駅から家まで歩きながら考える

TENDERLAMPのAMI

――「BURE-NIGHT-MAGIC」は、どういうきっかけで作ったのですか?

 TENDERLAMPとしてライブをやるようになって、ライブで盛り上がる曲がもっと欲しいと思って作りました。ビートをアップテンポにして、サビではリフレインを多用して、覚えてもらいやすいように意識しましたね。

――タイトルは、“ブレない”という言葉に掛かっているんですよね。

 そうなんです。いろんな人間がいて、それぞれにいいところがあって、その人の才能を羨ましいと思うことってあるじゃないですか。私自身も自分にないものを取り入れようと頑張ったことがあったけど、でも、そうやって作ったものは、どこか背伸びをしていて、自分らしくないなと思ったんです。それで無理に取り込むことをやめて、それらを脱ぎ捨てたことで、自分自身と向き合うことができた。そういう軸となる自分がブレないように、これからも活動をしていきたいという意志表示みたいな曲です。私もブレずに頑張るから、みんなも十人十色で生きて欲しいという思いもありますね。

――次に「まよなかさんぽ」ですが、夜によく散歩をするんですか?

 散歩と言うか…仕事が終わった帰りに駅から家まで歩くんですけど、その時間にその日の整理とか考えごとをするのが、私のルーティーンになっていて。

 もともとはChelsyをやっていた時に作った曲で、一人で物思いにふける感じでワンコーラスだけ作ってあったんです。それをスタッフさんに聴いてもらったら、もっとポップにしたらいいんじゃないかということで、桑原さんが、よりシティ感のあるサウンドにしてくださいました。

――歌詞もChelsyの時に書いたものなんですか?

 ワンコーラス目だけですね。2番の歌詞は、TENDERLAMPになってからの名古屋遠征の車で書きました。1番は一人の時に書いて、2番は周りに人がいる状態で書いたので、詞の雰囲気が変わるんですけど、どちらも自分だから1番はそのままでもいいなと思って。だからChelsy時代の私と今の私が混在した、TENDERLAMPの歴史が込められているみたいな感覚もありますね。

――ポップでおしゃれな雰囲気の楽曲で、ミュージックビデオも可愛いですね。

 MVは一発撮りで、私が歩いていてイラストの風景がどんどん変わっていくんですけど、そのイラストは私が描いていて、私の頭の中にあったイメージをそのまま撮っていただいた感じです。ライブでは、歩いたりする振り付けもあって、みんなでワイワイして楽しめる曲になっています。

――「まあるいガラス」は、同じメロディが繰り返されていて、すごく耳に残ります。浮遊感のあるサウンドも含めて、面白い作りの曲ですね。

 これは他の曲とは少し色が違うんですけど、桑原さんがワンフレーズのトラックを作ってきてくれて、それを聴きながらその場でメロディを考えていく形で共作しました。歌詞は、もともとメモに残してあった歌詞があって、それが合うんじゃないかって。

――タイトルの「まあるいガラス」は、どんなイメージですか?

 「まあるいガラス」は、心の形を比喩していて。私が望んでいる心というのは、透明できれいで、まあるくて、でも、ちょっと脆いところもあるというものなので、それはガラスみたいだなと思ったんです。そういう心を、どんどん強化していくことで生きていけるという考え方もあるけど、私には、透明で脆いままで生きたいという願望もあるんです。そのままがきれいな心だから、なくさずに生きていっていいんだよっていう想いを歌にしました。

――いろいろな音が入っている楽しさもありますね。船や波の音も入っていて。

 船の汽笛は、サックスで鳴らしているんです。ライブでいつもサックスを吹いてくれている、王子さんが吹いてくれました。1曲目のクラリネットやフルートなど、今回いろいろ演奏してくれて曲の中でポイントになっていますね。

――「MoonLight」は、美しいピアノから始まるバラードナンバーです。歌詞には<ゆれる電車>というワードも出てくるし、先ほど話していた帰り道に作ったんですね。

 そうですね。歌詞は、携帯のメモに残すことが多いんですけど、これを書いた時は「気持ちが苦しいな」と思っていた時の帰り道でした。涙が出そうになるのを堪えながら電車の中で書いて、駅から家まで泣きながら歩いたという思い出があります。

――歌詞には<PM9:00の匂い>という表現も出てきます。

 実際に午後9時くらいでした。自分の中では、午後9時くらいの帰り道に感じる匂いがあって、それをどうしても他の言葉には置き換えることができなかったので、そのまま表現しました。

――きっと聴いた人それぞれで、違った匂いなんでしょうね。

 私の<PM9:00の匂い>は、草木の緑の匂いです。千葉県民だから、どうしても緑の匂いを感じながら帰ることが多くて。


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