デビュー5周年を迎えた大原櫻子が5月21日に、東京国際フォーラム ホールAにて全国ツアー「大原櫻子 5th Anniversaryコンサート『COM-ON! ~FROM NOW ON!~』」の幕を開けた。3月にリリースした5周年ベスト『CAM ON!~5th Anniversary Best~』に収録の楽曲を数多く歌い、メドレーやカバーも披露した他、ダンスパフォーマンスでも魅せたエンターテインメント性に溢れたステージ。歌唱力と表現力は目を見張るばかりで、近年数多くの舞台に出演して研鑽を重ねてきた彼女の、舞台女優としての本領がいかんなく発揮されたものになった。【取材=榑林史章】※ネタバレあり

豊かな表現力で聴かせたバラード

大原櫻子

 会場となった東京国際フォーラムホールAは、家入レオや槇原敬之などのライブを観に来たことがあるそうだが、このステージに立つのは初めてと語った彼女。「今日は初めて観てくれる人もたくさんいるから、良いところを見せたいと思って緊張しちゃうな〜」と笑いながら、ステージを展開した。

 「サンキュー」や「瞳」などは、アコギを弾きながら歌った。5周年の感謝の気持ちを込めて歌った「サンキュー。」では、ポップなリズムに乗せて、会場には手拍子が広がる。最後にピョンと跳ねて、バンドメンバーと息を合わせてジャーンと曲を締めくくったのも印象的だ。「瞳」では、「みんなで一緒に歌いましょう」と語りかけて、サビは会場がひとつになって歌った。観客の声を嬉しそうに聴き、「ありがとう」と大原。温かくて優しい空気が、会場に広がった。

 ピアノをメインにしたサウンドで聴かせた「さよなら」や「ひらり」といったバラードは、実に聴き応えがあった。「さよなら」は、胸に手を当てて気持ちを伝えるように歌い、観客をその世界へと一気に引き込んだ。囁くように、語りかけるように、自分に言い聞かせるように、細かい感情の機微まで表現された歌声は、まるでドラマの切ないワンシーンを観ているかのよう。特に感情が最大限に高まるDメロは、エモーションが溢れんばかり。会場に桜色のライトが広がった「ひらり」では、フェイクやロングトーンを織り交ぜながらの情感たっぷりの歌声に、客席には感動が広がった。

5年間の集大成となるステージ

大原櫻子

 「Joy & Joy」は、ダンサーと共にダンスパフォーマンスで魅せた。楽曲はライブ用にアレンジされていて、ブレイクやキメがより際だったサウンド。息の合ったパフォーマンスはキレも鋭くダンススキルの高さを見せつける。歌や楽器演奏、演技だけでなくダンスも見事にこなす、彼女の器用さには脱帽だ。ダンサーの中には、大原が小学生の時に教わっていたダンスの先生もメンバーとして加わっていて、「鬼ごっこのようにレッスン場を駆け回っていたことを思い出します」と、嬉しそうにエピソードを語った大原。昔からの様々な人の支えで、このステージが作られていることへの感謝を実感しているといった様子だった。

 タオルを回して会場が1つになった「真夏の太陽」は、心地よいリズムに合わせて観客がジャンプした。エレキギターをかき鳴らしながら歌った、アッパーのロックチューン「READY GO」では、〈オイ!オイ!〉とかけ声がかかり、大原もシャウトしながら歌を聴かせる。「そんなもんか東京!」と、さらに盛り上げた大原。バンドメンバーも間奏のソロ演奏で、楽器を持ち上げてプレイするなど見た目でも楽しませた。

 MCでは、ここ1年の環境の変化や不安だった気持ちを告白した。「去年から個人事務所になり、前回のJOYのツアーを終えて、次にいつライブができるか、今後どうなるか不安がありました。でもたくさんの人に支えていただいて、私の知らないところでもたくさんの人が力を貸してくださって、今こうしてライブができています。みなさんのおかげで、今日最高に楽しかったです」

 最後の歌は冒頭のワンフレーズを、マイクを通さず生声で歌った大原。気持ちが溢れた圧巻の歌唱力に、会場から惜しみない拍手が贈られた。今やりたいステージ、歌いたい音楽、出てみたい舞台、それらすべてを分け隔てなくやってきた5年の活動。女優であり歌手でもある大原櫻子の、その集大成と呼べるステージになった。

 このツアー「大原櫻子 5th Anniversaryコンサート『COM-ON! ~FROM NOW ON!~』」は、7月11日の兵庫・神戸国際会館まで全10公演開催される。

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