作曲家・大野雄二と歌手・松崎しげるが9月7日に放送された、BS朝日『japanぐる〜ヴ』で1「映画『ルパン三世 カリオストロの城』シネマ・コンサート! and ベストヒット『ルパン三世』ライブ!」の魅力を語った。

『カリオストロの城』は他のルパン作品とは違う

大野雄二

  コンサート、映画、舞台など、あらゆるエンターテインメントをジャンル問わず紹介する番組『japanぐる〜ヴ』(BS朝日、毎週土曜深夜1時〜2時)。9月7日の放送では、10月25日と26日に神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールで開催される「映画『ルパン三世 カリオストロの城』シネマ・コンサート! and ベストヒット『ルパン三世』ライブ!」を特集。同シリーズの音楽を担当する作曲家・大野雄二と同コンサートにゲスト出演する歌手・松崎しげるによる対談を放送。『ルパン三世 カリオストロの城』にまつわる思いと魅力を語った。

 映画『ルパン三世 カリオストロの城』は、今年4月に亡くなった故モンキー・パンチ原作『ルパン三世』の劇場映画第2作として1979年に公開。のちにスタジオ・ジブリを立ち上げる宮崎駿の映画監督デビュー作としても知られ、40年経った現在も世界的に人気を誇る不朽の名作だ。

 その『ルパン三世』のテーマ曲をはじめ、TVアニメ第2シリーズ以降〜現在までサウンドトラックを担当しているのが、音楽活動55周年を迎えた作曲家/ジャズピアニストの大野雄二。10月23日には今冬放送予定の『ルパン三世』新作テレビスペシャル第27弾に伴う『ルパン三世』最新サウンドトラックをリリースする予定で、同作には松崎しげるがゲストボーカルで参加し、「ルパン三世のテーマ2019 feat.松崎しげる(メインテーマ)」などを歌っている。番組では大野と松崎の対談が実現した。

 「男の美学が詰まっている」と、『ルパン三世』の世界観を評した松崎。「日本のアニメなのに、外国のアニメじゃないかと思ったほど。ハードボイルの世界観に魅了されたのもルパンが最初で、『007』シリーズよりもルパンの印象が強かった」と、『ルパン三世』に初めて触れた時の衝撃を語った。

 大野は、今回のイベントで題材となる『カリオストロの城』について、宮崎監督がスタジオ・ジブリ作品で描いているものが、この時すでに表現されていたとし、「他のルパン作品とは違うものを感じた」と話した。

 「一般的にルパンと言えば、都会的で世界中をまたにかけているイメージだけど、『カリオストロの城』は、舞台が古いお城だし周りはのどかで牧歌的な風景。劇中曲の「炎のたからもの」という曲は、そういう自然のある風景やクラリスのシーンをイメージして作ったので、自分の中でも異質のルパン楽曲になった。一方で、ルパンらしい“楽しいアクション”シーンをイメージしたのが「サンバ・テンペラード」。各シーンとのマッチングと、メリハリを強く意識して作っていた」(大野)

ゴージャスで華やか。これ以上のぜいたくはない

松崎しげる

 今回のシネマ・コンサートは、同作の公開40周年を記念して開催されるもの。第1部は映画『ルパン三世 カリオストロの城』の上映に合わせ、音楽のみを生演奏で繰り広げるシネマ・コンサート。第2部は、本公演用に特別編集されたTVシリーズのアニメーション映像と共に、大野が手がけた『ルパン三世』の人気曲を厳選してライブ演奏される。当日は大野が率いるバンド“You & Explosion Band”が演奏し、スペシャル・ゲストに松崎しげると峰不二子の三代目声優を務める沢城みゆきが出演する。

 松崎は、「憧れの大野さんからお声がかかったのはすごく嬉しい」と、まるで憧れのヒーローを観るまなざし。「大野さんのコード進行とハーモニーの渦の中で声を出せるのは、歌い手冥利に尽きる。スタジオに入ると年齢を忘れて、リアルタイムでルパンを観ていた20代に戻れた。ファンのみなさんもきっとそうだと思う。そういうマニアのみなさんと一緒にイベントを楽しみたい」と、今からイベントで歌うことが楽しみといった雰囲気だ。

 また大野は、「普通の劇伴は絵に合わせて録るけど、『カリオストロの城』は、劇伴用にあらかじめ録ったものを編集して使っているから、映像に生で音を合わせるのはかなり難しい」と、当時の制作を明かしながら、イベントの見どころを語った。

 「とは言え第1部は、『カリオストロの城』のセリフが入った映像に、生の音楽が入ってくるゴージャスさがある。それに加えて当日は、当時の劇伴でレコーディングした時よりも多い人数で演奏するから、よりゴージャス&華やかな音で、ルパンのメロディを聴いてもらえる。それをバックに松崎さんや沢城さんが歌ってくれて、「どうだ!」って聴かせるわけだから、これ以上ぜいたくなことはない」(大野)

 黒スーツに身を包んだ大野雄二が、『ルパン三世』について語る様子は、現在78歳とは思えないエネルギッシュさ。大野にとってルパンこそが活力の元なのだと感じた。そんな大野の最新アレンジによるクールなジャズサウンドと共に、『カリオストロの城』の名シーンが甦る同イベントは、ジャズファン、ルパンファン、宮崎駿ファンなど幅広いファンに必見だ。【文=榑林史章】

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