2017年結成のエレクトリックバイオリン&ダンスユニット・平安式舞提琴隊(通称ブテキン)が7月26日、東京・恵比寿CreAtoで『平安式舞提琴隊LIVE 2019〜ブテキン 夏の陣〜』をおこなった。同場所では3回目となるワンマンライブで、この日の彼女たちはいくつかの初挑戦を盛り込んだ1日となった。ピンクレディーの「UFO」や「千本桜」などアンコール含め全16曲を完走したライブの模様を以下にレポートする。【取材=村上順一】

新たな挑戦“ノンストップ”

平安式舞提琴隊

 ユニット結成から3回目のワンマン公演。日に日に完成度が高まっていくブテキン。エレクトリックバイオリンを演奏しながら、シンクロしたダンスをおこなうという世界でも稀有なパフォーマンスを見ようと、この日も多くの観客がライブハウスに集結した。

 ステージには近未来を感じさせるバイオリンを設置するスタンドが存在感を放つ。開演時刻になり、YURiEとKiRAの2人がステージに登場。威勢のよい「ソイヤ!」の掛け声がライブハウスに響き渡った。オープニングを飾ったのは一世風靡セピアの「前略、道の上より」を披露。梅雨のジメジメとした空気を吹き飛ばすような、快活なパフォーマンスで魅了した。

 KiRAは「3回目のワンマンライブでここに戻ってこれて嬉しい」と歓喜の言葉からGARNiDELiAの「極楽浄土」を届けた。2人のスイッチするエレクトリックバイオリンのフレーズが効果的で、楽曲の表情の変化を的確に再現しながらも激しいダンスも披露するという、高レベルなパフォーマンスで絡み合うバイオリンのフレーズが印象的。続いて黒いマスクを着用し、ガラッと雰囲気を変え視覚的変化も見せた、REOLの「宵々古今」を披露。妖艶なイメージをサビでは表現し楽曲の世界観に惹き込んでいった。

 今回のワンマンでは2人にとって挑戦が詰まっていると話す。その挑戦の一つがノンストップでステージを完走することだという。前回までの公演は休憩を挟んだ2部構成で、1部の終了時には、激しいダンスからYURiEは酸素ボンベを使用したくなるほどのハードワークだったことを明かした。それを今回はノンストップで駆け抜けるので着いてきてね!と観客に呼びかけていた。

 GARNiDELiAの「桃源恋歌」からYMOの「東風」ではこの楽曲の持つオリエンタルな空気感を余すことなく伝える。回を増すごとに2人のダンスのシンクロ率も、上がっているのが確認できる。

 2人はMCがまだまだ苦手だと告白。それを克服するために得意であるバイオリンを使って補う方法を考えたという。その攻略法のひとつとして、KiRAが「布団が吹っ飛んだ〜」と往年のダジャレを放ち、YURiEがバイオリンの音でオチを付けるというコンビネーションを見せてくれた。

 2人の和やかなMCに続いて、アニメ『進撃の巨人』よりLinked Horizonの「紅蓮の弓矢」を届けた。2人は調査兵団の「心臓を捧げよ」のポーズから、グッと作品への世界観に入り込ませてくれる。そして、シリアスな旋律を奏でる2人の表情も非常にクール。スクリーンには真っ赤に燃え盛る描写がよりテンションを上げ、フロアも赤いペンライトが振られるなか、勢いのある演奏とダンスのシナジーを体感させてくれた。

 そして、場面は一転し悠久を感じさせてくれた叙情的なナンバー「十五夜逢瀬」。2人のセリフから始まるこのオリジナル曲は、感情を揺さぶりかけるエモーショナルな演奏が印象的。1200年前へと時空を超えタイムスリップさせてくれるような一時を与えてくれた。

もっと成長した姿を見せたい

平安式舞提琴隊

 YURiEは「演技も踊りもバイオリンも何でもできるユニットになりたい…」とこれからの意気込みを見せ、ブテキンのサウンドプロデューサーであるシンゴザウルスをギターで招き、この日2つ目の新たな挑戦、ソロコーナーへ突入。

 トップバッターのYURiEは陰陽座の「甲賀忍法帖」を披露。シンゴザウルスのラウドなエレキギターのサウンドをバックに、アグレッシブなパフォーマンスに観客もスタンディングで大いに盛り上がった。続いてはKiRAがアヴィーチーの「ウェイクミーアップ」をシンゴザウルスと一緒に届けた。アイリッシュなバイオリンのフレーズに絡むEDMのマッチングは新鮮。会場全体で身体を弾ませ楽しんだKiRAは「皆さんとパリピになれて良かった」と嬉しそう。

 KiRAの合図で会場からの「リーダー!」の掛け声に導かれるように、衣装をチェンジしたYURiEが合流し、名曲カバーコーナーへ突入。昭和56年にタイムスリップするという演出から、耳馴染みのあるイントロとダンスが目の前で繰り広げられたピンクレディーの「UFO」は初挑戦の1曲、そして、ブテキンらしい和の要素も取り入れたイントロから始まるアン・ルイスの「あゝ無情」は、間奏でのパラパラダンスや、観客もメロディの合間に<フッフー♪>と合いの手を入れ、一体感のあるステージに。

 三代目J SOUL BLOTHERSのランニングマンで有名な、シャッフルダンスを取り入れたブテキンオリジナル曲「無双輪舞」は、<バンバンババン〜>と中毒性のあるメロディも印象的。続いて、「源氏物語」は壮大なスケール感に惹き寄せながらも、YURiEによる光源氏と夕顔のラブストーリーを現代風に描いたラップがアクセントなっていた。

 ライブもラストスパート。『新世紀エヴァンゲリオン』の主題歌「残酷な天使のテーゼ」を投下。ダンスビートに乗って歯切れのよいバイオリンが響き、ビートに乗って観客も身体を弾ませ楽しんだ。本編ラストはアニメ『マクロスF』のオープニングテーマである「ライオン」。2人のコンビネーションが一層光るナンバー。2人でユニゾンするサビの旋律は力強いエナジーを放っていた。

 会場から鳴り響く“ブテキンコール”に応え、Tシャツに衣装をチェンジした2人が再びステージに登場。「もっと成長した姿を見せたい」と意気込みを語り、アンコールには「千本桜」を届けた。スクリーンには美麗な桜が舞い散るなか、儚くも情熱的なメロディを奏で、2人は全身全霊のパフォーマンスを見せてくれた。今回のステージを無事に完走した2人はお互いを称えるかのように、抱きしめ合い『平安式舞提琴隊LIVE 2019〜ブテキン 夏の陣〜』の幕は閉じた。

セットリスト

『平安式舞提琴隊LIVE 2019〜ブテキン 夏の陣〜』

7月26日@恵比寿CreAto

M01.前略、道の上より
M02.極楽浄土
M03.宵々古今
M04.桃源恋歌
M05.東風
M06.紅蓮の弓矢
M07.十五夜逢瀬
M08.甲賀忍法帖(YURiE)
M09.ウェイクミーアップ(KiRA)
M10.UFO
M11.あゝ無情
M12.無双輪舞
M13.源氏物語
M14.残酷な天使のテーゼ
M15.ライオン

ENCORE

EN.千本桜

記事タグ