ラストアイドルが11日に、シングル「青春トレイン」をリリースする。歩く芸術を成功させ彼女たちが次に挑んだのが、「バブリーダンス」で話題になった大阪府立登美丘高校ダンス部総監督・akane氏のもとでの最高難度ダンス。激しい振りだけでなく、メンバー一人一人に役割が与えられた、いわば個々の主体性が求められる振付だ。これまでも難度の高い課題に取り組み、その都度、葛藤しながらも乗り越え続けてきた彼女たち。今回の挑戦で芽生えたのは一人一人の自覚。そして、その先に見えたのは新たな夢。今回は、阿部菜々実、長月翠、池松愛理、大場結女、篠原望にインタビュー。それぞれの立場で本音を語ってもらった。【取材・撮影=木村陽仁】

それぞれの葛藤、殻を破った“神宮のステージ”

――神宮花火大会はいかがでしたか? あの場で「青春トレイン」を初披露しました。

篠原望 一人でも間違えると全部が崩れてしまうフォーメーションなので、すごく緊張していました。会場もすごく広くて、お客さんもどう反応するのか、不安でした。でもやってみたらみなさん温かくて、歓声も聞こえましたし、その中の一人として頑張れたのが嬉しいです。

――『ラスアイ、よろしく!』でも紹介されていましたが、パフォーマンス直後は「これを目指してきたから寂しい気持ちもある」と語っていました。

篠原望 ここがスタートラインでもあるんですけど、ここに向かってみんなが頑張ってきたので、終わってみると寂しさもありました。

篠原望

篠原望

――大場さんは?

大場結女 まず会場の大きさにびっくりしました。リハーサルしたときに、目の前にある多くの座席を見たら想像が膨らんで緊張してしまって。私はサビのフォーメーションで前列の端に移動するんですけど、端でもお客さんからすごく見えるのですごく大事だと思っていて、私一人が崩れたらみんなに影響が出てしまう。私の失敗が映像に残ってしまうと思うとプレッシャーに感じてしまって、なので本番では気合を入れて指先まで意識して頑張りました。なかでも印象的だったのは、お客さんの表情で。一番前に行くとやっぱりお客さんの表情が見えて、その中で泣いてくださっている方もいました。踊りながらその涙を見て「今まで頑張ってきて良かったな」と思えて。これまでの努力がここで開花したなという感じで、幸せな時間でした。

――緊張しながらもけっこう冷静にまわりを見ていたんですね。

大場結女 意外と見られていました(笑)。激しい振りのところは全く見えないんですけど、サビのところは正面を向いてシンプルな振りなので、そこでお客さんを見ることができました。

大場結女

大場結女

――池松さんは?

池松愛理 定期公演『ラスアイのヨルライ』は主にファンの方が見に来られるのですが、今回は私たちを知らない人がほとんどで、そのなかで初披露するということもあって、一人でも多くの方に「ハッ」と思われたり、ラストアイドルの名前を覚えてもらえるようにステージに立ちました。でも私たちのことを知らない人が多い中で新曲を初披露するのはすごく不安もあって。だけど、前の方にファンの皆さんがいらっしゃって、番組を見て覚えてくださったのか、簡単な振りをやってくださって、すごくジーンときてステージ上で泣きそうになって…。

――そこでファンとの絆がより強くなった?

池松愛理 はい! 私たちの緊張が伝わっているのかな、それをくんでくれて和ませてくれたんだと思います。

池松愛理

池松愛理

――長月さんは?

