INTERVIEW

駒形友梨「自分のテンポで歌を楽しむ」アイデア満載の新譜を語る


駒形友梨

記者:小池直也

掲載:19年07月17日

読了時間:約11分

自身による作詞について

駒形友梨

――アルバムタイトルはどのように決められたんですか。

 1曲目の「アクアリウム」ができた直後ぐらいにタイトルを決めようという話が出て。曲がまだ全部できてなかったので、現時点のイメージや夏っぽい感じを意識したときにたくさんの候補の中で一番印象に残ったのが「Indigo」だったんです。青とか水の連想があったからかもしれません。アートワークもタイトルが決まる前の印象から衣装も考えていただきました。

――制作はどのようにされました?

 曲は1曲ずつ順々に作って、歌は1週間に1、2本ずつ録ってましたね。5月中には録り終えていたと思います。印象に残っている曲は「invincible self」かな。アッパーな曲がなかったので「こういう曲はどうですか?」と提案していただきました。デビューシングルでお世話になった矢野達也さんの作曲です。矢野さんの楽曲は毎回難しいんですよ。まだ難しいのが出てくるのかっていうぐらい(笑)。今回はキーが高いしテンポは速い、言葉も多いから大変ではあるんですけど、苦労せずに録れたのでスキルアップできてるのかなと。

 レコーディングのための事前練習は最低限の音とリズムを確認する程度です。現場のディレクションで方向性が変わってしまうこともあるので、あまり作りこんで固めてしまわないようにしてますね。「どうしてもこうしたい」ということがあれば提案するようにしています。

――ご自身で作詞された「おそろい」と「優しい雨」についても教えてください。

 前作でも「時の葉」という曲を作詞したんですけど、今回はせっかくだから2曲書こうということは最初に話が出ていて。「おそろい」は曲が等身大で日常っぽいものだったので、自分で書きやすいんじゃないか、ということで私が書きました。『〔CORE〕』は失恋の曲だったりとか明るくない曲が多かったので、今回は幸せな曲を書こうと思ってたんです。でも幸せの引き出しが少なすぎて、Bメロくらいで煮詰まり、そこからもう難産。

 歌詞は5月中に2曲とも書かなきゃいけなかったんですけど、「おそろい」に3週間くらい使ってしまって(笑)。なんとかできた感じでした。幸せって覚えておくのが難しいんだなと思いましたね。もちろん今は幸せなんですけど、だからこそ心に残らず流れていってしまうのかも。完成してからは照れちゃって聴けなかったんです。妹に聴かせときに「いいじゃん」って感想をもらえたので、自分でもやっと最近は聴けるようになりました。

――「優しい雨」はどうです?

 「おそろい」があまりに難産だったので不安だったんですけど「優しい雨」はすんなりと書けました。期日は過ぎちゃいましたけど(笑)。音符が少ないので、そこにどの言葉を当てるかを考えたという点では「おそろい」とは逆の作業でした。もう前向きな言葉は出てこなさそうだったので、より素朴で心にある言葉をぽつりぽつりと紡いだ感じです。

 感じ方は聴く人それぞれでいいのですが、私のイメージとしては「辛いことがあって思い出す度に悲しかったけど、だんだんと思い出しても辛くなくなってきた。それでいいのかな、このまま進んでいいのかな」という疑問。それを曲に合わせて前向きに書かせていただきました。失恋でも別れでも、自分に当てはめて聴いていただきたいです。

 作詞はいつも日常で疑問に思うことや、考えてることをベースに世界を広げていく感じで書いています。だから「おそろい」がすべて私の実体験だとは本気で思わないでいただきたいですね(笑)。ぜんぜんそんなことはないので。

――提供してもらう歌詞と自作の歌詞でなにか変わりますか。

 書いていただいた詞に関してはテーマだったり、言おうとしていることを知ることだったりを考えます。「ララルハレルヤ」は理解しやすいですが「アクアリウム」はちょっと抽象的で難しいので「ここはどういうイメージですか?」と訊いたり。それを自分の中で整理して出すって感じです。

 自分で作詞した曲は全部決めてるので、ただ思うとおりに歌うのが正解なのかなと。だからレコーディングはすごいはやいですね。「優しい雨」は2テイク録ってOKになりました。いつもは1コーラスを3回ずつくらい録って繋げていくんですけどね。

――エキゾチックな「August 31」も聴きごたえがありました。

 明るい曲を入れようとしたら、逆に暗い曲がないなと(笑)。だから私の本領が出せるようなアンニュイでダークな曲を入れました。この曲は最初から「きっとレコーディングですぐ歌えるな」と直感があったんです。情熱的なメロディなので、歌詞から読み込んだ感情を乗せやすかったです。

 私から「夏と秋の狭間に置いてけぼりにされて動けないジレンマ、みたいな雰囲気の歌詞はどうか?」とイメージを出して、それをかたちにしていただきました。

――「night sea」のパワフルなスキャットについても訊きたいです。

 『〔CORE〕』はプロローグで短い曲が入っていたので、今回はエピローグとしてこういう曲を入れてみました。キーが高くて大変だったんですけど、最後に録った曲なので『Indigo』を経て得たものが少しでも出てたらなと思っています。

 ソロのプロジェクトが始まってから、ハーモニーやスキャットを勉強するようになったんですよ。いつもは歌詞の意味に沿って音出せばいいんですけど、スキャットは難しいので「もっと感情を押さえて」とか「そこはもっと明るく」とかアドバイスしていただきながらレコーディングしました。

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