私の歌で人の感情を動かすのはすごいこと

――渕上さんは、昨年1月にソロデビューしてからワンマンライブも2回経験し、さまざまなイベントやアニソンフェスにも出演されています。ソロの音楽活動も馴染んできたと思いますが、この約1年半で何か意識の変化はありましたか?

 個人的な変化としては、いろいろなものに対する意識が高くなったと実感しています。刺激を求めると言うか…それこそ歌詞を書くようになったからと言うのもありますけど。もともとインドアで、ネガティブなのは今もあまり変わりませんけど、あまり出歩いたりしない、直行直帰のタイプだったんです。それが、ソロの音楽活動を始めてから、人と会って話すことが楽しくなりました。人は自分とは違うから、良いも悪いも違う意見を持っていて、それが面白いと思えるようになったんです。

――Twitterで、「#人と会うのが目標」というハッシュタグを付けていましたよね。

 自分の中で目標にもしていて、自分と同じくらいの年齢やキャリアのお友達と会うのも楽しいですし、先輩方とお話するのも面白いし。一人でも、カフェに行って食事をしたり仕事をしていることもあって。それも静かなカフェより、若干ガヤガヤしているほうが好きで、周りの会話がすごく面白いんです。先日、隣の女子大生グループの会話を聞いていたら、「もう21歳だよ? ババアだよ?」と言っていて。「もっとババアが、ここにおるけどな!」って、心の中でツッコミを入れていたり(笑)。

――隣のテーブルの会話が、作詞のネタになったりもしますか?

 ちょくちょくあります。直接的ではないんですけど、いろんな人達がいるんだなって。恵比寿のおしゃれなカフェだと、すごくお金持ちそうなお姉さんが自分語りしていたり、場所によって特色が出るのも面白くて。

――音楽活動にまつわる何が、そういう心理に影響を与えたと思いますか?

 ソロの音楽活動を始めたら、おのずと声優と両立することになって。今まで経験したことのなかった大変さもあって、こういう時みんなはどうしているんだろう? と、友達に相談したのが最初だったかもしれません。最近は、逆に相談されることもあって、そういうやりとりが段々と楽しく思えるようになっていきました。振り返ると、歌の仕事を始めたことをきっかけに、自然といろいろな刺激を求めるようになったなと実感しています。

――ライブについてはどうですか? ワンマンライブも4公演やっているわけですけど。

 すごく楽しいです。でも最初は、すごく不安でした。「確かにな」と思ったのは、わざわざお金を払って遠くからきてくれるのだから、そこに敵はいないんだなって、改めて感じたと言うか。

――ライブ会場に敵がいると思っていたんですか?

 敵がいると思っていました(笑)。広く考えると、そういうものじゃないですか。私のことを好いて応援してくれる人もいれば、そうじゃない人もいるわけですから。でも敵が、わざわざお金を払って私のワンマンライブに来たりしないんですよね。そういうところでライブは、自分が安心できる場所になりました。

――ライブで楽しみなのは、どういうところですか?

 自分の曲には、楽しい曲もあれば悲しい曲もあって。曲に合わせてみんなの表情が変わっていくのが、私は嬉しいんです。自分の愛鳥を亡くした時の悲しい曲を歌った時は、みなさんそれぞれの悲しい出来事に当てはめて聴いてくださるのだと思うんですけど、涙を流しながら聴いてくださる方もいらっしゃって。私の歌でこれだけの人の感情を動かしていると思ったら、これってすごいことだなって。自分と自分のファンだけの空間だからこそ、いろいろ感じ取れることがたくさんある、そんな1stライブ、2ndライブだったなと思います。

――今回のシングルの特典CDには、4月に開催された『渕上 舞 2nd LIVE “Journey & My music”at 中野サンプラザホール』のライブ音源も4曲収録されていますね。

 今回収録した4曲は、もともとCDに収録した音源とはアレンジが変わっている曲を選曲しているので、CDでこの曲たちを聴いている方は、このライブCDを聴いて「ライブではこんな風に変わるんだな」と知っていただけると思います。「じゃあ他の曲は、ライブではどんな風に変わっていくんだろう」と期待を高めつつ、次回のライブに足を運んでいただけたら嬉しいです。このライブCDを聴いて、次のライブを楽しみに待っていてください。

――今後ライブでやってみたいことはありますか?

 水を使いたいです。雨女なので(笑)。「Love Summer!」のMVでも水をたくさん使ったので、みんなに水をかけたいです。きっと気持ちいいですよ。そんな大げさでなくていいんです。「今日は濡れるかもよ」くらいの感じで。そうやって、声優活動だけではできないような自分のやってみたいことを、少しずつ叶えていきたいです。

(おわり)

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