ガールズ・ダンス&ボーカル・グループの東京女子流(TOKYO GIRLS' STYLE)が5月25日、東京・中野サンプラザでワンマンライブ『東京女子流 CONCERT*07「10年目のはじまり」』を開催。5月5日にデビュー9周年を迎え10年目へ突入した東京女子流。「思い出や歴史を一緒に振り返りつつ、未来を見せれたら」とメンバーが語ったように、これまでの総決算とともに彼女たちの新たな可能性を感じさせるステージを見せた。【取材=長澤智典】

9年間の想い

東京女子流

 彼女たちがデビューを飾ったときは、まだあどけない中学生だった。ライブのMCでも「ダンスが初めての子や、歌うのが初めての子もいる中、東京女子流が始まって。その中での経験を通して成長してきました」と語っていたように、彼女たちは経験を積み重ねながら、表現者としてはもちろん、人として、一人の女性として、ひまわりのようにすくすくと真っ直ぐに育ってきた。

 その過程の中には、メンバーの卒業もあった。過去には、2度、日本武道館のステージにも立っている。9年間という日々には、ここに書き尽くせないほど、いろんな出来事が東京女子流の歩みに刻まれている。それ以上に4人の心や小さな身体の中には、今の自分を形成している、とても大きな想いが詰め込まれている。4人が舞台の上で輝きを放つ理由も、そこにある。

 最初は、あるべき姿と現実とのギャップを埋めようと必死に成長の種を飲み込み続けていた。いつしか彼女たちは、理想と現実との境目を縮めるまでに成長。その差が縮まるごとに、今度は自分たちで理想となる姿を描いては、それを形づくるためにそれぞれが自身を磨きだした。とくに、ここ2年ほどの東京女子流は、デビュー依頼培った経験や成果さえも、東京女子流が今後あるべき姿を作りあげるための一つの糧にしながら、様々な表現のアプローチを示し続けている。

 彼女たちにとって10年目というのは、一つの区切りというよりも、これからの10年に向けての新たなスタートラインを作るための年。この日のライブを観ながら、そんな風にも感じていた。

 最近の東京女子流は、新井ひとみがDJブースに陣取り、そこから楽曲を発信すれば、流れ出る音楽に合わせ、山邊未夢、中江友梨、庄司芽生の3人がステージで歌い踊るスタイルを取っている。もちろん、新井もDJブースでプレイしながら歌っている。きっかけは、新井ひとみの足の怪我により、彼女自身の身体が完全に回復するまでの措置としてのこと。歌い踊るグループとしてのハンデを、発想でプラスに変えた手法とはいえ、それまで4人で歌い踊るステージを見続けてきた身としては、正直驚きでもあった。

新たなスタイル

東京女子流

 この日の中野サンプラザ公演でも、新井ひとみのDJブースを中心に、左右にバンドメンバーが陣取る形を取っていた。つまり、DJ+バンドという形態を取りながらライブを展開。

 新井がフロントに出て、4人で歌い踊る姿をバンド演奏が支える従来の形。新井のDJプレイに合わせ、3人がフロントで歌い踊る4人のみの編成と、3つのスタイルを示していた。

 もちろん、会場によってはバンドを従えずにおこなうこともあるだろう。むしろ、注ぐべき視点はそこではない。オケをバックに4人で歌い踊る従来の東京女子流。そこへ今回、新井をDJに据えた、自分たちで楽曲を発信していく新たな東京女子流の姿も投影。これからもDJ STYLEを提示してゆくのかは定かではないとはいえ、2つの形を一つのライブの中で提示したところへ、今後、東京女子流はこう進むという一つの姿勢や意思も感じずにはいれなかった。

