シンガーソングライター・ギタリストのReiが7月5日、ヒューリックホール東京で記念すべき10回目の開催となった『Reiny Friday -Rei & Friends- Vol.10 Celebration!』をおこなった。2015年より毎回ミュージック・フレンズをゲストに迎え実施している自主企画イベントで、10回目となった本公演には山崎まさよしが参加し、「Fat Mama」や「セロリ」など共演しライブを盛り上げた。そのライブの模様を以下にレポートする。【取材=村上順一】

今までやってきた「Fat Mama」で、一番早かった

Rei(撮影=上飯坂一)

 ライブハウスのイメージが強かった彼女のホール公演。ヒューリックホール東京は天井が高く、開放感のあるホールということで、ここで奏でられるReiと山崎まさよし2人のサウンドへの期待感は計り知れない。

 会場に流れるBGMは、Reiの選曲によるプレイリストで、女性ブルーズシンガーを集めたもの。様々な憂いと艶のある歌声をたんこうしながら開演を待ちわびる。この時間もライブの醍醐味の1つで、Reiの観客へのホスピタリティを感じさせてくれた。ステージ後方には多くのパラソルが吊り下げられていて、『Reiny Friday』というテーマに寄り添ったステージセット。開演時刻になり雨の音がホールに鳴り響く――。

 傘をさし、ギターのハードケースを手にゆっくりとReiがステージに登場した。アコースティックギターをケースから取り出し、上手(かみて)がわに置かれた椅子に座り「Rainy Monday Blues」を弾き語る。少し離れたところにマイクが設置されており、歌とギターを1つのマイクで空気感たっぷりの歌唱。生ギターとReiの優しい歌声に包まれたオープニングだった。

 Reiをサポートするバンド、Moonlightsのメンバーがステージに登場し、Reiは赤いストラトキャスターで自己紹介ソング「My Name is Rei」を披露。山口美代子(Dr)のダイナミックなリズムに乗って、ギターのチョップ奏法を取り入れたイントロが印象的なハッピーチューンだ。続いて、Reiがタンバリンを手に取れば、リズミックなクラップで一緒に楽しめるナンバー「JUMP」だ。キャッチーなメロディーで観客を惹き込んでいく。

 そして、Reiのパワフルな歌声が最高に気持ちのよい空間を作り上げた「Black Cat」は、渡辺シュンスケ(Key)のオルガンのフレーズがReiのボーカルをさらに際立たせる。ザ・ビートルズのカバーである「Birthday」から、本日のゲストである山崎まさよしをステージに呼び込むと、山崎はサンバーストカラーのストラト、Reiはアコギで、2人による軽いセッションがスタート。言葉を交わさず音で会話する、ミュージシャンならではのコミュニケーション方法だ。

山崎まさよしとRei(撮影=上飯坂一)

 そして、Reiのカウントからアコギによる印象的なリフが放たれた。山崎のファンキーな代表曲「Fat Mama」だ。山崎は「今までやってきた『Fat Mama』で、一番早かった」と話していたように、最高にアグレッシブなバージョンでのコラボレーションだった。歌と音で高揚感を与えてくれる、音楽のあるべき姿がこのパフォーマンスにはあった。

 ここで、2人の出会いについてのトークを展開。最初の出会いはお笑い芸人・石塚英彦(ホンジャマカ)が主催のライブだったという。山崎は「それにしてもすごいね」とReiのプレイを絶賛すると、Reiは「神からのお言葉をいただいてドキドキしています」と約10年前にリリースされた山崎の25枚目のシングル「春も嵐も」は、山崎のバッキングの上で伸び伸びとギターソロを奏でるReiの姿が印象的。

 続いて、山崎が20年前にミシシッピで、パスポートを盗まれた経験から生まれた「Ticket to the Paradise」へ。音源よりもロックなアレンジだ。Reiはスライドバーでロバート・ジョンソン、ジョニー・ウィンターを彷彿させる、粋なプレイで山崎の歌声を彩っていく。

