4人組バンドのOfficial髭男dismが8日、ライブツアー『Official髭男dism one-man tour 2019』の日本武道館公演をおこない、白熱のパフォーマンスを魅せた。本公演は全国8カ所をまわる単独公演のうちの追加公演。360度に広がるオーディエンスに囲まれた髭男は迫力の演奏に演出と、パワフルなステージを展開させ、重大発表として10月のアルバムリリースと全国ホールツアー開催を発表。武道館一体となったライブに湧いた時間と、これからの髭男の未来を明るく照らす発表に、興奮と期待感が膨らんだ一夜となった。【取材=平吉賢治】

360度に広がる「夢のような光景」

ライブの模様(撮影=TAKAHIRO TAKINAMI)

 開演時間19時、会場が暗転すると割れんばかりの拍手が武道館中に響いた。ステージに姿を見せた髭男メンバーとサポートメンバーに対し、オーディエンスは両手を挙げて大歓声を上げる。いま、破竹の勢いを見せる髭男の状態を表すような歓迎っぷりだった。

 七色の光を浴びながら、藤原聡(Vo, Key)は「115万キロのフィルム」からライブを走らせた。髭男の4人に加えて、ホーンセクション3名、パーカッション、鍵盤・マニピュレーターというバンド編成は、厚み十分のアンサンブルで武道館を温めた。

 藤原の歌唱のブレイク部で大歓声が上がるほど、ライブは序盤から絶好の温度感。「Tell Me Baby」ではバンドのユニゾンプレイが光るなか、カラフルな照明とジャストタイミングの同期プレイを魅せ、バンド・武道館・オーディエンスの一体感をあらわにした。

 MCで藤原は「今日は360度にお客さんが入っていて、とても楽しい夢のような光景が広がっています。全員にしっかりと届けていこうと思います!」と、この日の気合いを言葉にした。熱いボルテージはキープされながら、武道館中にタオルの舞いが繰り広げられ、「ブラザーズ」では楢崎誠(Ba, Sax)がベースからサックスに持ち替えてのパフォーマンス。メンバーはフォーメーションを組むようにステージから花道と立ち位置を広げ、会場中に髭男の存在感をがっちりと示した。

 小笹大輔(Gt)はMCで、「ただのギター好き少年がバンドでメジャーデビューをして、武道館に立てる日がくるなんて…ありがとうございます!」と、聖地・武道館とオーディエンスに対し、胸いっぱいの感謝を伝えた。

 そして藤原は「Official髭男dismの初ライブは2012年7月7日だった」ということを明かし、それからほぼちょうど7年後に武道館に立ったということを感慨深く語る。何よりも、満員となった会場のオーディエンスに対し、深い感謝の念を広げていた。そして、「まさか武道館で響くとは思っていなかった」と言葉を添え、「コーヒーとシロップ」の曲名を告げると大歓声が上がる――。

みんなで武道館でつくる曲

Official髭男dism(撮影=TAKAHIRO TAKINAMI)

 藤原の華麗な鍵盤さばきとボーカルがブルーの光に包まれ、髭男は清涼感たっぷりに「コーヒーとシロップ」を演奏した後、ポップ感溢れるナンバーからバラードチューンと、色とりどりの音楽を聴かせ、オーディエンスを1秒たりとも退屈にさせることはなかった。

 「Rolling」では小笹と楢崎は花道の最両端まで進み、フルレンジにパフォーマンスを魅せ、コール&レスポンスが楽しげに武道館中に鳴り渡った。「CDに入っていない曲をやろうと思います」と藤原が告げると、松浦匡希(Dr)はフロアタムを力強く刻む。

 「みんなで武道館でつくる」という「明け方のゲッタウェイ」では藤原の言う通り、“みんなでつくる”と言わんばかりのオーディエンスのコールが元気良く、威勢良く、景気良く武道館に響き渡った。みんなでつくる楽曲のハッピーな臨場感たるや、言葉にするにはあまりにも難しい――。

 ライブも終盤、小笹の鮮烈なテーマ・ギターフレーズが轟く「FIRE GROUND」では、髭男は炎が立ちこめた舞台上で燃え盛るようにプレイを飛ばした。小笹はこれでもかというほどの鋭いギターソロを武道館ステージど真ん中でビシッと決める。
 
 イントロで大歓声が湧いた「pretender」は丁寧に、楽曲を大切にするように、オーディエンスを音楽で包むように、じっくりと演奏した。間髪入れずに「ノーダウト」と繋ぎ、ライブの熱気は何度目かのマックス・ボルテージに達した。そして、<ただ 宿命ってやつをかざして 立ち向かうだけなんだ>という歌詞を噛みしめるような空気のなか、本編は終了した。

 さて、アンコールに応え再び姿を表した髭男からここで重大発表が2つ。カウントダウン5発で、上から垂れ幕で堂々発表、というシーンだったがまさかの仕掛けに不具合が。引っかかって垂れてこなかった幕に思わず「おーい!(笑)」とツッコむ髭男だが、そこは笑いに変えてMCで和やかに繋いだ。

 2度目で無事、垂れ下がってきてくれた2つの幕には「10月ニューアルバム発売決定」「全国29公演大ホールツアー決定」という文字が記されていた。髭男の明るい未来を提示した発表に、湧きに湧く武道館。更に温まった、いや、沸騰すらしている武道館はアンコール曲目へ。藤原は舞台フロントからせり出てきたドラムセットをプレイ、松浦のドラミングと見事なシンクロ・プレイ、そしてドラムソロと、惜しみなく最終最後まで全力パフォーマンスを披露した。

 「今夜あなたと歌えたことが、一番誇らしい」

 そう「Stantd By You」の曲中で髭男はオーディエンスに伝え、クラップとコールが鳴り止まぬなか、武道館公演は大合唱と共に、大盛況のなか幕を閉じた。この日以降も続くツアー公演、10月のニューアルバム、全国29カ所ホールツアーと、Official髭男dismの驀進はとどまることを知らない――。

記事タグ