 東京女子流のライブは、1stアルバムに収録していた「Attack Hyper Beat POP」を歌い、幕を開けた。大勢のダンサーたちを引き連れながら山邊、中江、庄司の3人がステージで歌い踊れば、新井はDJブースに陣取り歌声を届けていた。とても華やかなステージングだ。楽曲が進むごと、気持ちにどんどん熱が注ぎ込まれていく。3人の躍動するダンス、DJブースから声を上げ観客たちを煽る新井。その光景も、とても新鮮だ。

 ライブは、華やかさを増していく。「W.M.A.D」を通して会場中を華々しいパーティ会場へ染め上げれば、「ふたりきり」や「Liar」では、ファンキーな演奏に乗せ、少し艶かしい歌声やダンスも提示。中でも、「Liar」の歌唱中、とつぜん衣装を脱ぎ、金色セクシーな衣装に変わる様まで披露。胸を騒がせ、身体を踊らせるダンサブルな楽曲を、彼女たちは止まることなく届けてくれた。

 その間に「ふたりきり」を挟む形だったとはいえ、両A面シングルの「W.M.A.D」と「Liar」を繋げた構成も、嬉しさを覚えたポイントだ。

 「東京女子流、10年目の始まりということで、東京女子流の思い出や歴史を一緒に振り返りつつ、未来を見せれたらなと思います」という庄司の言葉を受け、ここからは比較的最近の楽曲たちを東京女子流は届けだした。

 内側から沸き立つ情熱をセクシーな仕種や声色も交え歌った「雨と雫」。少女から大人へと変わりゆく時期に覚える僅かに匂い立つ色気を感じた「ラストロマンス」。<Kissはあげない>と甘く挑発するように歌いかけた「Kissはあげない」へと続いた、

 女性として醸しだす艶めいた魅力と、エレクトロなダンスナンバーへ傾倒していくサウンドスタイル。妖しく挑発するような背伸びした大人な空気を塗り替えるように、歌いだした「光るよ」。それまでの雰囲気を一変するように、「光るよ」が舞台上へどんどん眩しい輝きを集めだした。彼女たちは、何度でも生まれ変わって新しく始めればいい。そこからまた輝きが始まるからと力強い言葉を投げかけていく。その言葉に、何より、気持ちを嬉しく解き放つ楽曲に刺激され、会場中の人たちが、舞台の上から降り注ぐ輝きを身体中に浴びながら笑顔ではしゃいでいた。最高の音楽は、触れた人たちの誰しもを輝かせるよとでも言うように。

今日だからこそ届けられる曲

東京女子流

 ここで新井もDJブースを降りて、ステージへ。4人が舞台上に揃ったところで、ここからは、これまでの東京女子流の歩みを振り返るように、バンド演奏を背に4人が歌い踊るスペシャルメドレーのコーナーへ。

 跳ねたリズムも心地好い「孤独の果て~月が泣いている~」を通し、身体中に情熱をたぎらせれば、「きっと忘れない、、、」では凛々しい歌声を持って力強く歌い踊る姿を提示。たくさんの光を集めるように届けた、カラフルなパーティチューンの「ヒマワリと星屑」。「Limited addiction」では、少し背伸びした仕種で妖しく挑発する場面も登場。短い時間の中、懐かしさも滲ませながら、東京女子流はノンストップで心騒がせる楽曲たちを披露してくれた。

 メンバーも「今日しか出来ない、今日だからこそ届けられる、いつもと違うバージョンの曲をお届します」と語っていたように、ここからは、バンド編成だからこその特性を活かした形で歌を届けてくれた。

 最初に披露したのが、ピアノ演奏のみを背にした「初恋」。切々としたピアノの調べの上で、一人ひとりがマイクをリレーしながら、しっとりと響くピアノの音色へ心を預け、胸をキュッと揺さぶる想いを届けだした。それぞれの声色はもちろん、4人の歌声が重なったときの美しさも心をギュッと締めつけていた。

