5人組ボーカルグループのベイビー・ブーが5月11日、東京 浅草公会堂で『ベイビー・ブー 十番勝負 最後の決戦~あなたに贈る泣ける歌~』をおこなった。2017年7月から「十番勝負」と題しおこなってきたコンサートの最終回。2カ月というタームで、毎回企画を決めて新曲(カバー)を歌うというテーマでおこなってきた。ステージは2部構成でアンコール含め25曲を披露した。5人の温もりあるハーモニーで包み込んだコンサートのもようを以下にレポートする【取材・撮影=村上順一】

僕たちのハーモニーが皆さんのお役に少しでも立てたら…

ベイビー・ブー

 第1部は「心の奥底にある童謡唱歌を丁寧に歌い続けていきたい」という想いとともに、昭和歌謡や童謡をメインとした構成で届けた。

  幕が上がりメンバーの姿。挨拶から「ベイビー・ブーの殻を打ち破ります」という力強い宣誓。「こういった宣誓で始まった『十番勝負』記念すべき1曲目はこの曲でした」と、古賀政男音楽博物館 けやきホールでおこなった、「十番勝負」1回目のオープニングナンバーでもあった「神田川」で“最後の決戦”の幕は開けた。

 曲に纏わるエピソードはその楽曲への造詣を深め、また新たな印象を与えてくれる。ただ曲を聴くだけではなく、ライナーノーツのようなMC、個人のエピソードを交え「赤とんぼ」や、翌日の12日が母の日ということもあり「かあさんの歌」など馴染みの深い楽曲を届けた。多くの人をノスタルジックな気分に、幼き頃へとタイムスリップさせてくれるよう。

 「皆様に出会わなければ知らなかった曲です」と紹介した、昭和初期の流行歌でディック・ミネの「人生の並木路」と「戦友」という時代を色濃く映した曲を響かせた。1部の最後には、「平和の素晴らしさを教えてくれた」と話す1曲、森山良子の「さとうきび畑」を、豊かなハーモニーをホールに響かせた。

 第2部は、近年多くのアーティストがカバーしている中島みゆきの「糸」でスタート。病人を支える視点で書かれた矢野真紀の「窓」や研ナオコの「かもめはかもめ」を歌唱。2001年9月11日にアメリカで起きた同時多発テロの追悼集会で朗読された、ノーマン・コーネット・マレックの「最後だとわかっていたなら」が、チェリーによって朗読された。多くの人の涙を誘った詩は感情を揺さぶりかけ、秋川雅史の「千の風になって」を情感を込め歌い上げた。

 場面を一転して坂本九の「上を向いて歩こう」では、観客も手拍子で一緒に盛り上がった。そして、激動の昭和という時代を生きた美空ひばりの「愛燦燦」、石原裕次郎の「わが人生に悔いなし」は楽曲の持つ世界観を、5人の歌声で美しく紡いだ。

 もともとは6人編成だったベイビー・ブー。デビューから2年、なかなか芽が出なかった。そんな2004年にメンバーの1人が、「神戸に帰ろう」と切り出したという。だが、まだまだ沢山の人に歌を届ける、志半ばで神戸には帰れないと決心した今の5人は、東京に残ることを選んだ。6人から5人になり、先が見えず解散の危機を感じたこともあったと話す。

 ユースケは「その時から応援して下さる皆様、今こうして来てくださる皆様のおかげで僕たちは今日まで活動してこれています」と感謝を述べた。

 続けて「僕たちが歌う意味というのは、ベイビー・ブーのハーモニーが皆さんのお役に少しでも立てたら、という気持ちで日々過ごしております。これからも皆さんに歌声を届けられるように精進していきます」と告げ、2部ラストはさだまさしの「主人公」を届けた。誰もが自分の人生の主人公だというメッセージが詰まった曲を、ベイビー・ブーの鮮やかなコーラスワークで彩った。

必ずみなさんを日本武道館にお連れします

ベイビー・ブー

 アンコールでは、各々が感じたことを1人ずつ述べた。

 シノブ「この2年間で皆様にすごく育てられたという感じがしています。ここに立てたときにすごく成長できた気がしました。これからもどんどん成長していけるように応援宜しくお願いします」。

 ケン「最近、特に音楽を楽しくやらせていただいています。挫けそうになったり悩む時もあります。でも、そんな時はコンサートに来てくれて喜んでいる皆さんの顔を思い浮かべると頑張れます。本当に皆さんに支えられて今も歌い続けています」。

 チェリー「今日は詩(「最後だとわかっていたなら」)を読ませて頂きましたが、必ず明日はやってくる、だけども…、というところが年々強くなってきています。皆さんと僕らが元気だから僕らもここに立っていられる、そういうことが重なって今日が生まれたということを心から感謝します」。

 ユウ「皆さんが来てくれるか最初は不安がありました。でも、今は本当にホッとしています。番外編も入れて11回やってきましたけど、初の全アカペラでお届けしました。アカペラだけということで、どうなることかと思いましたが、自信を持って歌うことができました。ここから皆さんと一緒にもっと大きくなって進んでいきたい」。

 ユースケ「ここからまた新しいベイビー・ブーがスタートすると思っています。浅草公会堂まで皆さんに連れてきて頂いたと思っています。僕らは日本武道館で1万人の大合唱会をするという目標を掲げて活動していますがまだ遠いです。この数年の間に必ず皆さんを日本武道館にお連れします。ベイビー・ブーとともに歩んでください」。

 感謝と熱い想いを語り、4月24日にリリースされた通算6枚目のアルバム『花が咲く日は』から「こころの旅」「ごめんね…ありがとう」そして、アルバムの表題曲で、ベイビー・ブーが定期的にコンサートをおこなっている、うたごえ喫茶ともしびの年間リクエストランキング1位となった「花が咲く日は」を令和・バージョンで届けた。ユースケはこの曲を「平成に生まれた曲ですが、令和の叙情歌として歌っていきたい」と意気込みを述べた。

 ラストは「青春時代」「高校三年生」を披露。メンバーもステージから飛び出し、客席へ。訪れた観客とコミュニケーションを取りながら、多幸感あふれる空間が広がった。会場全体で大合唱も巻き起こるなか、約2年間続いた『十番勝負』の幕は閉じた。

セットリスト

1部

01.神田川
02.ふるさと
03.赤とんぼ
04.シャボン玉
05.叱られて
06.かあさんの歌
07.紙のピアノ
08.吾亦紅
09.人生の並木路
10.戦友
11.さとうきび畑

2部

01.糸
02.窓
03.かもめはかもめ
04.さらば友よ
05.千の風になって
06.上を向いて歩こう
07.愛燦燦
08.わが人生に悔いなし
09.主人公

ENCORE

EN1.こころの旅
EN2.ごめんね...ありがとう
EN3.花が咲く日は
EN4.青春時代
EN5.高校三年生

記事タグ