ロックバンドのストレイテナーが10日に、『21st ANNIVERSARY ROCK BAND 2019.01.19 at Makuhari Event Hall』をリリースした。メジャーデビュー15周年、バンド結成20周年を締めくくる、幕張イベントホールでのライブを収めたDVD、ブルーレイの映像作品だ。レア映像も含んだ149分、2枚組の大ボリュームの内容となっている。新曲や新たなステージングへの挑戦、秦基博の客演参加など、チャレンジングだった周年ライブの映像化について、ボーカルのホリエアツシにインタビュー。他にもライブへのこだわりや仕事論、次世代の音楽について、地元愛についてなど話は多岐に及んだ。【取材=小池直也/撮影=片山拓】

秦くんは安心感が違う

ホリエアツシ

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――このライブを今振り返っていかがですか。

 これにすごく賭けていたので、とてもほっとしています。肩の荷が下りた感じ。先のライブは決まっていますけど、今はそこまで次のことを決めずに自然にやりたくなることに向かって行ければなと思っています。このライブ自体、サブステージとかも入れてやってみたり、ゲストの秦基博くんを入れたり、初めてのことがたくさんあって大仕事でした。

 演奏しながら、常に張りつめていて。サブステージで緊張して、終わってひと息して、また秦くんを迎えて緊張して(笑)。意外とゆるい表情だなとか、意外とちゃんと歌えてるなとか思いながら、映像をチェックしていました。

――そのサブステージでの演奏は印象的なシーンのひとつでした。

 あれはライブが終わって、感想を聞いてからはじめて「やってよかった」と思えましたね。やっている最中は難しいなと感じましたから。自分が歌って、少し遅れて会場のスピーカーから音が出るので、混乱しないかなと不安感もありましたし。紙吹雪の演出とかも。でもあの場面がなかったらこのライブは成り立たなかったので、後からほっとしました。

 基本的にライブでは、自分の立ち位置から離れることないですから。距離が近いという意味では、ライブハウスとかの方が近いですけどね。でも今回は四方にお客さんがいるじゃないですか。ドラムのナカヤマくんが「基本後ろの方を向いてやろう」とMCしなかったら、もっとキョロキョロしてたんじゃないかなと思います(笑)。

 僕らはあんまりそういうこと(演出)をやってこなかったバンドですからね。でもストイックに演奏を見せてなんぼ、というのはこれまでにやり尽したのかなと。この辺で「こんなこともできますよ」というのを見せたかったんです。せっかく大きいところでやるんだし。

――映像で流れていた「VANISH」が音源から、そのまま生演奏になる瞬間は胸が熱くなりましたが、あの試みについても教えてください?

 めっちゃ難しかったですよ。僕は普段イヤモニ(イヤーモニター:耳で自分の音を聴く機材)を使っていないので、それも特別なことのひとつでした。だから音は聴こえているんですけど、自分たちの演奏と出音が一瞬ズレているのは気にならないわけがない。例えば「僕がここで手拍子をあおったら、音とズレたタイミングになっちゃうのかな」とか、やりながら思っちゃって(笑)。だからあおるのをやめちゃったんです。やってみてわかったことですね。

――ナカヤマさんに「バスドラ踏んで」と音を確認するシーンもありましたが、あれは不可抗力?

 そうですね。あれは音の設定ミスです。本当は「VANISH」を演奏している時に、どんな音が鳴っているのかよくわからなくなってしまったので、仕切り直すために耳のモニターの音量を調整させてもらいました。結果的にアットホームな雰囲気になりました。本当はカットしてもよかったんですけど、そういうところもせっかくだから収録しています。

――秦基博さんとのコラボレーションはようやく叶いましたね。

 「灯り」は発表してから1年が経ちました。ふたりだけでは今年1月に秦くんのステージで演奏していましたけど、バンドとしてはなかなか共演できなくて。やきもきしていたんですけど、逆にここで初披露できたのは意味があったなと思ってます。

 「秦基博とストレイテナー? なんで?」というリアクションもあったけど、お互いのファンが喜んでくれたのがよかった。楽曲の良さだと思います。音楽仲間からも「あの曲いいよね」と言ってもらえましたし。僕らだけでは届かないところまで、この曲で届けられた大事な作品です。それをやっと生演奏できて、成仏できたみたいな(笑)。

――その割には、演奏の緊密さとかボーカルお2人の連携が見事だった様な。

 秦くん自身はどう思っているかわかりませんけどね。彼もレコーディングの時に、僕ら4人が鳴らしてる音を聴いて「多分本人は気付いてないと思いますけど、独特なリズム感がある」と話してくれたんですよ。そういうところに一発聴いただけで気付けるところもすごいですよね。共演のリハーサルは2、3回。彼はソロシンガーで色々な人と一緒にやっているから、バンドのボーカリストが入るのとは安心感が違いました。

 秦くんの曲で「鱗」を選んだのは僕です。弾き語りのライブでもカバーもしていたので、バンドっぽいリズムでアレンジしたら本人も面白がってくれました。やっぱりアレンジするなら「確固たるものがある楽曲の違う面を見せたい」という気持ちがあったんです。秦くんとはもちろんまたやりたいですね。

 他の人とのコラボってやりだすと結構タフな仕事(笑)。去年は『ARABAKI ROCK FEST.18』で色々な人とセッションしたんですけど、相当大変でしたから。プロデュースとは違う責任感がありますし。でもバンドをこんなにやってきて、まだまだやったことのないことってあるんだなとも思いました。そういうことをむしろやっていかないと怠慢してしまう様な気も。

ホリエアツシ

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――「タイムリープ」のサビ前でスライサーのエフェクトをかけた様なところって、どういう風に演奏されたんですか?

 あれは同期(演奏と同時に鳴っている、あらかじめPCで打ち込んだ音源)に入っているんです。音源ではああいうアプローチが好きなのでこれまでも入れたりしてきました。過去にも生演奏のドラムと、PCで打ち込んだバージョンの2パターン作った曲もありますよ。基本はみんなでアレンジを考えている時にそこをどうするか話し合っています。たまに自分のなかで、がっつりとしたイメージがあった時はこちらから「ここは打ち込みで」と提案することもありますね。

 「Man-like Creatures」も打ち込みで作りました。アコースティックエレクトロみたいな感じから、トランスみたいに展開していくです。メンバーに伝えるのも、口で言ってもダメだと思ったので、デモ音源を作り込んでシェアしました。

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