俳優でモデルの那智(21)が、日本テレビ系『向かいのバズる家族』でドラマ初出演した。高校時代は野球に励んだ。「元気を与えられる役者になりたい」という彼はどのような人物なのか。「太陽のような存在」という母親、そして初共演の“先輩”・内田理央から刺激を受けた若手俳優の素顔に迫る。【取材・撮影=木村陽仁】

母の影響、太陽のような存在

 取材部屋に彼はいた。太陽のような明るい表情をみせながら、「おはようございます! 今日は宜しくお願いします!」と元気に挨拶する。その笑顔には人懐っこさがあった。しかし、撮影が始まるときりっとした表情に。インタビューで再び表情を崩し、気さくな笑みを浮かべる。和やかな語り口で懐かしそうに過去を話し始めた。その彼こそ、那智。京都出身の21歳。今後の活躍が期待される若手俳優の一人だ。

 幼少期から目立つことが好きだったという那智はいつしか、「自分を見たら、明日頑張れるエネルギーが出てくるような、そんな影響を与えられる人になりたい」という思いを強く抱くようになった。

 野球に明け暮れた高校時代。エースだった那智はバッターとしても有能だった。チームの方針からピッチャーは打順の下位に配置されたが、「驚異の9番打者」として相手チームに恐れられたという。

 野球での経験で得たものは「仲間」「責任感」「礼儀」、そして、猛練習を乗り越えた「精神的な強さ」。

 「練習は本当にきつくて、試合が楽しみだったぐらいです。だからこの先に困難なことがあったとしても乗り越えられる自信はあります。試合はプレッシャーがあったけど、いつものパフォーマンスを出すためには楽しむことが大事。そうした経験もいま、活かされていると思います」

 「試合でも楽しむこと」を大切にしていたという那智は元来、「人の笑顔を見るのが好き」だった。その考えの原点は母親にある。

 「母はもう太陽のような人で、知らない人でもすぐに仲良くなれる才能があるんですよ(笑)。人を引き寄せるようなものを持っていて、誰とでも分け隔てなく接していて。だから、差別するような人は大嫌い。そんな母を見て育っていますから自然とそういう感覚が自分にもあって。母に憧れを持っています」

 取材中も笑顔が絶えない。“太陽の光”をめいいっぱい浴び育った彼なら自然なことだろう。

 野球に明け暮れた高校時代に受けたオーディション『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』でベスト100に選ばれるも辞退した。しかし、「サラリーマンは想像できない。自分にできることは何か」と将来を見据え自身と向き合った。そこで行き着いたのは、もともと好きだった舞台や映画の道だった。

 卒業後に「浅草軽演劇集団・ウズイチ」のオーディションを受け、合格。2018年にレプロエンタテインメントに所属した。夢の道は開かれた。

 「部活を乗り越えたから何があっても平気」。そう語る那智だが、芸能界デビューして間もなく、まだまだ怒られることもある。それでも「怒ってもらえるうちが花だと思っています。感謝しかないです」と前向きだ。

 ファッションモデルとしても活動する。目立ちたがり屋の一方で人見知りでもあるという那智は「カメラの前だと違う自分になれる」という。デビュー後は、人への関心がより高まった。

 「人を今まで以上に見るようになっています。観察することでいろんな発見があるし、役にも活かされる。もちろんモデルとしても。個性がない人はいないと思うんですよ。何かしらその人ならではのものがあると思うから、それを発見するのは楽しいです」


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