スターダスト☆レビューが8月11日、東京・日比谷野外大音楽堂でツアー『楽園音楽祭2019 スターダスト☆レビュー with んなアホなホーンズ in 日比谷野外大音楽堂』をおこなった。毎年恒例の野外ライブで7月20日の香川・さぬき市野外音楽広場テアトロンを皮切りに、9月29日の大阪城音楽堂まで全国7カ所9公演をおこなうというもの。同時におこなっている81公演を回る全国ツアー『スターダスト☆レビュー ライブツアー「還暦少年」』とはまた趣を変えたマニアックな選曲で、懐かしい楽曲を多数披露し観客を魅了した。この公演の模様を以下にレポートする。【取材=村上順一】(※ネタバレあり)

一緒に過ごせるのが幸せでしょうがない

『楽園音楽祭2019 スターダスト☆レビュー with んなアホなホーンズ in 日比谷野外大音楽堂』

 立秋を過ぎ、暦の上では秋にはなったが、まだまだ暑さはこれからが本番。この日も30度を超える真夏日で、蝉が元気よく大合唱。そんな暑さとは裏腹に会場となった日比谷野外大音楽堂には、立ち見も出るほど多くの観客で埋め尽くされた。んなアホなホーンズのブラスセクションも参加していることもあり、『還暦少年』ツアーとはまた違った、管楽器ならではのゴージャスなサウンドが響き渡るのが想像出来る。

 開演時刻になると根本 要(Vo.Gt)の影アナウンスが、会場を盛り上げるなか、メンバーがステージに登場。何ともナチュラルな登場は、肩の力を抜いたスタ☆レビらしい幕開け。序盤から身体を揺らしたくなるファンキーなナンバーで席巻。確かなテクニックを持ったバンドの音を浴びる。

 根本は「一緒に過ごせるのが幸せでしょうがないです」と素直な感情を話す。そして、野外のライブの魅力の一つに、明るい時間から出来る事もあり、お客さんの表情がよくわかると、嬉しそうな表情を浮かべた。スタ☆レビにとって観客は最高のコーラスであり、ダンサーでもある。ライブにとって必要不可欠な存在への愛が感じ取れたMC。

 今回のライブはマニアックな選曲ということで、普段ライブではなかなか聴けないセットリストとなっていた。しかし、そこは新規の観客の事も忘れてはいない。“保険”と称した代表曲を披露するセクションもしっかりと設けていた。日が暮れ始めた野音の風景にピッタリだった「トワイライト・アヴェニュー」や、多くのアーティストがカバーし、日本のスタンダードナンバーといっても過言ではない「木蘭の涙」を、今のスタ☆レビアレンジで聴かせるなど、悦楽の瞬間を増幅させていく。

『楽園音楽祭2019 スターダスト☆レビュー with んなアホなホーンズ in 日比谷野外大音楽堂』

 MCではドラムの寺田正美(Dr)が7月26日に60歳、還暦を迎えたという事で、みんなでお祝い。寺田も還暦を機にもっと前へ出て行くと宣言し、積極的な寺田の歌声も印象的だったフュージョン系ナンバー「Cassiopeia」、極上のグルーヴとサウンドで魅了。根本の華麗なギターテクニックにも視線が集まる。

 この寺田のコーナーをきっかけに、メンバーそれぞれがメインボーカルを披露。来年還暦を迎える林 ”VOH” 紀勝(Perc)、血液型がB型の柿沼清史(Ba)はB型の素晴らしさを曲を通して歌で伝え、メンバーの歌声を堪能。1人1人にフォーカスしたコーナーは、ライブのちょっとしたスパイスに。39年目に突入したキャリアから生まれる余裕を感じさせてくれた。

人との出会いをしみじみ感じます

『楽園音楽祭2019 スターダスト☆レビュー with んなアホなホーンズ in 日比谷野外大音楽堂』

 メンバー扮するハワイからのスペシャルゲストがステージに登場し、ウクレレをメインに南国情緒あふれるナンバーを届けた。ダジャレで和ませながら、リラックスした雰囲気でゆったりとした空間はまさにハワイのよう。根本は「おかわりいいですか?」と、ア・カペラによるハーモニーを披露するなど、美しい歌声は野音の夜空に溶け込んでいくかのようだった。時折吹く風は身体をクールダウンさせ、その心地良さに一役買っていた。

 ライブ終盤、根本は「新曲をやります」7月24日にリリースされたアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』のED主題歌である「うしみつジャンボリー」も披露。ポール・サイモンの「Mother and Child Reunion」とザ・ビートルズの「Ob-La-Di, Ob-La-Da」がミックスされたような、キャッチーな1曲で観客を煽情。楽曲の持つ力で会場には、ほっこりとした笑顔が広がっていた。この後、アニメ主題歌コーナーと称して、根本が大学時代に書いた懐かしのナンバーや、盛大なシンガロングが響き渡った「太陽の女神」で大いに盛り上げた。

 昨年6月にリリースされたアルバム『還暦少年』の表題曲「還暦少年」は、クマ吉とウサ吉と名付けられた「楽園音楽祭」恒例の着ぐるみもステージに登場し、大いに盛り上がった。健康にも気を遣い、途中で軍隊式トレーニングであるブートキャンプを挟み、会場全体で身体を動かし汗をかく。約3000人でおこなった一体感は清々しい達成感を与えた。何よりもここにいる全員が少年のような純粋さを、音楽を通じて思い出させてくれるような瞬間だった。

 アンコールでは官能的でセクシーなナンバーなど、スタ☆レビのアダルティな側面を打ち出した楽曲で盛り上げる。最後のMCをおこなっている最中に、少量の雨が降りだし、一瞬本降りの不安がよぎったが、最後の曲まで持ち堪え『楽園音楽祭2019 スターダスト☆レビュー with んなアホなホーンズ in 日比谷野外大音楽堂』の幕は閉じた。

 楽しみたい、楽しませたい、そして、今を伝えたいという想いが終始溢れていた。そして、人間臭さを感じられるMCも含めたパフォーマンスは、スタ☆レビでしか味わえないものだった。「人との出会いをしみじみ感じます――」とMCで語られた言葉。その想いが存分に出た多幸感に満ちたステージだった。

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