できるミュージシャンにはっきり意図を伝える

ビッケブランカ

――収録曲全体を通じてレコーディングはいかがでしたか。

 「Ca Va?」は当初、しっかり打ち込みで作るつもりだったんです。でも話し合ってみたら「生楽器でやったら面白いんじゃないか」と。自分の想像しないところに着地したので、それはそれでいい感じになりました。音源に関してはライブと逆で、しっかり作り込んで完璧なものをインコントロールでやりたいという気持ちがありましたが、いい感じに手放せましたね。自分の枠を超えた感覚があります。

 「Lucky Ending」は世界観を意識しながら、いかに素朴で優しく作れるかと考えて録りました。とにかく3拍子とアコースティックギターの鳴りが重要で。ギタリストの方に一度だけイメージを伝えて、それで出てきたこの音が正しいと信じています。基本的に僕はレコーディングにそこまで時間をかけないんですよ。

――具体的にどんなディレクションだったのでしょうか?

 「平和で優しくて、テキサスの馬小屋で現地のカウボーイたちが白熱灯の下、なんとなくノリでライブしている感じの音にしてほしい」と伝えましたね。わらの上に座ってポロンと弾いているような。「Ca Va?」もそうです。ギターのフレーズもずっとループさせたいから「もう極悪なフレーズくれ」みたいな感じでお願いしました。ある程度イメージをしぼって投げて、出てきたものが答えだろうなと思ってます。そのために信頼できる人とレコーディングしているわけですから。

――佐野康夫さんなどの大御所スタジオプレイヤーにも、はっきり意見するんですか。

 佐野さんには一番伝えますよ。ドラムだけは録り直しが結構ありますね。なんでもできる彼だからこそ言います。本人は「本当にこれでいいの?」という感じですけど(笑)。しっかりイメージを聞いてくれて嬉しいですね。大御所の人だからこそ、何でもできるんです。そんなありがたいことないじゃないですか。

 例えば、なにかディレクションしてイライラしてしまう方って、僕の言っていることがわからないか、できないからだと思うんです。僕は根本的に敬意をもって「こういう風にしたい」と伝えます。「佐野さん、今のはそうじゃない。僕はこういう風にしたい」と。言ったらみんなできるので、絶対に変な雰囲気はならないです。

――なるほど、信頼関係があっての注文ということですね。さて、6月14日のワンマンライブ『Voom Voom Room』はどんなものになりそうですか?

 ツアーじゃなくて、その日だけのワンマンですから。一日に凝縮しなきゃいけないので、いろいろと新しいことも考えつつ、セットや演出を考えています。バンド編成も今までしたことのないチャレンジをしますよ。もちろんシングルの曲もやるつもりでいます。

――次の取り組みへの準備などもされてます?

 曲は作っていかなきゃいけないですね。種みたいなものはいっぱいあるんですよ。ほぼできてるけどサビだけどうしてもできないで、ほったらかしているものとか。それも「Ca Va?」みたいに何かの拍子でできるんです。最近だと「いい曲だから早く完成させたいけど、サビだけどうしてもできない。Bメロが最強すぎて、サビがかすむ」ということを繰り返している曲があって。「Bメロが良すぎるからサビにしちゃえ」という考え方もあるんですけど、そうするとAメロがなあと。そういうのにうんざりしてゲームに逃げるんですよね(笑)。作曲は“待ち”の作業なんです。

(おわり)


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