INTERVIEW

個性とは何か――、RYUCHELL 音楽で伝えたいこと 活動から学んだもの


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記者:木村武雄

掲載:19年05月30日

読了時間:約12分

「Hands up!! If you're Awesome」の流れを汲む「Beautiful Dreamer」

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――アルバムの新曲「Beautiful Dreamer」はそのクリスマスライブでも披露されていましたよね。作詞は「Hands up!! If you're Awesome」と同じく岡嶋かな多さんと、作曲はカルロスKさんです。

 そうです。歌を始めるきっかけだった「自分の色を大切に」「ダイバーシティの世の中になりますように」という願いを込めた曲です。僕は小さい頃から、バービーダンスを踊れば「おかま」と呼ばれたり、何かをすれば何々と決めつけられる世の中が嫌で、そういう世の中が変わりますようにということで、話し合い一緒に作らせて頂きました。

――そう考えると、流れを感じますよね。「Hands up!!――」の流れを汲んでいる。

 「Beautiful Dreamer」はもともと2曲目に出す予定だった曲で、ずっと眠っていた曲でした。なので、それ流れはあると思います。ユーロビート感もあるし、出せて嬉しいです。

――結果、2曲目が「Link」になりましたが、こうして全ての曲を聴くと、一貫しているものもあるけど、そのうえで様々な表情が見えますね。

 嬉しい! やっぱり「Link」は伝えたいメッセージ的にユーロビートじゃないなと思ったし、ニュージャックスウィングのような感じにしたいというか、今回収録した新曲には初のラブソング「Your My Love」があるんですけど「ユーロビートでも、ニュージャックでもないな、レゲエ調にしたいな」と思って。90年代のレゲエ調も大好きなので、それも伝えたかった。テーマごとに合わせて、年代とか大好きな基盤はズレずに飽きないように挑戦していくというか、意識していきたいと思っています。

――取り入れるジャンルが変わると歌う面ではどうですか? 難しさは?

 自分の歌という感じで、歌いやすかったです。僕たぶんだけど、明るい曲の方が歌いにくい。こういう曲の方が歌いやすいですね(笑)。

――「Link」は、リンクくんとぺこさんへの思いをしたためた楽曲でしたが、「Beautiful Dreamer」はどうですか?

 基盤となる「自分を大切にする」とか、「自分を愛してあげる」というのはこの曲でも反映されています。やっぱりぺこりんの存在があるからできることで、誰に何を言われようと自分のことを大切にできるのは居場所があるから。ぺこりんが愛してくれて、僕も愛して、そういう形があるからこそ何を言われても「いいや」とか「もっと頑張ってみよう」と思える。ぺこりんへの感謝の気持ち、ラブソングというものも残しておきたいなと思いました。ただ、僕はぺこりんの事を歌っているけど、聴いてくれる皆からしたら大切な人を思い浮かべられると思います。僕だけではなく、皆それぞれにも置き換えられる、曲として残しておきたいと感じました。

――MVはどんな感じになりましたか?

 可愛いです! 「Hands up!!――」はダンスダンスで、「Link」は青を基調としたスタジオでしたが、代わり映えのあるMVになっていると思います。月に乗っているシーンや、バブルバスでアイスを食べていたり、ドライブしたり。それぞれのシーンで好きな人を考えているというテーマがあって。大好きな人が出来たらお風呂も長風呂になったり、夜空を見上げて好きな人を思い浮かべてみたり、そういうのを意識しています。そこも楽しみに見てもらえたら嬉しいですね。

 それと、90年代のレゲエを取り入れているから、90年代の世界観は意識しています。当時の洋画には、大きな冷蔵庫から大きなアイスを出して食べているシーンってよくあったじゃないですか? そういう小物も意識しました。衣装も昔のアレンジをして、ちゃんと今回もこだわれたと思います。

個性とは…自信がないのは「人と比べている」から

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――やっぱ変わらずのテーマは「愛」や「自分らしさ」?

 そうですね。今回の『SUPER CANDY BOY』にもちゃんと意味があって、意味がありすぎて難しくなっちゃうと嫌だし、可愛くて意味のあるものにしたかったから、可愛らしい「キャンディ」と「ボーイ」を組み合わせて、男の子でもなく、女の子でもない「キャンディーボーイなんだよ」ということを言っているような。性別とか年齢とかいろいろあるけど、どんなジャンルにもとらわれず、自分で自分のジャンルを作っていいんだよ、というメッセージを込めたくて。

――自分のジャンルを作る前に個性がないと難しいと思いますが、個性がない人あるいは見つからない人はどうすればいいと思いますか?

 僕はそれこそドラマや映画、ハワイ旅行に行って「僕ってこういうことが好きなのかも」と思えたり、いろんな世界に触れて自分の好きなものを見つけていくことをやってきたので、それで「やっぱりこういう人になりたい」「こういう服を着たい」「こういう音楽がやっぱり好き」とか明確にしていったから、努力の仕方も明確だった。極端な話、外国人のようになりたかったら「ブリーチしよう」とか。色んなものに触れたおかげでなりたい自分に出会えたので、いろんな世界を観ることは大切だと思います。

――若い人に対してはそうですよね。逆に経験を積んだ30代以降の人たちは、経験を積んだ分、酸いも甘いも知って夢を無くした人もいると思います。

 歌を始めようと思ったきっかけだったんですけど、それこそお父さんお母さん世代というか、その世代の方に言われたことなんですが「子供の授業参観に行ったときに派手な格好していたからめっちゃ観られて…そんななかで“りゅうちぇる”君やぺこちゃんは自分を貫いて凄いと思う」と。

 でも僕たちは芸能人だからこういうスタイルをしていたわけではなくて、芸能人になる前の一般人の時からそうだった。芸能人だから個性が許されるというわけではなく、ずっとそのスタイルだから。

 やっぱり自分に自信がないというのは人と比べてしまっていると思う。30代の人とか全員ではないけど、すぐに「現実を見た」って言うんですけど、人と比べているだけなんですよ。それは現実じゃないし、現実は自分で決めて良いと思う。だから人と比べずに自分をしっかり愛してあげる。

 リンクにもそういう子になってほしいので、どんなに色んなことを言われても自分の道を行っている姿を見せたいし、キラキラしている姿を見せたい。せっかくの一度きりの人生だから、人の目で生きる子にはなってほしくない。

 そういう思いを曲にも込めているし、そういう悩みがある方には響く曲がいくつもあると思うので、そこは意識して作っています。

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