小林克也がMCを務めるBS朝日『ベストヒットUSA』。6月7日放送回では、「ザ・ローリング・ストーンズ1時間スペシャル」。ゲストにピーター・バラカン氏を迎え、ロンドン出身のピーター氏の原点でもあり、デビュー時から間近に見てきたストーンズについて熱いトークを繰り広げた。

ライバル関係でもあった小林克也&ピーター・バラカンが初のテレビ共演

収録の模様

小林 今回の『ベストヒットUSA』はゲストをお迎えして1時間、お送りしていきます。実はこのふたりの共演はテレビでは初めてのことです。ピーターさん、どうも!

ピーター・バラカン(以下バラカン):どうも!

小林 80年代、ポッパーズMTVお疲れ様でした!我々はちょっと種類の違う番組ですけど当時も「ベストヒットUSA」をやってまして・・。ピーターは頑固に自分の好きなものを放送していていいなあ、みたいなことを思っていて、憧れみたいなものがあったんです。で、そもそもピーターの原点は何なんだろう? と思っていたら、実はストーンズだっていうことで、今回の企画にはピーターしかいないと思っていたんですよ。ストーンズが原点っていうのは、どういうことなの?

バラカン 僕がストーンズの影響でブラックミュージックがとにかく好きになって、、今はアフリカの音楽をたくさん聞いたりとか、とにかく何でも聞くんだけど、その姿勢はストーンズを11歳、12歳くらいの時に聴いていたことが、大きかったと思う。なんか本物のような感じがしたの。その頃は知らなかったけど、ストーンズが初期に出していたレコードというのは、ほとんどがカバー曲でしょ? デビュー・アルバムだって1、2曲を除いてほとんどがカバー。でもその時は、誰のカバーかはもちろん、ミュージシャンの名前すら知らない。で、今日持ってきたこういう音楽雑誌があるけど、こういうのを見ていると細かいレコード評とか小さな記事とかで、少しずつ色んなことがわかってくるんですよね。

 例えばこれは(Record Mirror1964年4月25日発刊)チャック・ベリー特集で、僕、ずっと取っておいたんです。ストーンズが表紙なんですけど、“R&B Poll Results”っていうのがあって、まあ“読者人気投票”なんですね。面白いんですよ、さっき改めて見たらね、ストーンズはまだデビューして1年も経ってないくらい。なのに、BEST MALE GROUPの第3位になってます。

小林 そして64年にストーンズを見てるんだよね。

バラカン そう、このパンフレットもずっと取ってあったので持ってきましたけど。これは64年の9月5日、チケットの半券もあって…何故か覚えてるのはキースかだと思うんだけど、ギターのチューニングがくるってたってこと。要はね、当時PAが会場にはないんですよ。ギターアンプから全ての音を出してるわけだから、今の感覚から言えばものすごくショボいことになってるわけです。それで当時のギターアンプも30ワットとかで小さいから、彼らは自分たちが演奏してる音が全然聞こえていないんです。

当時はストーンズにこんなことして欲しくないって思いました

小林 70年代は後半に入ってくると、パンクが現れて世代が変わってきましたよね。

バラカン 例えばディスコっていうのは、パンクよりも実は持続力があった音楽ですよね。それ以降のヒップ・ホップからEDMから今のダンスミュージックに至るまで、その辺の音楽は70年代のディスコがあって変わったものだと思うんですよ。だからあの勢いに逆らえるミュージシャンがほとんど居なかったんです。ストーンズも結局「ミス・ユー」というのもそう。

小林 あれが出た時は、相当無理してるなーと。でもうまく作ったよなあとも感じたんだよね。

バラカン 確かにね、聴いてすぐにこれはヒット曲だと分かるものだったけど、ローリング・ストーンズまでディスコやっちゃうの? って僕はちょっとがっかりしました。もちろんその後何百回も耳にしている曲だから、当時の反応なんてもう変わってしまったけど、あの当時はストーンズにこんなことして欲しくないって思いましたね。ディスコが流行りすぎたことで、ソウルミュージックをやっていたミュージシャンがみんな、レコード会社からの圧力でもって、ディスコビートで曲を作らざるをえなくなってしまった。ソウルミュージックは一気に過去のものになっちゃった。ソウルミュージックが物凄く好きだった僕にとっては、裏切られたというか、もうがっくりきました。ストーンズまで? とショックだった。もちろん最終的にストーンズは違ったんですけどね。

小林 まあ僕は今でいうEDMみたいなものの始まりだったのかもって、僕は気が優しいから、そんな風に思ったりしますけどね(笑)。

ブルースへ原点回帰した今のストーンズ!“ストーンズ、カッコイイじゃない!”

小林 今のストーンズですが、ブルースに回帰しました。

バラカン そう、驚いた!この『ブルー&ロンサム』っていうアルバムはブルースのカヴァーばっかりを収録したものですけど、聴いたらね、素晴らしかったですね。

小林 12歳だったピーター少年が夢中になってたストーンズが、と思うとどうですか?

バラカン ストーンズが何か新しいことをするなんて期待は、個人的にはもうすっかりなかった。でも原点回帰してこう言うアルバムを作ったということは、自分たちの心の中で一番大切にしている音楽だったんだ。何かを作らされているわけじゃなく、素直にこれが本当に楽しいからやったという記録だと思うんです。僕は久しぶりに、ストーンズかっこいいじゃない! 70歳になってるかもしれないけど、これはこれでオッケーだよ、ってね。まあ僕も今は老人ですから(笑)!

 番組の中では、この他にもストーンズの名盤&名曲に関する小林克也&ピーター・バラカンのディープなトークが満載。ストーンズの魅力を改めて語ります。そしてピーターさんが最新チャートをチェック&今一番のお気に入りバンドについても熱く語ります。

番組情報

■BS朝日『ベストヒットUSA』 
2019年6月7日(金)深夜24時00分〜放送

☆ザ・ローリング・ストーンズ特集

番組ページ:
https://www.bs-asahi.co.jp/usa/


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