歌手の森山愛子が5月8日、通算13枚目となるシングル「尾曳の渡し」を発売する。令和元年1発目のシングルは前作「会津追分」の好評を受けて、群馬県と栃木県を舞台に歌ったご当地ソング。「尾曳の渡し」は群馬を舞台とした大人のラブソング、カップリングの「喜連川」は森山の出身地である栃木県を舞台に、女性の未練をテーマとした切ない1曲に仕上がった。常にその時のベストを尽くすという森山に、今作のカラオケなどで歌うポイントや制作背景、「刺激を受けた」と話す映画『ボヘミアン・ラプソディ』についてなど、「新時代を駆け抜けて行きたい」と意気込みを語る森山に話を聞いた。【取材=村上順一/撮影=片山拓】

音楽の力を映画を通して知る事が出来た

森山愛子

――昨年の8月におこなわれたデビュー15周年コンサート『十五周年記念コンサート“夢街道まっしぐら”』なのですが、すごく盛りだくさんの内容で素晴らしいステージでした。終わった後、どのようなお気持ちになられましたか。

 やる前は早く本番にならないかなと思っていたので、終わってしまって「あ~終わっちゃった、寂しい」という感じと、すぐに「もう一回歌いたい!」という感情がありました。

――その寂しいという気持ちがすごく良いみたいですね、次もやりたいと思わせてくれると言いますか。

 そうですね。やっぱりソロコンサートは特別です。15周年ということと、私を観たいと思ってチケットを購入して、観に来てくれているというのもあって、思い入れも強いです。その期待に応えたい、期待以上のものを届けられればというワクワク感もあります。

――当時私は今まで演歌・歌謡のコンサートは見たことがなかったんですけど、森山さんのコンサートを観て、演歌を皆さんにオススメしたいなと思いました。

 本当に演歌ってすごく良いんですよ。日本人の方だったら年齢は関係なく演歌は良いと思ってもらえると思います。興味を持ってもらえる方が増えたら嬉しいです。

――改めて演歌の魅力はどこにあると思いますか。

 何かモヤっとした感じがあって、私はそこが良いなと思うんです。私も皆さんと同じようにJ-POPとかも聴くんですけど、メロディの良さだったり、自分と歌詞の内容が置き換えられるから聴くといった感覚があります。でも私の場合、演歌はフワッと聴きたくなるし、歌いたくなってくるんです。

――最近演歌を聴いていると歌いたくなる自分もいるんです。それで、難しさを痛感するんですけど…。

 演歌は確かに難しいんですよ。聴いた感じ簡単そうだなと思うんですけど、歌ってみると難しい曲がゴロゴロあるんです。

――森山さんが「この曲難しいな」と他の歌手の方で思った曲は?

 沢山あるんですけど、今パッと思い付いたのは三橋美智也さんの「哀愁列車」は気絶するほど難しいです(笑)。女性が男性の曲を歌うというのもキーが違うから難しいんですけど、三橋さんは声が朗々と浪々と出る方で、節回しも自由自在なので一見簡単そうに歌うんですけど、いざ自分が歌うとなると、もう難しくて。

――プロの方が言うんですから相当難しいんですね。さて、2019年に入って2月にインフルエンザになってしまったみたいですね…。

 そうなんです。中学生の時に一度罹ったことがあったんですけど、久しぶりになってしまいました。テレビなどで流行っているとは聞いていたんですけど、「自分は大丈夫でしょ」と思っていて…。そうしたら見事にウィルスに狙われて、39度の熱が出て5日間部屋に引きこもる生活になりました。なので福島のレギュラー番組『げっきんチェック』や、他にロケも入っていたんですけど、スケジュールを飛ばしてしまい、周りにすごく迷惑をかけてしまいました。

――大変でしたね。

 熱は次の日には下がったので大丈夫だったんですけど、そこから人に移さないように軟禁状態で、それが一番辛かったんです。なので、外に出れるようになって、嬉しくて2回目の映画『ボヘミアン・ラプソディ』を観に行きました(笑)。

――『ボヘミアン・ラプソディ』相当気に入られたんですね。

 結果的に3回観に行きました! クイーンというバンドの存在はもちろん知っていましたが、どういう曲を歌って活動をしていたかはよく知らなかったんです。曲が生まれる瞬間だったり、4人の意見が衝突するシーンだったり、一人では味わえない仲間同士ならではのシーンは刺激的でしたし、最後のライブのシーンでは「音楽でこれだけの人を沸かせる事が出来るんだ」と感動しました。音楽の力を映画を通して改めて知る事が出来ました。

――バンドをやってみたいと思ったりも?

 うーん…私はグループ行動が得意じゃないので、ソロで良いかな(笑)。

――今作のレコーディングにも映画の影響は出ていると思いますか。

 どうですかね? 体全部でぶつかる、全身全霊で歌うというところは出ているかも知れません。このレコーディングが終わった後、うな垂れるくらい力尽きました。

――今まではそこまで行ったことはなかったんですね。

 「疲れたあ」というのはあったんですけど、力尽きたというのは初めてでした。前作「会津追分」の時も難易度が高くて、歌い終わる度にヒィヒィ言って椅子に座ってしまうぐらいでしたけど、今作は座ることはなかったのですが、その時とはまた違う感じでした。気力で立って歌い上げたので、達成感もすごくありました。

――また違った力の使い方をされたんですね。ちなみにレコーディングは1日で2曲録るのでしょうか。

 そうです。アルバムの時でも1日に2曲ペースで録ることが多いです。1曲を集中してやっていると煮詰まってきてしまうこともあるので、2曲録るのが結構良いんです。

――ある歌手の方は1日で2曲とジャケ写、最後にプロモーションビデオ(PV)も撮ったと話されていたのですが、森山さんもそういったスケジュールはあります?

 私はないですね。最後のPVはすごく大変そう(笑)。私の場合、たまにオケ録りから始まって、そのあとすぐに歌入れというのはあります。

――すごく新鮮な状態でやるんですね。

 どちらでも大丈夫なんですけど、どちらかというと私の場合は日を置いて、自分の中で気持ちを整理する時間があった方が挑みやすいかなと思っています。

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