4人組バンドのHOWL BE QUIETが、約2年振りとなるアルバム『Andante』をリリース。新たなベーシスト・松本拓郎を迎え、今作は“新生HOWL BE QUIET”としてターニングポイントとなりえるアルバムが完成した。今年4月に配信限定シングル「ヌレギヌ」を発表するまでの約1年半、バンドとしての目立った活動がなかった。インタビューでは、その空白期間に考えていたことや、今作に込められた想いなど、今のHOWL BE QUIETに迫った。【取材・撮影=村上順一】

この2年間で改めて歌を伝えたいと思った

『Andante』ジャケ写

――2年振りのアルバムが完成したわけですけど、メンバーの脱退もあり、様々な葛藤があったのではないかと思います。

竹縄 航太 約2年前に『Mr. HOLIC』というアルバムをリリースさせていただいて、そのツアーをおこないました。そこから新たな僕らとしての発信が止まってしまったわけです。そして、昨年の夏にベースの橋本が脱退して、そこから「どうしようか」とメンバーと話し合っていた期間でした。その間ももちろん新曲は作っていました。でも、メンバーと話して色々落ち着いてから音源を出そうということになって。橋本が脱退して、昨年の9月に(松本)拓郎が加入することが決まって、そこから急ピッチでアルバム制作に進んだんです。

――ケンカもあったとお聞きしていますが、どなたが?

竹縄 航太 これは、僕と黒(木)なんですけど...。

黒木 健志 1年半ぐらい前の話で渋谷の居酒屋だったと思います。どんな理由でケンカしたのか全く覚えてないんですけど(笑)。

岩野 亨 僕はその場にはいなかったので、「どうやらケンカをしたらしい」と後から聞いたんです。

――解散の危機も?

竹縄 航太 このケンカではそれはなかったです。別のタイミングで解散というのも、頭の片隅にはあったと思うんですけど、やっぱりこの3人でバンドは続けて行きたいという想いがありました。そのまま3人で続けて行くという選択肢もありましたけど、良いベーシストがいたらスクラムを組んでやりたいと思っていて、そこに拓郎が見つかったんです。

――松本さんも加入されて、もうすぐ1年が経つわけですが、かなり馴染みました?

松本 拓郎 そうですね。僕はみんなより6歳下でけっこう年齢が離れているんですけど、そこはあまり気にせず同い年のような感覚で入れてもらえました。今回、新生HOWL BE QUIETという感じでアルバムを作れたのも、僕を受け入れてくれたからなのかなと感じています。

――新生ということでメンバーも変わりましたが、意識の変化もありました?

竹縄 航太 僕らとしては変わったというよりも、原点回帰したのかなと思っています。改めて歌を伝えたいというのがありましたし、今回どんなアルバムを作ろうかとなった時に、拓郎が入った事により、脱皮した、新しくリスタートを切るんだなと感覚があったので、インディーズ時代に出したアルバム『DECEMBER』のような、初期衝動が詰まった作品にしたいなというのがありました。

――ベーシストを新たに探す中で、「こんな人がいいな」とか基準や理想はありました?

黒木 健志 それはなかったです。基準を設けるぐらいなら入れない方が良いなと思っていました。それこそ、男性であるべきとも考えていなくて、女性でも良かったですから。なので、音を出して話してみないとわからなかったので、色んな人に声を掛けさせていただきましたから。その中でしっくりきたのが拓郎だったんです。

――メンバー探しは大変ですよね。そして『Andante』というアルバムが完成したわけですけど、フルアルバムでなぜ8曲というコンパクトな曲数に? 2年空きましたし、もっと沢山曲を入れてくるのではと、勝手に予想していたんですけど。

竹縄 航太 8曲というところに意図はないです。この4人で組んで、ゼロから音を出して作った曲もありますし、昔からあった曲でも改めてこの4人でやってみようとなった曲もあります。その中で今の僕らに沿った曲だけを入れようとなって、精査した結果がこの8曲だったんです。

―タイトルの『Andante』はどなたが考えたんですか。

竹縄 航太 僕です。ゆっくりと歩くようなテンポでという音楽用語なんですけど、最後に「fantasia」という曲が出来て、この曲に起因するところもあるんですけど、この2年間は決して早い歩みではなかったなと感じました。同じ時期にデビューしたバンドが一歩二歩先に行く姿も見てきましたし、それでも自分たちに出来ることは決まっていて、小さい一歩しか歩めなかったりという現実もありましたけど、しっかりと歩んで来れたという感覚もあったので。2年経っても待っていてくれた人たちがいるということを体感しましたから。このタイトルはすごく僕ららしいなって。離れて行ってしまった人もいたと思うんですけど、このアルバムを聴いてまた戻って来てくれたら嬉しいです。

――そのツアーはそれぞれどんな感触を得ました?

黒木 健志 待っていてくれている皆さんがいてくれて、活動が出来ている実感と早くその皆さんに音を届けなければいけないというHOWL BE QUIETとしての責任みたいなものを感じたツアーでもあって、その人たちが好きだと自信を持って言ってもらえるアルバムを作りたいとより思わせてくれたツアーでした。

松本 拓郎 僕はバンドのツアーというのは初めてだったこともあり、すごく新鮮でした。今まで自分がやってきたこととのギャップもあって、どう立ち回っていけばいいのか、戸惑ってしまったところもあったんです。ベースを弾くというのは変わらないんですけど、見られ方、求められるものと色んなことが変わって来ると思ったんです。でも、ツアーを回っていくうちにサポートであってもスタッフであっても、良いものを作り上げて行く目的は一緒なんだということを再確認出来ましたし、素の自分で演奏出来ているなとも感じられています。それは3人が僕を受け入れてくれたからだと思います。

岩野 亨 本当にありがたかったです。一つひとつが当たり前じゃないなと思うことが出来ました。3人でやったとしても、4人でやってもどういう風に見られるのかなという不安もありました。この2年間を咀嚼して、自分たちが勇気を持って踏み出した一歩に対して、それでも良いよと言ってくれている感じもしましたし、拓郎というまた新しい血が入ってくることで、バンドの価値観は変わってくるんです。良い曲を良い演奏で聴かせたい、というところに立ち帰れたツアーとスタジオワークでした。自分たちが作ったものを発表できる場所があるということが、嬉しいことだなと。

――ドラマーは一歩後ろで皆さんをいつも見ていると思うんですけど、その後ろ姿に変化を感じたり?

岩野 亨 2人とはもう15年近く一緒で、どんな時も一心同体みたいなところがあるので、そこよりも、拓郎が入ったことによる変化は感じます。これはライブをやってみて、初めてアリだなと思えたところだったりします。

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