長月翠 始まる前は「今までやってきたから大丈夫だ」と思っていたんです。でも、踊っているなかで、歌詞の<自分で経験しなくても/行ったふりすればいい>というところで、「私、もしかしたらやったふりをしているんじゃないか、努力していないんじゃないか」と急に思い始めちゃって。それまでは「頑張ったぞ!」と思っていたけど、その歌詞が出てきたときに「もっとこうすれば良かった」「もっと練習しておけば良かった」と後悔が出てきて。そういう感情になったのは初めてで、終わった後に悔しくて泣いてしまって。それと、あの会場には、楽しんでくださった方ももちろんいました。私たちのことを知らない方も拍手をしてくださいました。でも、届かない人ももちろんいて。そう思ったら「もっとできることがあったんじゃないか」と感じてしまって。もちろん、全員に私たちのことを理解してもらうのは難しいことだけど、それでも「もっと伝わるようにしたい」と改めて強く思いました。

――長月さんはずっと「ラストアイドルがもっと上に行けるようになりたい」と言い続けてきましたからね。長月さんはファーストシーズンで一度は敗れましたが、以降は比較的、“エリート街道”を歩いてきたようにも見えます。今回のその悔しさはあれ以来ですか?

長月翠 あの時は自分でも理解ができる悔しさで「(審査員を務めた吉田)豪さんだからしょうがないや」と思えて(笑)。でも今回はちょっと違うというか、自分の立ち位置も満足がいくような所でもなかったし、自分のファンの人が「みーたんは絶対前だから大丈夫だよ」と言ってくだっていたのに、フロントメンバーと言われる場所にはいなかったし、それに関してももうちょっとできたことはあったし、ファンの気持ちを裏切ってしまったのかなと思いました。

――実はダンスが苦手だったとも言っていましたけど、そういう苦手なところにも向き合い、頑張らなければいけないと思った?

長月翠 そうです。わりと平均点は取れる方だと思うんです。だけど、それって何でもできるように見せかけていたんじゃないかなって。それが丸裸になってしまったので、これからは自分にも素直になって下手だなと思うところはしっかりと練習していきたいと思いました。

――ということは良かったんですね、自分の弱みを出せたから。

長月翠 はい! 隠していたものをやっと吐き出せたような感じでもあります(笑)。これが真実の私です!(笑)

――楽になりましたね(笑)。

長月翠 なりました!(笑)

長月翠

長月翠

――阿部さんは?

阿部菜々実 あのステージは今まで立ったことがないぐらい広くて、それに加えて、自分たちのファンの方が少ないというのは分かっていたから、リハーサルの時から緊張していました。何より暑くて体力も奪われて。あの日、私は体調が良くなくて「最後までもたなかったらどうしよう」と思っていたんです。放送でも流れていましたけど、Akane先生が「本番で特別なことをしようとしても絶対に失敗するから、練習してきたことをしなさい」と言ってくださって、その言葉を信じて頑張りました。今までにないぐらい1曲に魂を込めて練習できたので、ここで燃え尽きてもいいと思いながら、新たなスタートともいえるけど、ここは一端ゴールだと思って死ぬ気で踊っていました。

――相当な覚悟があったんですね。これまでとは意識が違っていたんですね。

阿部菜々実 違いました。練習時間が今までとは比べものにならないぐらいだったので、もしここで失敗したら、ここで全部出し切れなかったら今までの練習が全部無駄になっちゃうなと思っていました。なので、悔いのないように4分間全力で踊っていました。

――阿部さんは表情をあまり出さないから、淡々とこなしているように見えるけど、内心はプレッシャーもあった?

阿部菜々実 今回はダンス企画ということもあったので、「私がセンターでいいのかな」って思っていました。私よりもっとダンスがうまい人もいるし、この曲をもっとよく見せられるメンバーもたくさんいるのに、また自分がセンターで、ファンの人からも「またこの人かよ」と思われるんじゃないかなって。「ダンス企画なのに関係ないじゃん」って言われるのもすごく嫌だったので、すごく不安もありましたが、できる限りのことはやろうと思いました。それと今回はセンターではあったけど、メンバーも入れ替わるし、いろんなメンバーの見せ場があるので、任せられたところはちゃんと頑張ろうと思いました。

阿部菜々実

阿部菜々実

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