女性4人組グループMaison book girlが7月31日、ニューシングル「umbla」をリリース。4月にシングル「SOUP」をリリースし全国ツアー『Maison book girl tour 2019 spring』を自身最大規模のワンマン公演「Solitude HOTEL 7F」で締めくくった彼女たち。前衛的な音楽性、他に類を見ない芸術性の高いパフォーマンスで独自の存在感を示している。今作「umbla」に辿り着くまでの道のりと、パフォーマンスに対する意識、現在のブクガの各々の心境に迫った。【取材=平吉賢治】

芸術性とエモさのバランス

――昨年アイドルグループのイベントでライブを拝見したのですが、アイドルというよりか、“芸術表現集団”という印象を受けました。

コショージメグミ 私達のライブを観に来てくれているお客さんは「ブクガはアイドルとは違う」と思って来てくれていている人達が多いんです。アイドルらしいコールのアクションなどもないですし…。ある曲もあると言えばあるし、お客さんを煽る曲も1曲くらいはあるんですけど、基本的にはそうじゃないんです。ステージでライブを魅せる、曲を聴かせるということに集中してライブをしています。

コショージメグミ

和田輪 たまたま女の子4人がステージに立っているので、アイドルさんのイベントに呼ばれることが多いんですけど、メンバーとVJさん、プロデューサーもスタッフさんも、グループに関わる人達全てを含めてMaison book girlという一つの集団として考えているんです。そのなかで私達4人は表に立ってパフォーマンスを担当している、という感じなんです。

井上唯 「これがMaison book girlです」というのを、私達がステージに立つことで自信を持って見せることを一番大切にしています。

――スタンスとして、意識的に以前とは違う部分はありますか?

矢川葵 最初の方は「アイドルグループとして」という感じだったんですけど、曲は変拍子を使っていたり色んなアプローチをしているし、やっていくうちに「アイドルっぽくはないよね」と言われることが増えてきたんです。Maison book girとして好きなように観て頂けたらないいなと思います。

――4月に自身最大規模のワンマンライブ『Solitude HOTEL 7F』をおこないましたが、感触はどうでしたか?

コショージメグミ 『Solitude HOTEL 7F』はツアーファイナルだったんですけど、そのときに出したシングルに「長い夜が明けて」という曲があって、それを最初と最後にやったんです。最初は曲のラストのサビ前まで、最後は全部通してやる、という構成でした。その曲がポイントとなっていたライブだったんです。後で映像で最後にやった部分の「長い夜が明けて」を観たんですけど、「そこに全てが入っているな」と思いました。ツアーも『Solitude HOTEL 7F』も、この1曲に懸けていたんじゃないかと思うくらい…これからもっといけるという伸びしろも見えたし、これまでのブクガの最大限の力を出し切ったというのが見えたんです。

――ブクガのパフォーマンスは、静かな迫力のなかにもエモさが含まれていると感じるんです。そういったものは特に意識しているわけではない?

和田輪 ブクガができたばかりの頃は、あまり感情を表に出す感じではなく「無機質だ」と、よく言われていたんです。でも、そういう楽曲やスタイルのなかでどうやって見せようかと模索しているうちに、エモさや人間の熱が出てきて、今そういう「静かだけど、エモい」みたいなところに着地しているのかなと思います。

和田輪

――表現、パフォーマンスにおいて“エモさ”は大事な点でしょうか?

和田輪 表現のなかで「これもやっても成り立つんだ」ということを、この4年間くらいでいろいろ見つけて、エモさも出していいんだなというジワジワとした気付きがあったんです。

――6月、7月のライブハウスツアーの感触はいかがでしたか?

井上唯 行ったことのない地方が多かったので、初めてライブを観てくれた人がたくさんいて「私の県に来てくれてありがとう!」というファンの方もいて、各地を回った甲斐がありました。北海道のジンギスカンは美味しかったですね。

コショージメグミ 美味しかったよね!

矢川葵 あと、東京にまでライブを観に来てくれる人が地方にもいるんだなということがわかって嬉しかったです。それが凄く実感できました。

――ライブハウスツアーを経て今作「umbla」のリリースですが、コンセプトは?

コショージメグミ 前作「SOUP」のなかに「鯨工場」と「長い夜が明けて」という曲があって、その2つが繋がっているような歌詞と曲なんです。また、その次に繋がっているのが今作だと思います。

――各曲が繋がるストーリー性があるのでしょうか?

コショージメグミ はい。「鯨工場」のなかで<僕らの朝は次の唄で明けてゆくの。>と歌っているんですけど、その次で「長い夜が明けて」の<夜が無い世界が始まってゆく>とあるように。そして今作で「闇色の朝」となるんです。ストーリーが繋がっているなと思います。

――「闇色の朝」に関して、プロデューサーのサクライケンタさんから、どういったディレクションがありましたか?

コショージメグミ サビはリズム重視で格好良く、というのがありました。

――サビは普通の4拍子ですが、Aメロ部分などは7拍子がメインでしたね。変拍子に関してはこれまでの楽曲で多く含まれているので、慣れてきた部分もある?

コショージメグミ いやそんなことも…今回もけっこう複雑でした。和田が「7拍子」って言ったんですけど7拍子だとなんか違和感あるというか。それが何なのかとサクライさんに聞いたら「4・3・3・4」だと言うんですよ。そういう拍子のくくりだったんです。だから「6・8」みたいな瞬間もあるんです。

――複雑ですね! 整理すると7拍子の内訳が「4・3」「3・4」の分け方で感じて、全部足すと14拍子と、同様に「6・8」という感じ方でも14拍子、2つにバラすと7拍子と。

和田輪 そう。14拍子ですね。

コショージメグミ だから「4・3・3・4」と拍子をとると「闇色の朝」の7拍子の部分は、より感じやすくなります。それでサビは普通に4拍子でとるんです。

和田輪 サビのリズムが最初に聴いたときに一番印象に残りました。普通の4拍子のはずなのにちょっと変わった感じに聴こえるじゃないですか? 前回のシングルは2曲とも4拍子だったんですけど、今回は7拍子を使ってきたから、ひとクセあるのはその変拍子のAメロとかの部分なのかなと思ったんです。でも、サビの4拍子でトリッキーなリズムを使ってきたのが印象的な部分だと思います。

――この曲のタイトルは「闇色の朝」ですが、どんなときに闇を感じますか?

井上唯 基本、メンタル健康なのでそんなに感じないんです(笑)。

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