4人組ピアノロックバンドのHOWL BE QUIETが8月1日、東京・渋谷WWW Xで2マンライブ『HOWL BE QUIET × WEAVER「Screen0」』をおこなった。ライブは7月31日にリリースされた2年振りとなったフルアルバム『Andante』のリリースを記念し、WEAVERと対バン。同じピアノバンドとしての矜持をぶつけ合った。アンコールでは竹縄航太(Vo.Pf.Gt)とWEAVERの杉本雄治(Pf.Vo)による連弾での「サネカズラ」、HOWL BE QUIETがバックバンドでWEAVERの「僕らの永遠~何度生まれ変わっても、手を繋ぎたいだけの愛だから~」をパフォーマンスなどこの日ならではのコラボレーションもおこなわれた。【取材=村上順一】

もうお祭りだよ!

HOWL BE QUIET(撮影=山川哲矢)

 WEAVERのクールで熱い演奏に会場は最高の状態でHOWL BE QUIETに繋がれた。スタンバイが完了し、SEが流れる中、5人がステージに登場。ライブは「ギブアンドテイク」でスタート。ライブというのはまさにオーディエンスとバンドとの、ギブアンドテイクで成り立っていると感じさせるパフォーマンス。それは、オーディエンスのクラップや<Hurray Hurray>のフレーズに合わせ、フロアから無数の手が挙がるという行為だ。

 そして、ニューアルバム『Andante』から「Reversi」を披露。リズムとギターリフから出来た、バンドらしい制作方法で完成した、竹縄航太(Vo.Pf.Gt)のデモから曲が出来ることが多い彼らにとって、ロックバンドらしさが詰まった稀有な一曲で楽しませた。

 軽快なリズムに流れるようなメロディライン、竹縄のファルセットが印象的な「Daily Darling」は、エンディングでテンポチェンジし、スリリングな演奏もスパイスとなり、一筋縄ではいかないバンドの凄味を感じさせた。

 MCでは2年ぶりとなったアルバムリリースの報告。竹縄は今日のこのライブに「もうお祭りだよ!」と意気込んだ。

 続いて届けられたのはSexy Zoneに竹縄が提供した「名脇役」だ。4月のライブでは竹縄のピアノ弾き語りで披露されたが、今回はアルバム『Andante』に収録されたバンドアレンジでのセルフカバー。しっかりと自分たちの曲としてのオリジナリティを提示し、美しいメロディとサウンドにオーディエンスもしっかりと耳に焼き付ける。

 そして、今作で一番最後に完成し、竹縄が初めてストレートに歌詞を書けたという「fantasia」を届けた。偶然ではなく必然だった今を肯定するかのような、この瞬間は当たり前ではないんだという想いがこの曲から強く感じられた。

 黒木健志(Gt)が過去にバイトしていたカフェでWEAVERの河邉 徹(Dr.Cho)が歌詞を書いているところを何度も見たことがあったという思い出を話し、今こうやってWEAVERと対バン出来ていることに喜びを噛みしめた。そして、竹縄は「今日、何度も言ってしまうと思うけど…」とアルバムをリリース出来たこと、今でもライブは不安が多いことなど様々な思いを吐露。

 ライブは後半戦へと流れた。「冒険に出かけてもいいですか?」と投げかけメジャーデビューシングルの「MONSTER WORLD」で会場は大きな盛り上がりをみせ、「今度は声出してみようか」と提案すれば、イントロからシンガロングが響き渡る「レジスタンス」へ。今のバンドの勢いが感じられるグルーヴに、フロアもヒートアップしていく。

 続いての「にたものどうし」の出だしはコンテンポラリーな松本拓郎(Ba)のベースを伴奏にハンドマイクで歌唱する竹縄。その歌う姿を見てニヤリと微笑む黒木。バンドが良い状態にあることが伺える一幕で、こういったちょっとしたアレンジが、彼らの音楽性の振り幅やスキルの高さを感じさせてくれた。

俺は間違っていなかったと思う

竹縄航太

 そして、1年半ぶりの音源として満を持して4月に配信リリースされた「ヌレギヌ」は、竹縄の想いが目一杯詰まった、1人では完成できなかった、ファンのための1曲。丁寧に、時に熱く歌い上げる。

 MCでは竹縄が空白の2年間について「『Mr.HOLIC』からの2年間はなかったものになってしまった。『よしここからだ』というところで、努力では避けられないことが起きたりして...。それでもバンドを続けたくて、もがいて続けられたことが本当に嬉しい。拓郎が入ってリスタートを切れた、1年掛かってしまったけど、そんなことはもうどうでも良くて、今ここにいることが確かだと思う。ここにみんながいてくれることが何より嬉しいです」と思いを綴った。

「俺は間違っていなかったと思う――」

 竹縄はピアノを弾きながら「ありがとう!」と叫び「Dream End」を披露。壮大なロックバラードはバンドの未来を示唆するような情熱と勢いに包まれていた。間違っていたとしても、今が全てだと、胸を張って突き進んでいくバンドの意志を感じさせてくれた。

 アンコールの声に応え、竹縄が1人でステージに登場。せっかくの対バンイベントということでWEAVERの杉本雄治(Pf.Vo)と2人でピアノを連弾で曲を披露することに。2人とも緊張を隠せない様子だったが、演奏が始まってしまえば、そんなことは感じさせない――。

竹縄航太と杉本雄治で「サネカズラ」(撮影=山川哲矢)

 まずは杉本のカウントからHOWL BE QUIETの「サネカズラ」。交互に歌い上げるアレンジで、サビでは2人のハーモニーを響かせた。そして、次はWEAVERの「僕らの永遠~何度生まれ変わっても、手を繋ぎたいだけの愛だから~」をHOWL BE QUIETのメンバー3人も合流し、バンドサウンドで届けた。このコラボレーションに会場は大きな盛り上がりを見せ、多幸感に満ちていた。

 竹縄はこのコラボに「最高の日だ」と喜びを噛みしめる。「最後にもう一騒ぎしませんか」と投げかけ、記念すべきこの4人で作った最初の曲「幽霊に会えたら」を投下。身体が自然と弾む岩野亨(Dr)によるビート、そして、キャッチーなメロディは「これぞHOWL BE QUIETだ」、というアイデンティティに溢れた1曲でライブの幕は閉じた。竹縄は「最高のお祭りだったよ!これにて完結!!」と、気持ちの良い言葉を投げかけ『HOWL BE QUIET × WEAVER「Screen0」』を締めくくった。

 ゆっくりとした歩みだが、確かな一歩を踏み出したHOWL BE QUIET。このライブのタイトル『Screen0』のようにゼロからのスタートを感じさせたステージは、ポジティブなエネルギーで満たされていた。9月1日の千葉 LOOKを皮切りにアルバムを引っさげた全国ツアー『Andante TOUR』が決定しており、アルバムの世界観を存分に堪能させてくれることだろう。

セットリスト

▽WEAVER

1.Shine
2.Shall we dance
3.くちづけDiamond
4.レイス
5.こっちを向いてよ
6.最後の夜と流星
7.管制塔
8.Free will
9.だから僕は僕を手放す
10.カーテンコール

▽HOWL BE QUIET

1.ギブアンドテイク
2.Reversi
3.Daily Darling
4.名脇役
5.fantasia MC
6.MONSTERWORLD
7.レジスタンス
8.にたものどうし
9.ヌレギヌ
10.Dream End

ENCORE

en1. サネカズラ+僕らの永遠~何度生まれ変わっても、手を繋ぎたいだけの愛だから~
en2. 幽霊に会えたら

記事タグ