シンガーの加藤ミリヤが8日、マイナビBLITZ赤坂で『15th Anniversary tour 2019「GEMINI」』の初日となる東京公演をおこなった。 結婚・出産発表後初となるステージ、そして15周年・デビュー記念日でもある節目のこの日に、「いままでやったことのない演出。前からやりたかった」という、コンテンポラリーダンスを取り入れたパフォーマンスやビジュアルアートでライブを鮮やかに表現。カラフルで豊かな演出、変わらぬ歌姫の姿でオーディエンスを魅了した。【取材=平吉賢治】

コンテンポラリーダンスを交えた芸術的ライブ

加藤ミリヤ

 開演前のBGMにはオペラが流され、どこか芸術空間的な雰囲気が漂っていた。まずはステージの前面を覆う幕に優美なビジュアルアートが映し出される圧巻の演出でライブ・スタート。

 清楚な白の衣装で頭まで覆われた登場した加藤ミリヤは「With U」から歌い出し、しばらくして衣装で覆われていた顔を出すと、オーディエンスからあらゆる“お祝い”の気持ちが混じった歓喜の声が湧いた。同曲の1コーラスを終えたところで4人のダンサーが登場。加藤ミリヤの情念が歌としても、音としても、コンテンポラリーダンスを舞うダンスとしてもフルレンジで表現され、美しくも気迫溢れる空気感が醸された。

 再びステージ前方の幕に投影されるビジュアルアートと圧倒のダンスパフォーマンス、強烈なビートの上でリズミックに走らせる加藤ミリヤのラップと、開演2曲であらゆるカラーの表現でライブを進め、変わらぬ歌姫の姿を見せた。

 MCで「今日この9月8日、デビュー15周年でこの日がなかったらこのツアーも、もしかしたらなかったかもしれない」と、本公演が特別な日であることと、集まったオーディエンスに対して深い感謝の気持ちを伝えた。

 そして、「全てのステージのひとつひとつに、たくさんの意味が込められていて、たくさん私が伝えたいことがこのステージに詰まっています」と、本ツアーに対する気概を語ったが、それはここまでの序盤の演出でも十分に伝わってきた。そして、この後にも多彩のパフォーマンスが繰り広げられた。

 ステージに一人での披露となった「LIBERTY」では、天井から照らされた鋭くも鮮やかな光線が加藤ミリヤの姿を照らし、温かく包み込むような歌唱を広げていた。ダンサー1人と加藤ミリヤでパフォーマンスされた場面では、ダンサーは羽を広げるように、ビロードのような布を艶やかに舞わせながら美しい曲線を描いた。その演出に溶け込む加藤ミリヤの歌は、どこまでも伸びやかにBLITZ赤坂中に鳴り響いていた。

「愛の素晴らしさを伝えることが、私の仕事」

ライブの模様

 「ダンスと歌」と、編成を言い表せばその一言になってしまうのだが、その内容と密度はこの上なく濃く、深く、あらゆる表現力をもってして加藤ミリヤの世界観を表していた。コンテンポラリーダンスの前衛的な表現からリズミックなダンス、抽象的な身体動作の表現、加藤ミリヤも加わるダンス・フォーメーション、ミラーボールを持っての歌唱と、様々な角度からオーディエンスへ想いを伝えていた。

 加藤ミリヤの衣装も白からピンク、光沢のあるブラックのコーディネートと、「PRIDE」ではダンサーも4色の衣装にチェンジし、あらゆるファションで我々の目を楽しませてくれた。パネルを4枚投入してのシルエット演出含みのパフォーマンスも展開され、“特別な日”である9月8日という本公演は何色もの、何音も、いくつもの言葉で、この上なく特別でフレキシブルな感覚を味わわせてくれた。

 「愛の素晴らしさを伝えることが、私の仕事」。そう、加藤ミリヤは真っすぐにオーディエンスに伝える。それは、歌から、ライブから、直接の言葉でも伝わってくるものだった。母になった加藤ミリヤは、息子に対してだけではなく「愛に溢れていて止まらない」と、いまの彼女の愛情の深さと広さをあらわにした。そして、「愛を持って、自分のことも人のことも愛して、みんなのことを愛して、それを伝えたい」と、慈悲深い表情と声のトーンで丁寧に“愛情”を言葉にし、「愛が降る」へ――。

 情熱的に「愛が降る」を歌い上げ、ラストはダンサー4人と共に「ROMAN」をエネルギッシュにパフォーマンスしてライブは一旦幕を閉じた。加藤ミリヤの歌声は終始輝かしく、愛を十分に含んだ歌唱でオーディエンスを包んでいた。

 湧き上がるアンコールに加藤ミリヤはサプライズな演出で応える。客席下手に設置されていた小ぶりのステージで「MILIYAAHS」を披露し、これにはオーディエンスは大興奮。あまりに近い距離での位置でのライブに歓声とコール&レスポンスは鳴り止まなかった。15th Anniversaryのデザインのシャツを着た加藤ミリヤとオーディエンスとの触れ合いは、正に愛が直接伝わっているような光景だった。

 そして、「私のライブの定番の曲を」と楽しげな表情で「SAYONARAベイベー」へ。ビートの効いたアレンジのなかで弾ける加藤ミリヤは、そのバイブスを引き継ぎながらレゲエ調の陽気なグルーヴの「H.I.K.A.R.I」を披露し、この曲の途中からメインステージへ戻り、会場中をハッピーな空気で埋め尽くした。更に新曲「ほんとの僕を知って」では感情を全力であらわにするような身振り、歌唱で胸いっぱいの情念を飛散させた。

 最終曲を前に、加藤ミリヤは『M BEST II』の発表を本公演で初アナウンス。デビューから15年の軌跡が収められるアルバムリリース発表に高らかな歓喜の声が上がった。

 「みんなの人生がより豊かで、素晴らしいなって、素敵だなって思う人生をみんな歩んで欲しいと思いながら最後に歌います」

 最終曲は「素晴らしき人生」。本公演で加藤ミリヤが歌で伝えたこと、演出で表現したこと、言葉で語ったこと、それらに含んでいた愛が凝縮されたような、素晴らしいテイクのパフォーマンスでアニヴァーサリー・ライブは華麗に幕を閉じた。

 そして最後に加藤ミリヤはこうオーディエンスに伝えてステージを去った。「みんな愛し、愛されて生きてください!」――。

セットリスト

“15th Anniversary tour 2019「GEMINI」”
2019年9月8日@マイナビBLITZ赤坂

01.With U
02.UNIQUE
03.LIBERTY
04.STYLE
05.You’re Beautiful
06.Cry no more
07.Young Lady
08.PRIDE
09.Lonely Hearts
10.The One
11.女神の光
12.眠れぬ夜のせいで
13.愛が降る
14.ROMAN

ENCORE

EN1.MILIYAAHS
EN2.SAYONARAベイベー
EN3.H.I.K.A.R.I
EN4.ほんとの僕を知って
EN5.素晴らしき人生

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