いまわしも自分の癖が出てしまうけど、ピアノだとミスタッチが逆に良いメロディの風味になるので、その楽しさがあると思います。偶然ですが「ここは面白いから、もう少しずらしてみよう」「そこから続きをやってみよう」とか。

大原ゆい子

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