魂を削っているかのようなレコーディング

――さて、EPのタイトル「innocent moon」にはどのような思いが込められているのでしょうか。

 タイトルを決める会議があったのですが、スタッフさんから「収録曲から付けても良いし、全く違うものでも大丈夫だよ」と言っていただけたので、考えさせていただきました。私は星や月が好きということもあってmoonを入れたいなと思いました。月を見ている時って何も考えずにボーッと出来るので好きなんです。不思議なパワーが月にはあって、moonという言葉は入れたいと思いました。

――その感覚私もわかります!

 共感していただけて嬉しいです。月も三日月だったり色々と形を変えて行きますけど、月は月のままなので、私も色んな活動をして、色んな入り口から私を知ってくれる人がいると思うんですけど、アーティストとしても、声優としてもどちらも結城萌子という一つの人物だから、これから色んな側面の結城萌子をお見せしたいという未来的な意味があります。そして、“innocent”は初めてのEPだったので、純真な、まだ何色にも染まっていない私の歌をEPに詰め込んだので、このタイトルを付けさせていただきました。

――月は結城さんにとって重要な存在なんですね。さて、一曲ずつお聞きしていきたいのですが、「さよなら私の青春」を最初に聴いた時はどのように感じましたか。

 すごく甘酸っぱい歌詞だなと思いました。私が歌えるのかなとも。すごく好きな感じの歌詞だったので、川谷さんはこういう感じの歌詞も書く人なんだなと驚きもありました。

――この歌詞は先生の事が好きな女の子というイメージで合ってますか。

 私もそう解釈していたんですけど、レコーディングの時に川谷さんに意味を聞いたら、私とはまた違った解釈だったんです。登場人物も2人ではなくて、3人いるみたいなんです。その子と主人公の恋愛が描かれていて、そこに先生が入ってくる事で、色んな意味に捉えられる歌詞になっているみたいなんです。

――それを知るとまた歌詞の印象が変わりますね。<責任取ってよね>と3回繰り返すところもインパクトがありますよね。

 そうなんです。歌詞では2回しか書かれていないんですが、音源では3回言っているんですよ。この部分は男性からみたら怖いかも知れないですよね(笑)。

――アレンジに菅野よう子さんが参加されていますが、お会いされましたか。

 はい。オケ録りと歌録りのときにお会いしました。すごく優しくて可愛い、チャーミングな方でした。精霊のような雰囲気を持っていて、型にとらわれていない自由なイメージなんです。レコーディングのときは川谷さんにディレクションして頂いて、菅野さんがちょっと離れたところにいたんですけど、緊張して歌うどころではないといった感じでした。呼吸するのすら大変で魂を削っているかのようなレコーディングでした。この曲は実は2回レコーディングしていて、2回目のテイクが使用されているんです。

――そうだったんですね。今作で一番最初に録った曲はどの曲ですか。

「幸福雨」です。初めて川谷さんとレコーディングする曲だったので、どうなるんだろうという不安もあったと思います。私が歌うに当たって考えていたものと違ったらどうしようという感じで、何もわからない不安をいだきながらのレコーディングでした。

――「元恋人よ」のレコーディングはいかがでしたか。

 3曲ができあがって、さあ4曲目をどうしようとなった時に「次はバラードです」と教えてもらったんですけど、「あ、バラードを歌うんだ…」と思いました。その出来上がったデモを会議室で聴いた時に「とても良い曲」と思いました。初めて聴いた瞬間からめちゃくちゃ感動したんです。この曲を歌わせていただけるのは、すごく幸せなことだと思いました。

――デモの段階から今の完成形のような状態だったんですか。

 いえ、アレンジャーさんもまだ決まっていなかったので、今とは違う形でDADARAYのえつこさんが仮歌を歌ってくれたバージョンなんです。そこからミトさんがアレンジをしてくださって壮大な音楽になりました。そこから私の歌で歌詞の世界観も含めて、どう表現して作り込んでいったら良いのかなとは考えました。

――世界観というところで、まずタイトルが渋いなと感じました。ちょっと昭和を感じさせてくれる部分があります。

 確かにタイトルだけ見るとマッチ(近藤真彦)さんを感じますね。

――マッチさんの曲はよく聴かれるんですか。

 はい。昭和のアイドルさんが好きで、マッチさんの曲もよく聴いています。逆に今の音楽はあまり聴いていないんです。

――他にはどのようなアイドルさんの曲を聴いていますか。

 松田聖子さんや中森明菜さんです。私はまだ生まれてなかったんですけど、明菜さんがレコード大賞を獲った時の感動はすごかったです。YouTubeでその時の模様を見たんですけど、明菜さんが歌えなくなってしまうところで、私も泣いてしまいました。明菜さんは尊敬するシンガーの一人なんです。

記事タグ

関連記事は下にスクロールすると見られます。