姉妹ユニットのチャラン・ポ・ランタンが17日、ベストアルバム『いい過去どり』をリリースする。メジャーデビュー以後の5年間で発表した楽曲と書き下ろしの新曲「置行掘行進曲」(読み:おいてけぼりこうしんきょく)を含む20曲をセレクト。昨年11月にリリースした『過去レクション』でインディーズ時代の5年を振り返った彼女たちだが、この新作をもって結成10周年を総括するかたちとなる。今年3月にオリジナル・アルバム『ドロン・ド・ロンド』を発売するなど、記念イヤーも精力的に活動する2人にこの10年間を振り返ってもらいながら、今後の活動についても話を聞いた。【取材=小池直也/撮影=村上順一】

メジャーデビューからの変化

――前作『ドロン・ド・ロンド』から、早いペースでのリリースになりましたね。

小春 ベストをこの期間で出す、という話は前からしていました。

小春

もも 選曲はメジャー入ってからの楽曲を時系列で、ぽんぽんぽんとセレクトしました。時間も限られていましたし「もうこれだ」とすぐ決まったよね。

小春 そうだね。いい過去を摘んでほしいから『いい過去どり』というタイトルだけは決まっていて。私たちはどれに関しても直感なので、悩まず即決でした。メジャーデビューから5年間のハイライトなら、もうこれだろうと。

――あらためて5年分の曲を並べて聴いてみて、いかがですか。

もも 通して聴いてみて、めっちゃいいなと思いました。一周回って色んなことやってきて、世界旅行みたいな感じ。

小春 インディーズ時代のベスト盤『過去レクション』とおなじ5年分をまとめた作品なはずなんですけどね。メジャーにいくまでの間は「私の世界が生まれまして、そして出来上がりました」みたいな、似たような場所をずっと周っている感じでした。今作はおどろくほど時が流れている感があるんですよ。旅をしました感がすごいし、起承転結がしっかりしてる。ちょっと他人事ですけど、いろいろ考えてたんだろうなと(笑)。

 メジャー以前はそこまで考えてないので、曲を「作る、やる、終わり」みたいな生活をずっとしていました。レコーディングに関しても魅力を感じてなくて「こんな瞬間を切り取った作品を誰が買うの?」と。ライブが楽しくて、この音をどうやって作品に残すかということに興味がなかった。それが音に出ているので、今聴いてみるとウケますね。

――たしかに『過去レクション』は初期衝動に満ちていましたよね。

小春 そうなんですよ。続く5年は「さてメジャーという世界に来ましたが」というところからのスタートで。前のような感じで曲を作ったりするのはなんか違うっぽい、と感じたんですよね。誰に言われたわけでもなく、答えも分からないんだけど、違うというところだけ気付いて。テレビで見るような、プロフェッショナルの方々はすごく悩んでいたんですね。

もも 「挑戦をやめない」みたいな。

小春 「彼は明日も進化し続ける」とかテレビで観ていたら、すんなり出すのは良くないっぽいなと(笑)。「曲なんて」と言ったら失礼ですけど、私は集中力が続かないので、パッと出してしまうんです。メロディ、歌詞、コード、アレンジが一緒に出てきちゃうタイプですし。

もも 「1人でも多くの人に聴いてもらいたい」という気持ちがあって、そのためにリスナーのことを考えながら研究した5年だったよね。

――1曲1曲をていねいに作るようになったということですか?

小春 「やっぱこうした方がよくない?」と切って貼ってを繰り返しながら、なんとなく締め切りのタイミングになって「これなのかな?」と完成させていくようになりました。

もも 最終的には「できたぞ!」と思ってはいるんですけど 、受け取るみなさんとの温度差というか、私たちとの気持ちのズレを感じましたね。

もも

小春 こちらは衝撃を与えたいという気持ちがあるもんだから、世のロックバンドは8ビートをやっているらしいと知れば、それを取り入れたり。そもそもチャラン・ポ・ランタンの楽曲中にはそういうリズムはなかったんです。違うリズムパターンと自分たちのメロディを合わせるのが新しくて、聴いたことのない音楽になったと思えました。

もも これは来たな、と感じましたね。

――曲でいうと、どの曲でしょう?

小春 「進め、たまに逃げても」とか「ほしいもの」がそうです。

もも リリースしたら「魂を売った」「大人たちの影響でこうなったんだ」とか「小春ちゃんが作りたくて作った曲じゃない」と言われて。

小春 「ちがうちがう、これがプロフェッショナルなんだ」と言いたかったですね(笑)。寝ずに曲を練ったりしていたんですけどね…。プロは批判にも立ち向かわなきゃいけないだろうからこれも試練かと思ったりもしました。

もも それでも彼は戦い続けるってね。要するに私たちらしさって他人が思っているものなんですよ。こうしたらもっと新しくなるって自分たちが考えたものが“チャラン・ポ・ランタンっぽさ”とズレていたのかもしれません。

小春 「ももちゃんは身長がこれくらいだから、もっとこういう服が似合うのに」みたいな感覚に似ている気がします。

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