歌手の城 南海が7月23日、東京・COTTON CLUBでライブツアー『ウラアシビ ~10th Anniversary~』の最終公演をおこなった。洋楽のカバー曲を中心とした本公演では“歌姫・城 南海”の歌唱が大人な雰囲気の会場を艶やかに彩った。キャロル・キングやファレル・ウィリアムスらなどの珠玉の名曲たちが色とりどりにアレンジされたスペシャル演奏に、城南海の歌が美しく浮遊する空間。二部構成公演の2nd.showの模様を以下にレポートする。【取材=平吉賢治】

美麗な城 南海の歌唱と美しい音楽の呼吸

城 南海(撮影=川本史織)

 ディープ・ブルーの照明に包まれたCOTTON CLUBは大人びたムード満点。今日の公演は洋楽のカバー曲を中心とするスペシャルなライブ。開演前、ステージで待機するドラムセットやグランドピアノなどの楽器たちは、“これから音楽を楽しむ時間だよ”と、そっと観客に伝えるように、ライブ・スタートを静かに待っているようだった。

 美麗な笑顔で現れた城は三味線を構え、南国の音色をCOTTON CLUBに優しく響かせた。楽曲はカーペンターズの「Rainy Days And Mondays」から。三味線の音色が交わる斬新なアレンジのなかで、美しくシルキーな歌声がふわりと響き渡る――。1曲で観客の心を掴んだ城は、キャロル・キングのカバーではハンドマイクでの歌唱。舞いながら楽しげな表情で歌う城とバンドのリズミックなアンサンブルは、会場からの軽快なクラップを誘った。

 セクシーな表情と温かく芯のあるボーカルでノラ・ジョーンズの楽曲を歌い上げると、会場は開演10分程度で城 南海の歌色に優しく染め上げられた。この日のバンド編成はドラム・ベース・ギター・グランドピアノ&シンセサイザー。各パートは楽曲に、城の歌声に寄り添うように、美しい音楽の呼吸を感じさせるように音を重ねた。

 MCでは「今日は力を全て出し切ろうと、みなさんにたくさん楽しんで帰って頂こうと思っておりますので、ツアーファイナル是非楽しんでいってください!」と、にこやかに言葉を添えた。そして、本日のKIZUKI MINAMI × COTTON CLUBコラボメニューとして、ハワイアンスペアリブ、奄美をイメージした黒糖焼酎ベースのトロピカルカクテル「トウトガナシ」を紹介してくれた。スペシャルなライブに食事、ドリンクと、優雅な時間は音楽と共にゆったりと流れていた。

 平里修一(Ds)のタイトで軽快なビートで始まった「Happy」では、北島優一(Gt)・船曳耕市(Ba)の<Happy――>というコーラスのなかで、城はメロディと言葉を踊らせるように歌唱した。ファレル・ウィリアムスのオリジナルバージョンとは別軸の美しさを魅せる城 南海バージョンの「Happy」は、楽曲と歌と、各々の魅力を本公演ならではの角度で再確認させてくれるようだった。

 次々と展開される華やかな城 南海の洋楽カバーが会場を小気味良く揺らす。この日のカバーアレンジを担当したのは船曳耕市(Ba)。披露された楽曲らの原曲に親しみのある聴き手は、城の歌唱力の幅と、アレンジの見事さを存分に味わえる。楽曲を城の歌唱で初めて聴いた場合は、改めてその原曲を掘り下げて楽しめることもできる。今夜は“城 南海が音楽を紡ぐ”というそんな素敵なステージでもあるということに、嬉しい気持ちが溢れてくるようだ。

世界的歌姫の代表曲を城 南海色に

城 南海(撮影=川本史織)

 椅子に座っての歌唱となったABBAの「Dancing Queen」では、アコースティック・バージョンという斬新なアレンジを魅せてくれた。洋楽のなかでも比較的有名曲だからこそなのか、良い意味での素敵な裏切りにヤラれてしまうような、不意を突かれるバージョンだった。1コーラスはアコギとボーカルのみ、その後はバンド・インというドラマティックな展開のなか、城のボーカルが艶やかに響き渡った。

 オレンジの照明がステージを包んで披露されたシンディ・ローパーの「True Colors」では、抑揚たっぷりの歌と演奏に圧倒される。ソウルフルに声量を広げて歌い上げる、アデルの「Rolling in the Deep」では、マイクを大きく離しての熱唱を魅せた。次から次へと世界的歌姫の代表曲を城南海色の歌唱で見事に歌い上げる――。

 ダイナミズム、声量、色彩の豊かさと、申し分ない魅力を持つ城のボーカルを受けた観客は、曲間毎に大きな拍手で反応した。今回のツアーの裏話として、セットリストの案に三味線のパートが加わるスティーヴィー・ワンダーの名曲「Superstition」のカバーも挙がったということを明かした。しかし、今回は披露されず。「是非とも聴いてみたいところだった」という気持ちが観客席の方々から溢れているようだった。

 アンコールではアカペラのパートを披露し、城の歌声のみがストレートに耳へ、体へと流れ込んでくる。奄美に伝わる歌唱法のグインをほどよく覗かせる城のボーカルは、世界各国の名曲たちの魅力を、ポテンシャルを、深く澄んだ海の中から天高くまで広げるようだった。

 「このメンバーで一緒にまわってきたツアーですが、4カ所8公演あっという間でした。次に繋がる凄く楽しいツアーになったと思います。みなさんとのご縁に感謝して――」と、「アイムツギ〜10周年Ver.〜」を最後に歌い上げた。夜の部は全12曲、城南海は世界中の名曲と観客を音楽で紡いだ。

 今後の展開として城はMCで、『城 南海with 1966カルテット クラシカルコンサート』『ウタアシビ 10周年記念ツアー』の開催をアナウンスした。両公演、そして本公演の続編への期待は大いに膨らむばかりだ――。

セットリスト

『ウラアシビ ~10th Anniversary~』
2019年7月23日@東京・COTTON CLUB

01. Rainy Days And Mondays / CARPENTERS
02. I Feel the Earth Move / Carole King
03. Don't Know Why / Norah Jones
04. Happy / Pharrell Williams
05. You Gotta Be / Des'ree
06. The Rose / Bette Midler(1st)
Fields Of Gold / Sting(2nd)
07. Dancing Queen / ABBA
08. True Colors / Cyndi Lauper
09. Rolling in the Deep / Adele
10. I Have Nothing / Whitney Houston(1st)
I dreamed a dream / Anne Hathaway(2nd)

ENCORE

EN1. Danny Boy〜紅
EN2. アイムツギ〜10周年Ver.〜

記事タグ