サカナクション・山口一郎と黒瀧節也による「NT」が5日、東京・銀座の複合商業施設「GINZA SIX」屋上庭園「GINZA SIX ガーデン」で開かれた『ROOF TOP ORCHESTRA -音を奏でる庭園-』(8月6日~10月31日)メディア先行内覧会に出席した。

 『ROOF TOP ORCHESTRA -音を奏でる庭園-』は、山口一郎が発起人である「NF」がプロデュースしたサウンド・インスタレーション。来場者が主役となる“作曲者がいないオーケストラ”を目指し、サウンドクリエイションを手掛けた。地上約56mに位置する屋上庭園を、音と光とテクノロジーがミックスした空間に演出する。「NF」として、参加型インスタレーションのプロデュースおよび屋上・長期開催は初の試みとなる。

山口一郎、黒瀧節也

山口一郎、黒瀧節也

 屋上庭園には、水盤エリアと芝生エリアには「オーケストラの演奏台」をイメージした6つの6面体のモニュメントと、それを小編成オーケストラが囲うように光の柱を設置。来場者がモニュメントを打楽器のように叩くことで、音と光が連動していくインタラクティブな体験ができる。それぞれ独立したモニュメントは合計36種類の音色と光を発し、複数の体験者によって共鳴するように空間全体で音楽を奏でる。また30分に1回、約30秒間の特別演出を実施。オーケストラが演奏前に一斉に調律をするように、「NF」によって作りだされた音と光が会場全体を包む。

 この日、メディア先行内覧会に出席した山口一郎と黒瀧節也は『ROOF TOP ORCHESTRA -音を奏でる庭園-』の仕組みを説明。更に山口は、銀座の歴史を紐解きつつ最初に同庭園に訪れたときの印象を語りつつ「親子連れや休憩に来られている方など冷たい空気感を銀座ならでは演出で表現しようと思った」と説明。2人はそのまま実演した。

 山口はイベント後に囲み取材に応じた。

山口一郎

――出来上がりを見た感想を。

 きょうは夕方から暗くなった時間帯でご覧になって頂きました。時間帯によって見え方や感じ方が違う空間になっているので、その辺を皆さんに体験して頂けたのは良かった。僕らにとってもLEDの光り方や音のディティールを詰めて、この「GINZA SIX」の庭園をしっかり演出するように出来た。期間は10月まであるので、そのなかでも少しずつアップデートが出来たら。

――なかもこだわりは?

 NFというチームで取り組んでいるのが「作曲者がいない音楽」。そのコンセプトでいろいろ作り込んでいて、そのなかのその一つの作品として納得いくものが出来た。こういう場なので、派手過ぎても地味過ぎてもどちらでも成立しない間を押さえるのが僕らのコンセプトでもあった。そこにたどり着けたような感じはします。

――気に入っているポイントは?

 水盤です。(水には)子供は入りやすいと思うけど、大人はなかなか入りにくいので、(水盤の上に)コンクリートが置いてあるので、水の上で休める、音楽を聴けるというのは僕個人的にはすごく気に入っているデザインです。

――こうした取り組みをおこないたいと思ったきっかけは?

 僕の職業はミュージシャンで、この作品もミュージシャンの一つの作品と考えている。ミュージシャンはライブをすることと、音源を作ることでしか表現する場所がない。でも時代はどんどんアップデートされていて、しかし、ミュージシャンの表現する場が増えないというのは、違和感がある。そのなかで僕がこういう取り組みをおこなうきっかけとして、いろいろなミュージシャンがいろんな形の表現する場所が増えていくといいかなという大義があった。

――これも音楽活動の一環?

 ライブの演出と一緒。空間を作るということで一緒。音楽は目で見えないもので、手では触れないもの。匂いと一緒だと思う。でもその分、人の心を触れるとものだと思う。そこにはまだまだ表現する場所があるなと思います。これはライブの演出と考え方は一緒です。

――NFとしてここでライブは?

 実はそのお話もあって、僕らもこの空間をただ解放するだけでなくて、これを使ったイベントを開催する考えでもあります。関係者に話を聞いたら、ここは音量制限がないそうなので、銀座という街の作法というなかで、ここで繰り広げられる音楽の演出やイベントは僕らも考えている。10月の間に何度か考えています。

――屋上ということで音の響き方で苦労された点は?

 環境がない屋外でのサウンドディレクションとなると、音は響かないため音を点で聴かせる。それをどう空間として聴かせるかというところは繊細に取り組んだ。あと演出としての光と音の親和性を考えるうえで、レベルをどこまで調整できるかというのも、ライブするときでも考える点ではありますが、そこが難しかった。それと誰もが来られる空間なので、不快に思われる方がいないようにしないといけないというのが重要な点でした。

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