INTERVIEW

THE BEAT GARDEN「音楽で言語の境界線超えられる」アメリカで実感した音楽の力


THE BEAT GARDEN

記者:村上順一

掲載:19年07月02日

読了時間:約15分

新幹線で生まれた出だしの歌詞

――今作「ぬくもり」はみなさんに合ったタイトルだなと思いました。今作の制作はどのように進んだのでしょうか。

U 『都立水商!~令和~』の制作の方からお話を頂いて、僕らにとって初めてのドラマ主題歌だったので、その作品がちゃんと僕らの曲によって、より素敵な作品になったらいいなと。

REI もともとデモであったこの曲を「いつかリリースしたいね」とメンバーと話していたんです。そのなかで水商売や女性感だったりとテーマが色々あるけど、一人ひとりの人生があって、みんなそのなかで必死に生きているんだという温かさも凄く感じられて、それをメロディのなかで表現していきたいと思いました。もともとあったものからブラッシュアップして、そこからどんどん変更して、温もりというテーマに沿うように、自分のなかでイメージを固めていきました。

――最初のデモからは形はけっこう変わったんですね。

REI 構成も含めてメロディ感も変わりました。

U 脚本を読んで全員でシェアをして、「ぬくもり」というタイトルは最後につけました。「カッコいい曲を作ってほしい」とも言って頂いていて、僕らの過去のエレクトリック・ダンスロックを聴いて、そう言って頂けたので、「カッコ良くもあり作品のなかの温かさを表現できたらいいね」というのをみんなで話して。そうしてそれぞれやることになったという感じです。

――歌詞を書くにあたってはメンバーから意見ももらいつつ?

U グループLINEに歌詞をシェアして、「ここはみんなだったらどういうこと言う?」と投げかけてアイデアをもらいました。実際にもらった言葉をそのままは使わなかったんですけど、参考にしました。あと、書いてる間、SATORUに側にいてもらったりとか(笑)。

――SATORUさんはUさんのメンターですからね(笑)。前よりも言いづらいことも言いやすくなりました?

SATORU 昔よりは自分の意見をちゃんと言えるようになりました(笑)。僕は曲は書けないので3人のことを凄く尊敬していますし、「違うな」と思ったことはもちろん言うんですけど、曲に関してはあまりそういう感覚になることはないんです。本当にみんなの作曲、作詞力は凄いなと思います。

U SATORUが側にいてくれて良いところは、僕が一人になりたい時に「帰ってくれ」というのも言いやすいんですよ(笑)。

SATORU (笑)。

――仲がいいからこそですね(笑)。そこに繋がる感覚もあるんですけど、出だしの歌詞が<うるさいな ほんとに>から始まるのが印象的でした。

U 1番のサビから歌詞を書いたんですけど、ストーリーを汲み取って1番のサビはすぐに書き終わったんです。でも、頭サビを書くときに凄く悩んで、なかなかこのフレーズが出てこなかったんです。新幹線移動のときにMASATOが横に座っていて、「頭のところが出ないんだよね」という相談をしていて一緒に考えていたら、たまたま後ろで外国人の方が口喧嘩を始めて、メチャメチャ大声で喧嘩していたんですよ。僕らはいつも車で移動しているから、新幹線移動というこんな贅沢な時間を邪魔しないでくれと思いました(笑)。「うるさいな本当に!」って思って、この歌詞が生まれました。

――今回の歌詞を客観的に見てどう感じましたか。

MASATO 自分は小学校から10年くらいずっと野球をやっていたんですよ。監督からガミガミ言われていて、実際に「うるさいな…」と思っていたんですよ。そのときに気付かなかった部分もあったりして、今になってそれがありがたかったなと思う部分もあります。そのとき自分が通ってきた感情を歌詞にしてもらったような感じがしていて、ドラマともリンクする部分があって、書き下ろしなんですけど他人事ではないような感じがしました。

SATORU トラック(オケ)が乗ってみて思ったんですけど、歌詞は凄く温かいのにトラックは凄くエッジがきいてて。歌詞が温かいおかげでそんなトラックが温かく聴こえてくるというマジックがありました。<あったかい>という言葉を多く使ってくれている影響もあるかもしれないんですけど。

――“ぬくもり”がしっかり感じられる歌詞になったんですね。ちなみにREIさんが最近温もりを感じた出来事はありました?

REI アルバム『メッセージ』の収録曲に「いつか」という母に対して歌っている曲があるんですけど、ツアーの大阪公演でのMCで、初めて同じ空間のなかで「いつか」に対するMCを直接母に伝えられたことです。最近だと一番感じたかもしれないです。

――「ぬくもり」の制作作業で一番大変だったことは?

REI 落ちサビです。僕が考えていたメロディ感とUさんが考えていた歌詞の譜割り感がなかなかマッチしなくて…。そこから2人でディスカッションをして新しく作った譜割り感がリリースしたものになるんですけど、歌詞の譜割り感とメロディ感を合わせるのってなかなか難しいんだなって改めて感じたというか。いつも言葉のはめかたとかそんなに悩まなかったので、苦戦したといえばそこかなと思います。

――さて、カップリングの「スタートボタン」はMASATOさんと上村昌弥さんの共作ですが、前作「横顔」の制作時に出来ていた曲でもあるのですか?

MASATO そうなんですよ。実はそのときに出来た1曲で、ワンコーラスだけ出来ていたんですけど、今回のお話を頂いたときに、綺麗なメロディなのでこの『劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』の挿入歌には合うなと思いました。もともとバラード曲でしたが、最終的にはBPM(テンポ)をけっこう上げました。

――イメージしたものは?

MASATO 作っていくにあたって、『ファイナルファンタジー』のサウンドトラックをもう一回聴き直しました。サントラを聴いてシーンを思い出した部分もあったし、「こんなシーンなんじゃないかな」と思い浮かぶようなサントラになっていたので、そこに自分もこだわって曲作りにトライしてみたいなと思いました。どこの場面に使われるということは事前に聞いていたので、映画のなかでの家族愛や懐かしさみたいなものがちゃんとイメージできるような、綺麗なメロディや転調など、凝った部分を作りながら一緒に作らせてもらいました。

――歌詞は哲学的な部分もあるのではないかと感じました。理想があって現実があって希望もあって。

U まずGLAYさんとTHE BEAT GARDENの名前がクレジットに並ぶ嬉しさがありました。プレッシャーは感じないようにしていたんですけど、やっぱり感じていたのか歌詞が全然出てこなくて。『ファイナルファンタジー』は有名作品ですし、出演者の坂口健太郎さん吉田鋼太郎さんもいつもドラマで観ているし、そのなかにTHE BEAT GARDENという僕らが仲間入りさせてもらうというプレッシャーを知らず知らずに凄く感じていました。それでとりあえずタイトルだけ最初に決めようと思って。

――タイトル先行で。

U そうなんです。どこで曲が流れるのかを教えて頂いて、「スタートボタン」というタイトルを付けました。そこからスラスラと書けたので、本当に脚本に引っ張って頂いて完成してという感じです。監督さんに「本当に作品にピッタリの曲を作って頂いてありがとうございます」と言って頂けて嬉しかったです。曲が流れるシーンも、曲に合わせてセリフを変えてくれたんじゃないかと思えるくらい、僕らの歌詞とメロディとセリフがマッチしていて、本当に最高でした。

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