 Reiが「野菜の曲をやりましょう」と呼びかけると、山崎は「青汁という歌です」とユーモアのある紹介から「セロリ」を届けた。南国の島をイメージさせるような、ゆったりとしたリズムに乗って、2人の歌声が美しいハーモニーを作り出していく。この曲の印象的なラップ調のパートはReiが担当し、キレの良いラップも披露し会場を沸かせた。

私は果物の曲を

Reiと真船勝博(撮影=上飯坂一)

 山崎はここでステージを後にし、再びReiのステージに。Reiが優しい声で「ワン、ツー、ワン、ツー」と、カウントし始まったのは「Tofu Blues」。Reiは歌とアコギに加え、ホルダーを使用し首にカズーとスライドホイッスルを装着。楽器を使い分け表現していく。続いて、ジャズマスターにギターを変え「Oo-Long-Cha」へ。ウキウキと歩きだしたくなるようなビートに合わせ、コール&レスポンスで一体感を作り上げた。

 ライブも後半戦へ突入。今度はギターをフライングVにチェンジし、ジャジーで妖艶な雰囲気を持つ「Tumblin’」、エネルギッシュなロングトーンで震撼させた「New Days」で感情を昂ぶらせ、「一緒に踊りましょう!」とオーディエンスもスタンディングでノリノリで楽しんだ「Route 246」。アメリカ大陸を感じさせるカラッとした大地を想起させるビートとサウンドで、梅雨も吹き飛ぶかのようなパフォーマンスは爽快。

 切れ味の鋭いカッティングを堪能できる「COCOA」は、オーディエンスもリズムに合わせ、腕を左右に美しいアーチを描く光景がホールに広がった。エンディングのReiが放ったシャウトも鮮烈だった。ギブソン・ファイヤーバードにギターを持ち替え、嵐の前の静けさ、そんなことを感じさせてくれる閉塞感のある演奏、ギター、ドラム、ライティングのシンクロした“決め”は盛り上がりの熱をオーバーフローさせ「LAZY LOSER」を投下。シンガロング、クラップと会場全員が一丸となり盛り上がるなか、本編を終了した。

 アンコールに応え再びReiが登場し、7月24日から26日にスペイン・サンセバスチャンで開催される『Heineken Jazzaldia』に出演決定と12月から1月にかけて開催される『Rei Acoustic Tour “Mahogany Girl” 2019-2020』の開催を発表。そして、山崎を再びステージに招き2人でしばしのトーク。

 Reiは山崎の弾き語りライブ『ONE KNIGHT STANDS』を聴いて、弾き語りの可能性に感銘を受けたと明かし、話しながら自然とロバート・ジョンソンのカバー「Crossroads」へと流れ込む。軽快なアレンジで2人だけの演奏は、言葉には出来ないほどの密度の濃いエナジーで満ちていた。演奏終了後のオーディエンスの盛大な拍手がそれを物語っていた。

山崎まさよしとRei(撮影=上飯坂一)

 バンドメンバーも合流し、Reiは「“ザキさん”が野菜の曲なら、私は果物の曲をやります!」と「BLACK BANANA」を披露。山崎はハーモニカで楽曲を彩り、間奏では真船勝博(Ba)が激アツのスラップベースが盛り上げ、そこからReiのギターと山崎のハーモニカのソロバトルで会場はさらにヒートアップ。最高にホットな空間を作り上げ『Reiny Friday -Rei & Friends- Vol.10 Celebration!』は大団円を迎えた。

 10回目という節目となった『Reiny Friday』。ミュージシャンシップに溢れた最高のパフォーマンス、最高のシナジーを体感させてくれた。次回はどんなフレンズと一緒に我々を楽しませてくれるのか、非常に楽しみだ。

セットリスト

Reiny Friday -Rei & Friends- Vol.10 Celebration!

7月5日@ヒューリックホール東京

01.Rainy Monday Blues
02.My Name is Rei
03.JUMP
04.Black Cat
05.Birthday
06.Fat Mama
07.春も嵐も
08.Ticket to the Paradise
09.セロリ
10.Tofu Blues
11.Oo-Long-Cha
12.Tumblin’
13.New Days
14.Route 246
15.COCOA
16.LAZY LOSER

ENCORE

EN1.Crossroads
EN2.BLACK BANANA

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