歌手で女優の水谷果穂が8月28日、1stアルバム『深呼吸』をリリース。2017年7月に「青い涙」でシンガーとしてメジャーデビューし、昨年は2nd シングル「君のステージへ」をリリース。女優としても今年に入ってからもNHK連続テレビ小説『なつぞら』に三橋佐知子役で出演、現在放送中のTBS系『凪のお暇』ではエリィ役で出演するなど活躍。『深呼吸』は音源としては約1年ぶり、ライブで披露してきた未発表曲を数多く収録し、デビューからの集大成とも言える1枚に仕上がった。インタビューではテレビ東京系連続ドラマ『リーガル・ハート ~いのちの再建弁護士~』の主題歌「朝が来るまで」のエピソードなどを聞き、現在21歳の水谷の素顔に迫った。【取材=村上順一/撮影=冨田味我】

“歌う”という事にすごく悩んだ

水谷果穂

――昨年は2ndシングル「君のステージへ 」をリリースした後、表立った音楽活動は控えめでしたが、今作の制作を?

 そうなんです。今作に収録されている曲のデモづくりなど色々試していました。

――ドラマにも出演したり、水谷さんの活動自体は活発でしたね。昨年の11月には21歳の誕生日を迎えられましたが、女性の21歳は転機になる事が多いと聞いた事があります。水谷さんは何か変化は訪れましたか。

 20歳のときはあまり実感がなかったんですけど、21歳になってやっと「20代になったぞ」という実感があります。

――何か新しくチャレンジしたいことや、始めたことはありますか。

 まだ、始めてはいないんですけど、自動車の免許を取りたいなとここ何カ月で考えるようになりました。でも、今は夏休みで教習所が混んでるので、オススメしないよと周りからアドバイスを頂いて(笑)。

――確かに今は学生さんですごく混んでそうですよね。車の運転に興味が?

 今までは乗るのがすごく好きでした。自分で運転するのは怖いなと思っていたんですけど、運転してみたいなって。

――運転するのと助手席ではまた違いますよね。

 実は私、スピードが速い車が苦手なんです…。ちょっとスピードが出てるなと感じたら、運転手さんに「スピードを落として下さい」とお願いしてしまう事もあるんです。なので、私が運転したら、のんびりした感じになってしまうんじゃないかなと思います。

――安全運転で良いと思います。

 免許を取ったら、歩行者最優先の運転でいきたいです。車も可愛い軽自動車が良いかなと思っています。

ピアニスト清塚信也とのセッション

――さて、歌手デビューから2年、フルアルバム『深呼吸』が完成しました。今どのような心境ですか。

 しっかりと全部の曲をこだわって歌う事が出来たので、自分としては満足の行く作品ができました。今までライブで歌ってきた分、これで完成してしまう、というところも感じながらレコーディングしていたので、“歌う”という事に関しては嬉しい反面すごく悩みました。

――リード曲の「朝が来るまで」との出会いはどんな感じでしたか。

 初めてこの曲を聴かせて頂いたとき、歌詞とその時の自分の心境とがリンクするところがあって、泣いてしまったんです。とても心に沁みました。今回、『リーガル・ハート ~いのちの再建弁護士~』の主題歌になるという事で、歌詞はドラマに寄り添ったものになりました。今までは自分に向けて歌っている感じだったのですが、人のために歌う気持ちで作りました。

――歌い方も変わったのでしょうか。

 ライブで歌う感覚に近いかもしれません。聴いてくれる人たちのために歌おうと思いました。

――この曲で一番聴いてほしいポイントはどこですか。

 最後の歌詞に<君を許すように朝が来る>というフレーズがあるんです。この許すという事がこの曲のテーマだと思っていて、自分を責めてしまう時もあると思いますし、人を責めてしまう時もあると思うんですけど、それがこの曲で救われたら良いなと思っています。

――ドラマとリンクする部分でもありますよね。例えば水谷さんが許せない事って何ですか。

 意地悪な人、弱い者イジメとかする人かな…。自分自身もそういう人に対して注意出来なかったり、助けてあげたり出来なかったので、それに対して強く記憶に残っているんだと思います。

――正義感が強いですね。でも、水谷さんは可愛いので、小学生や中学生の時は男の子から意地悪な事もされた経験あるのでは?

 小学生の時は全然なかったんです。でも、中学生の時に前髪パッツンでおでこが見えないくらい分厚い前髪にしていたので、男の子から「おでこを見せろよ」と下敷きであおられた事はありました(笑)。あと、シャープペンシルを分解されたり…。その時までそうやっていじられた事がなかったので凄く印象に残っています。

――それは嫌じゃなかったんですか。

 なぜか全然嫌な気持ちではなかったんです(笑)。

――楽しまれていたんですね(笑)。「朝が来るまで」はPiano Session versionも最後に収録されていて、ピアニストの清塚信也さんが参加されています。Session versionということはもしかして、同時録音ですか。

 そうなんです。同時録音だったので、清塚さんのピアノが私の歌に寄り添ってくれるような感覚がありました。すごく呼吸がしやすいと言いますか、音楽を待っていない感じがありました。今までにない感覚があったんです。今までは音をしっかり聞いてズレないようにとか意識していたものを全部取っ払ってくれた感じでした。清塚さんが「そういうのは気にしないでいいよ」と仰ってくれたんです。

――清塚さんとお会いした印象は?

 最初にお会いした時はすごく紳士で優しい方だなと思いました。でも、その後にテレビに出演されているのを見て、それが面白くて、そういう一面もあるんだと驚きました。

――ユニークな方ですよね。さて、今作に収録された曲で、印象的だった曲は?

 「スプラウト」という曲です。当時はまだ高校を卒業したばかりだったので、学生時代を思い出すんです。歌詞も読んだままの意味で捉えていたんですけど、レコーディングするに当たって、改めて歌詞を読んだらもっと深く捉える事が出来ました。時間が空いた事でより曲と向き合えました。

――経験されてきて、成長した証かもしれませんね。お気に入りのフレーズとかありますか。

 出だしの歌詞で<戻れない場所があるから>というのがあるんですけど、私にも抽象的なんですけどそういう場所があって、過去から一歩外に出れたような感覚になれるので、このフレーズは特に気に入っています。

――過去に戻りたいと思う時もありますか。

 めちゃくちゃ戻りたいです。戻れるとしたら中学生頃に戻りたいです。小学生の時だと理性がまだあまりなくて、しっちゃかめっちゃかだったなと思うんです。中学生ぐらいになるとちょっと大人になって。自分の気持ちとの折り合いみたいなものが、今より下手くそだったなと感じていて…。今の記憶のまま戻れれば、もう少し上手く出来たんじゃないかなと思うんです。

――そうしたら今の水谷さんじゃ無くなってしまうかも…。

 別人になって帰ってきたいです(笑)。

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