男性2人組アーティストの吉田山田が24日、東京・上野恩賜公園水上音楽堂で全国ツアー『吉田山田47都道府県ツアー〜二人またまた旅2019〜Tour Final東京公演』をおこない、3月2日から始まった約5ヶ月半の旅を終えた。コンビネーション抜群の歌唱に、トーク、温かい楽曲の数々に様々なテイストのパフォーマンスを見せたこの日、「おかえり」というアットホームな空気感のなか、オーディエンスの大喝采の反応を受け、盛大なフィナーレを迎えた。【取材=平吉賢治】 

「目の前が見にくいなと思ったら涙でした」

吉田結威(撮影=白石達也)

 旅の最終地点となった上野の会場は、滝状に吊るされた数々の銀テープが照明を反射し、風流な夏の清涼を感じさせるステージ。オーディエンスからの温かい拍手のなか、吉田山田の2人は笑顔で姿を現した。

 ライブの始まりは吉田結威(Gt, Vo)の奏でるアコースティックギターのゆったりとしたアルペジオから。吉田が奏でる手を止めると、山田義孝(Vo)はアカペラを披露した。山田の伸びやかな歌声が水上音楽堂の独特の響きで広がると、オーディエンスは拍手喝采、総立ちで応えた。

 「ただいま! 東京!」という吉田山田のコールを受けたオーディエンスは手拍子を刻み、「光」の演奏と同期した。山田は手を伸ばしながら情熱的なアクションで高らかに歌い上げ、徐々に会場を温める。「頑張ることに決めた」ではステージ前方で軽いステップ混じりに楽しげにパフォーマンスをして、ファイナル公演に対する気合を笑顔で広げた。

 「とうとう辿り着きました、東京」と、山田は47都道府県ツアー最終地である上野の会場に対し、達成感を含んだ深い表情でオーディエンスへ伝えた。また、「目の前が見にくいなと思ったら涙でした」と、軽くジョークを交えつつ、しっかりと会場の笑いを誘った。「今日は僕らとしては凄く感慨深い47公演目、東京ファイナル」と真面目に挨拶するが、吉田山田のトークのコンビ感は抜群で、各曲の間に挟まれたMCでは軽快なトークで常に会場の笑いを絶やすことはなかった。

2人組という編成でもカラフルに魅せるパフォーマンス

山田義孝(撮影=白石達也)

 ファルセット混じりのハモリが美しく響いた「HOME」そして「水色の手袋」へと続き、ここでは吉田は本ツアーでやり始めたというルーパーを使用してのパフォーマンスを披露。4コードのミュートバッキングにパーカッシブなボディアタック音を重ね、後半ではリードプレイもその場でオーバーダビングしてアンサンブルを作り上げるという技を光らせた。

 47都道府県ツアーの旅の道中でのエピソードを語りながら、MCでもテンポ感良くライブを走らせ、アットホームな雰囲気のなか吉田は「カップリングの曲を歌おうと思ったきっかけの曲。僕はどうしてもこの会場でやりたかった」と紹介した「逢いたくて」へと進んだ。吉田の優しい指弾きの音色と間奏での山田の口笛が、夏の終わりの叙情感をしっとりと醸し出していた。野外というロケーションならではの蝉の声も、吉田山田のアンサンブルに心地よく、ごく自然に馴染んでいた。

 山田は会場に来ていた母親と目が合ったというところから、各々の母親の話題へ。吉田と山田は、ツアー中にそれぞれの母親とLINEで何かと気遣われるやりとりがあったことを明かした。吉田は「ここまで気持ちが折れずに全国5ヶ月半もツアーをまわってこられたのも、何気ない母の一言だったり、友達の一言だったり。そういう感謝も込めつつ自分が母にあてて作った曲」とオーディエンスに伝え、「母のうた」を披露した。母へ向けた温かい心情の歌詞が歌として、言葉として、音として会場中に染み渡った。

 そして吉田の希望により、赤い靴に履き替えられた山田はカラフルなパラソルの下でトイ・ピアノのプレイを交えつつ「好きだよ」をポップなパフォーマンスで披露。演奏したトイ・ピアノは“YAMAHA”ならぬ、オリジナルブランドの“YAMADA”ブランドであることを伝え、小技の効いた笑いを誘った。

吉田山田(撮影=松本いづみ)

 ライブも終盤、吉田は4つ打ちのビートをルーパーに流し込み、「まだまだ行けますか! 東京!」と、会場を焚きつけ熱気たっぷりのコール&レスポンスで沸いた。その場でオーバーダビングされたビートにクラップが絡み、ファイナルさながらの熱量のなか、山田がレクチャーする振り付けと共に「SMILE」の演奏が弾けた。

 そして本編最終曲を前にMCで吉田は「7枚目のアルバムを発売します!」とアナウンスし、会場は歓喜の大拍手に沸き、ニューリリースへの期待に大音量で応えた。更に山田は「この先に起こること、それを全部乗り越えられる保証なんてないし、この2人の声がずっと続いていく保証はどこにもないんだけど、願いに乗った気持ちで伝えたいです。これから起こる全てのことを歌に変えて、いつまでも歌って行きます」と、決意表明を示した。

 そして、ゆっくりと、会場中に、47都道府県ツアーぶんのストーリーを伝えるように、「僕らのためのストーリー」を歌い上げた――。

ファイナル公演さながらの熱気のアンコール5発

ライブの模様(撮影=白石達也)

 アンコールでは5曲の披露で応えるという、長丁場のツアーのファイナルらしい締めくくりとなった。
山田は「YES!!!」では、「まだまだ行きたいか!」と、気合十分の表情でタンバリンを片手に「Yes, yes, yes!」とコール、はち切れんばかりの熱量のコールで応えるオーディエンス、「Yeeeeeees!」という超ロングトーンのコールにも同様の尺でレスポンスし、会場はこれでもかというほどの一体感を見せた。陽が落ちた水上音楽堂を映す照明、そしてみんなの笑顔は、ツアーファイナルのステージ、オーディエンス、そして吉田山田の2人を輝かしく、旅の終着を祝福するように煌々と照らしていた。

 そんな幻想的な光景のなか、しっとりと歌われた「日々」で『吉田山田47都道府県ツアー〜二人またまた旅2019〜Tour Final東京公演』は幕を閉じた。

 2人はステージ中央で熱い抱擁を見せ、「また会える日を楽しみにしています。47都道府県、本当にありがとうございました!」と、深々と礼をしながら謝辞を伝え、約5ヶ月半におよぶ長旅を締めくくった。吉田山田の新たな旅は、ここから先、まだまだ続く――。

セットリスト

『吉田山田47都道府県ツアー〜二人またまた旅2019〜Tour Final』
2019年8月24日@東京・上野恩賜公園水上音楽堂

01. RAIN
02. 光
03. 頑張ることに決めた
04. HOME
05. 水色の手袋
06. 逢いたくて
07. 明日がくるよ
08. 母のうた
09. 好きだよ
10. 風と雲と虹
11. SMILE
12. 僕らのためのストーリー

ENCORE

EN1. 桜咲け
EN2. 赤い首輪
EN3. もし
EN4. YES!!!
EN5. 日々

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