 続く「サヨナラ、ありがとう。」では、2本のアコギの音色が重なりあう演奏の上で、沈んだ心に少しずつ光を降り注ぐように4人が歌声を響かせていた。四季を巡るように綴った思い出を、悲しみではなく、輝く思い出へと4人の歌声の絵筆が塗り替えていく。それを感じれたのも嬉しかったこと。

 ふたたび新井がDJブースへ。後半戦は、4人だけの東京女子流のステージからスタート。新井がDJブースから繰り出す楽曲と歌声を合図に、舞台上の3人が歌い踊りだす。特徴的なのが、どの楽曲もEDMなスタイルとして昇華していったところ。

 少しずつカラフルさと躍動を増していく「ミルフィーユ」。気持ちの内側から沸き上がる高揚を覚え続けた「water lilly~睡蓮~」、「Never ever(TJO&YUSUKE ftom BLU-SWING Ver)」では、サビへ向かって感情を盛り立てながら、サビへ突入すると同時に気持ちがスパーク、何度も高揚押し寄せるドラマを描き出していた。

 極めつけは「深海~Hira MIX~」、強烈なグルーヴを作り上げるエレクトロな演奏に刺激を受けた人たちが、ビートに合わせ騒げば、東京女子流は中野サンプラザという会場を巨大なクラブという空間に塗り変えていった。まさにこのブロックで提示した姿こそ、これからの東京女子流が求めてゆく一つのスタイル。そう思わせるくらい4人の意思と主張を感じさせれば、気持ちや身体をアッパーにさせていくブロックだった。

東京女子流

 さぁ、ここからは再びバンドを従え、明るく華やかなパーティを再開だ。「Reborn」では、メンバーたちが狼に変貌、「アウォーン!!」と遠吠えを上げる姿まで見せていた。会場中へ眩しい光のシャワーを降り注いだ「大切な言葉」。曲中、新井が「大好きなキミがそばにいる」と叫んだ「おんなじキモチ」では、メンバーと会場中の人たちが同じ振りをしながら、一体化した気持ちを存分に味わい尽くしていた。本編最後に届けた「ゆうやけハナビ」では、メンバーも、会場中の人たちも両隣の人たちと繋いだ手を頭上高く掲げ、気持ちを一つに溶け合っていた。

 アンコールでは、デビュー曲の「キラリ☆」を歌唱。4人の歌声が重なりあったときに覚えた、嬉しいときめき。まさに眩しい青春という気持ちを、心に光射す感覚を、「キラリ☆」を通して身体中に感じていた。

 最後に東京女子流は、より激しさを増した形に変え、ふたたび「光るよ more guiter mix.」を届けてくれた。 彼女たちは歌いかけてきた、「この場所から見えるぜんぶ 宝物だよ」と。それは、誰もが感じていた想い。むしろ、この熱狂と興奮を共に分かち合えることがこうやって気持ちが輝く光に包まれ、ネガティブな闇さえも塗りつぶしていく楽しさを感じあえることが、最高に幸せなこと。そんな楽しさと未来へ向けてのときめきを覚えながら、この日のライブは熱狂とともに閉じていった。

セットリスト

東京女子流『東京女子流 CONCERT*07「10年目のはじまり」』
2019年5月25日@中野サンプラザ

M1 Attack Hyper Beat POP
M2 W.M.A.D
M3 ふたりきり
M4 Liar
M5 雨と雫
M6 ラストロマンス
M7 kissはあげない
M8 光るよ
M9 孤独の果て~月が泣いている~
M10 きっと忘れない、、、
M11 ヒマワリと星屑
M12 Limited addiction
M13 初恋
M14 サヨナラ、ありがとう。
M15 ミルフィーユ
M16 water lily~睡蓮~
M17 Never ever (TJO & YUSUKE from BLU-SWINGVer)
M18 深海 -Hi-ra Mix
M19 Reborn
M20 大切な言葉
M21 おんなじキモチ
M22 ゆうやけハナビ

Encore

En1 キラリ☆
En2 光るよ more guitar mix

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