りゅうちぇるが、アーティスト「RYUCHELL」として音楽活動を始めて約1年が経つ。周りに後ろ指をさされても「個性」は捨てなかった。やがて原宿という街に受け入れられ、芸能界でも活躍。その姿が希望を与えるとして、東京・渋谷区から渋谷ダイバーシティエバンジェリストにも任命された。

 「自分を大切にする」「自分を愛してあげる」――。歌でもそうした思いは伝えられるのではないか、というのが音楽活動を始めたきっかけだった。この1年、一貫しているのはそうしたメッセージだ。憧れた80年代、90年代のカルチャーを取り入れながらも、しっかりと自分の色を示していく。

 その一方で、この1年の活動を通じて「自分で決めつけずに挑戦することの大切さ」も学んだという。そのきっかけがリンクくんに向けた曲「Link」だった。4月10日に発売される自身初のアルバム『SUPER CANDY BOY』はそうしたものが反映されている。この1年、彼にとってどういうものだったのか。そして、「個性」とは何か。【取材=木村陽仁/撮影=片山拓】

1年目の経験が活かされた「SUPER CANDY BOY」

――リンクくんの成長をいかがですか?

 赤ちゃんからできることが増えていって、ベイビーからキッズになっている感じです。「Link」という曲を出す時は、お腹の中にいて。ぺこりんがずっと聴かせていたんですよ。だから、今でもその曲や僕の声にめっちゃ反応します(笑)。

――去年のクリスマスライブでも近況報告されていましたね。寝返りをうつようになったとか。さて、そのクリスマスライブ。RYUCHELLさんが観客に優しく接していたのが印象的でした。

 遠くから来てくれた人もいました。今までは、テレビやSNSの向こう側で応援してくれる人と会う機会はそうなくて。なかなか会えないから今しゃべるしかなくない、というのがそもそもの気持ちにありました。一人ひとりの目を見てお話しする機会があるなら、皆との交流を深めたいなと。それと去年、アーティストデビューをさせて頂いたので、応援してくれる人にこうやってライブが出来るのは嬉しくて。

――映画『ミーン・ガールズ』をほうふつとさせるダンスパフォーマンスも披露されていましたね。

 『ミーン・ガールズ』は好きだし、クリスマスパーティと言っているのにクリスマスっぽいのをしないのはどうかと思うし、何がいいかな? と思った時に、クリスマスで見るとすれば、『ホーム・アローン』もあるだろうし、いろんな映画はたくさんあるけど、できるなら『ミーン・ガールズ』だろうと思って。歌っているシーンをパロディにしてみました。

――見事に再現されていました。出産後初の公の場として、ぺこさんもステージにあがりました。イベント前はどういう話をされていましたか?

 ぺこりんは育休を頂いていて、その間はイベントもなく、久々に人前に出るので「え~私そんな準備できていない」という感じだったけど、「“りゅうちぇる”だったら出たい!」と言って出てくれました。

――トークは健在でしたね。さて、アーティストデビューから1年が経ちました。振り返っていかがですか?

 「Hands up!! If you're Awesome」は凄くこだわって、「絶対に90年代サウンドがいい、ユーロビートでそれに合わせたジャズダンスで、MVにもこだわる」という感じで作りました。

 でも、歌は出てみないと分からないもので、点数をつけるものではないけど、皆さんの反応を見て、こだわりすぎてサブカルっぽくなりすぎたかなと思って。勉強になりました。それが活かされて「Link」という曲にも繋がって、ニュージャックスウィングの90年代っぽさ、自分らしさを出しつつ、皆にも共感してもらえる、入りやすい良いバランスができたと思いました。それが3作目の「Diversity Guys!」にも活かされて。

 それと初めてライブをした時に、僕の歌とダンスの発表会になってしまって、なんとなく、そうではなくて、みんなも乗れる、みんなも楽しめる、一緒にライブを盛り上げられるような曲は作ったことがなかったし、それさえも思った事がなかったから、ライブを通してもっと盛り上がれる曲が欲しいと思って「SUPER CANDY BOY」という歌も作りしました。

――最初のライブは昨夏、渋谷の美容専門学校でのファンイベントですよね? 「発表会になった」という話がありました初めてステージに立った心境は?

 バラエティと雑誌の仕事しかしたことがなかったので、いざ人前で歌うとなったら緊張して余裕がなかったですね(笑)。見せ方も分からなくて…だから発表会という表現を使ったんですけど、「“りゅうちぇる”ってこんなに踊るんだとか、こんな感じなんだ」で終わっちゃった感じ。ライブをやるなら「楽しかった! また来たい!」と思ってもらえるようにならなければならないのに。「へ~、こんな感じなんだ、満足満足」で終わらないで、みんなで楽しめるような楽曲もそうだし、見せ方もそうだし、そういうのは感じていたので、新曲はそれを意識しましたね。

 なので、1年目の経験を活かして、これだったら皆にも聴きやすいとか、そういうことをアルバム『SUPER CANDY BOY』に落とし込めたと思います。ライブでもリリイベでも曲を流せば一瞬で会場がRYUCHELLっぽくなるようなものが作れたので自信作かなと思います。


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