卒業コンサートに、平成最強のアイドルと呼ばれた指原莉乃の底なしのバイタリティを見た。

 昭和時代、大人気のアイドルは1時間も睡眠が取れなかった、という話をよく聞く。体力もそうだが、睡眠不足のなかで仕事をこなす気力は凄いものだと感じていたが、11年間のアイドル人生に終止符を打った指原莉乃にも感じるところがあった。

 28日、横浜スタジアムでおこなわれた指原莉乃の卒業コンサート。取材受付は午後2時半(カメラマン)。記者は少し早く着いたが、スタジアムからリハーサルの音が漏れていた。この日ゲスト出演したダウンタウンの松本人志は午後2時からリハをやっていたと明かしていた。きっと、この日午前からおこなわれていたのだろう。

 卒業コンサートは午後5時過ぎに開演。終了したのは午後8時半過ぎ。アンコールを含め全38曲が披露され、指原はそのほとんどの楽曲に参加。しかも、衣装チェンジは袴姿に始まり、ヒョウ柄のセクシー衣装、爽やかな衣装、フラメンコ、パステルカラーの衣装、ラストのドレスなどざっと数えても15回はあっただろう。

森保まどか、松岡菜摘とダンスを披露する指原莉乃

 開演前のアナウンスで指原は「とても緊張しています」と話していたが、参加楽曲数や卒業生の渡辺麻友、北原里英をはじめ柏木由紀、峯岸みなみら、更には松本人志とのスペシャル共演を考えれば、いくら何度も歌ってきた楽曲であっても“やること”が多く、緊張するのも同然だ。しかも自身の晴れ舞台。いろんな思いがこみ上げてくる。

 その指原はコンサートの序盤から涙。その後も何度も流していた。実のところ昼の段階から泣いていたという。

 アンコール終わり、地上から遠く離れたゴンドラから見るピンクのペンライトに染まる場内を見て「お願いがあって、黄色に変えてもらっていいですか?」と自身のカラーでもある黄色にペンライトを変えることを願う余裕もあった。黄色に染まる場内を見て「凄く綺麗」と感慨にふける指原。もしかしたらこの場面でようやく肩の荷が下りたのかもしれない。

アンコール全てを終え、ステージを後にする指原莉乃。その姿を地上から見送るメンバー

 観客が全てスタジアムから退場した午後9時ごろ。メンバーと共にグランドに立つ指原の姿があった。一行は花道で写真を撮り、更に、その花道を伝い、メインステージで再び記念撮影。肉眼でもはっきりわかる笑顔。疲れた様子はない。

 前日も同所で、国内のAKB48グループが総出演する『AKB48グループ 春のLIVEフェス in 横浜スタジアム』がおこなわれた。前日からの肉体的疲労もあるはずだ。しかもこの日のコンサート、ほとんどの楽曲に参加したことを考えれば、リハも含め踊り歌い続けているのは少なく見積もっても6時間。相当なものだろう。

 すべてを終え、指原が会見場に姿を現したのは午後10時過ぎ。報道カメラマンの撮影にピースなどで応じた。さすがにやや疲れが見られたがそれでも笑顔に努めた。その後15分に渡り質疑応答。最後に指原は「11年間お世話になりました。沢山の方の前で喋るのはこれで最後だと思います。皆さんの姿をしっかり記憶したい」と語り、しっかりとした足取りで会見場を後にした。

 自然と報道陣から拍手が起こった。卒業への祝福と労いがその拍手にはあったと思うが、ハードスケジュールのなかでも取材に応じた指原の敬意の表れただったようにも思える。

 テレビなどでも引っ張りだこ。それと並行してアイドル活動。しかも指原は劇場支配人を兼任。それだけではない。代々木アニメーション学院との共同プロデュースで=LOVEや≠MEも手掛けている。しかし、疲れを見せない。この日だけでも指原の底なしのバイタリティ垣間見た。まさに平成の最強アイドルと言われた指原莉乃の凄みを凝縮した日だった。【木村陽仁】

記事タグ