特別な思い、海…。

――主題歌「UMI」のミュージックビデオ(MV)は同じ種子島で撮影。話を聞きましたら、映画を撮り終えた後に、再び現地に行ってMVの撮影に臨んだとか。それもあって映画とリンクしていました。そのMVではサーフボードに乗って波を感じているところもありましたね。

 サーフィンをやったことがなかったんですけど、映画の撮影の時に初めて乗らせてもらって。吉沢くんと一緒に。でも難しいですよね。ただ、ファーストトライで乗れたので、皆びっくりしていて。類まれみる運動神経がそうさせたのかなって(笑)。

――それは凄いですね。ボクシングをやっていたことが活かされたかも。

 そうそう、体幹がね(笑)。

――その流れで、「UMI」はどういう形で作られたのでしょうか?

 アルバムを制作していまして、それには、自分と親交の深い、自分がリスペクトしているアーティストにプロデュースしてもらった曲を収録する予定なんです。「UMI」はそのなかの1曲です。映画のタイアップが決まった時に、自分は「C&Kに作ってもらいたい」と話して。それで監督の話や映画のことなどを踏まえ、C&Kに「こういう曲を作りたい」と話して一緒に作った曲です。

――歌詞については映画に寄り添いながら?

 そうですね。海が舞台なので、海を表現したくて。「どんなときも海が寄り添ってくれて、あの海がいろんなことを教えてくれる、気づかせてくれる」というのを映画から感じ取れたので、そのまま歌にしたいと思いました。

――映画に限らず、TEEさんにとって「海」は特別なものですか?

 特別です。昔、ボクシングをやっていたけどケガしてできなくなって…。落ち込んでいた時に、オヤジが船で海に連れて行って海のでかさを語ってくれたんです。「悩みなんかちっちゃい、だから忘れろ」って。それからはつらいことや一人で考えたいときがあると海に行って。僕は広島出身で瀬戸内海は車で20分。歌詞を書くときも結構海に行っていて。ずっと水平線を見ているとなぜか言葉がポコポコと浮かんでくるんですよ。「ベイビー・アイラブユー」に<なぁ 旅に出ないか なぁ 海を見ないか>という歌詞があるんですけど、海を見ながら作った曲ですね。海だけじゃなくて、空もそうで、空は広いから眺めていると自分が小さく思える。だから自分は自然に助けられていますね。

――ボクシングで挫折を味わったけど、その後に海外に渡り、そこで歌手になるきっかけを得ました。それがなければこの道に進んでいなかったかもしれないですね。

 そうですね。ボクシングの後に海外に渡って、音楽活動を始めて。それでデビューが決まった時に「何が歌いたい?」と言われ、「やっぱり海が好きだから海を歌いたい」と伝えて。それが「3度のメシより君が好き」という曲です。海に向けた曲だからずっと海のことを歌っているんですよ。<大好きな君は「海」>という歌詞とか、「大好きで持って帰りたいけど君は液体だから持って帰れない」という思いを歌詞に乗せて、ふざけた曲なんですけど、それをデビュー曲にした。それくらい海が好きなんですよ。それで、ここに来て映画のタイアップとして「UMI」が出せて。曲調もミディアムバラードだし、すごく感慨深いというか。

――映画初出演に映画初主題歌、そしてアルバムも。「UMI」という曲が起点となり、今年はTEEさんの年に!?

 この夏来るんじゃないですか? おこがましいけど(笑)。

――曲調はレゲエがベースでギターを入れ込んでいます。メロディも含めて、もともとこういう感じにしたかったのでしょうか?

 レゲエはやっぱり、自分にとっては歌いやすいですね。C&Kと色々と話していて、海をテーマにした映画を見たあとのエンディングにパッと流れてくる曲は、少し暑苦しいのがいいと言ったんですよ。ジャック・ジョンソンのように爽やかすぎても少し違うかなと思って、少し土くさいギターというか、感情に訴えかけるようなギターのリフから入りたいと伝えて。その曲調をC&Kがバシッとはめてきてくれて。その後に優しい歌詞の出だしがうまくはまったと思います。C&Kが「やっぱりレゲエでしょ」と言ってくれたんですよ。それならそれでやってみたいと思ったらいい感じでハマりました。

――レゲエはいま、いろんなスタイルがありますが、でも今回はオールドスタイルの要素もありますね。

 やっぱり声を引き立たせたかったというのもありますね。自分もそうですし、プロデューサーもそう言ってくれて。なるべく音数が少ないもので作った方がいいなと。ユーチューブでも再生が始まってユーザーコメントを見ると「良い曲」と書いてくれているものもあるけど、なかには「物足りないな」という意見もあって。でも自分からしたら「物足りない」っていい言葉だなって。ガツガツと歌っていないし、めちゃくちゃ強調して歌っているわけでもない、スーっと流れて心地が良い、邪魔しない。でも歌詞はしっかりと意味のあることを言っている。物足りるほどガツガツと歌っていると刺さる人しか刺さらない気がして。海のようにフラットな気持ちになれて、そこに言葉が乗っていって、優しく入ってくる歌、邪魔しない歌。だから「物足りなかった」という感想は嬉しいです。

――デビュー曲「3度のメシより君が好き」と比べると違いが出ていますね。

 そうですね。少しは大人になれたのかなと思います。ライブでもどこで歌ってもいい曲になったなと思います。初っ端でもいいし、中盤でもいい、ラストでもいいし。

TEE

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