アニソンシンガーのTRUEが17日、シングル「Blast!」をリリース。2014年のデビュー以降、数多くのアニメ主題歌を歌う一方で、唐沢美帆名義で作詞家としても歌詞提供をおこなってきた。2014年にTRUEとしてデビューし5年のキャリアの中で、もっとも深く携わってきたのがアニメ『響け!ユーフォニアム』シリーズだ。今作「Blast!」は、同シリーズの最新作『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』(19日公開)の主題歌として注目の楽曲。TRUE自身のデビュー5周年というタイミングとも重なったことで、「この5年の集大成とも呼べる楽曲になるように心がけた」と話す。楽曲に込めた思い、5周年にあたっての想いを聞いた。【取材=榑林史章】

上手く歌うことを意識せず思いを乗せた

「Blast!」ジャケ写

――アニメ『響け!ユーフォニアム』の舞台である京都で、聖地巡礼をしている様子がSNSで話題になっていましたね。

 聖地巡礼のつもりでもなかったのですが、京都には『響け!』のイベントや演奏会をはじめ、自分のライブやリリースイベントなどでもたくさん足を運んでいるにも関わらず、ゆっくり街を観て回ったことがなかったんです。一度ちゃんと観て回りたいと思って、お休みの日に朝6時の新幹線に乗って、上から下まで日帰りで堪能してきました。『響け!』の作中に出てくる名所にも行くことができました。宇治神社の鳥居が台風の影響で撤去されていて観られなかったのが残念でしたけど、通称「特別になりたい山」と呼ばれている大吉山には登れたので嬉しかったです!

――今回リリースする「Blast!」は、『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』の主題歌です。「DREAM SOLISTER」と「サウンドスケープ」に続く、『響け!』シリーズの主題歌として3曲目になります。

 『響け!』は、私のアーティスト人生を変えてくれた作品です。たくさんのご縁を繋いでくれた作品ですので、今後も大事にしていきたいと思っています。「DREAM SOLISTER」「サウンドスケープ」を上回り、なおかつ今の私自身とも寄り添った楽曲を作りたいと思い、スタッフ一同気合いを入れて制作しました。

――『響け!ユーフォニアム』は、高校の吹奏楽部を題材にしています。「Blast!」というタイトルからも、管楽器が吹き鳴らされた時の勢いが感じられます。

 「DREAM SOLISTER」では、タイトルに「誰もが夢の演奏者である」という思いを込め、「サウンドスケープ」は音のある風景という意味のタイトルでした。今回の「Blast!」は、直訳すると「爆音」や「爆風」といった意味があるのですが、スラングで「最高の時間」という意味もあります。私の中では、「音楽とすごす楽しい時間」というイメージも持って付けさせていただきました。

――歌詞は基本的に前向きで、たまには弱気になることもあるけど、それでも前を向いて歩いていくという力強さを歌っています。

 作詞の前に石原立也監督と1~2時間お話をさせていただく時間をいただいて、監督が思う作品の世界、楽曲に望むもの、私が書きたいことをディスカッションさせていただきました。監督からは「ただ熱いだけではなく、ちょっと力を抜いたところも表現できたらいいんじゃないか」とご提案をいただいたので、実際にそういうものになったと思います。

――<受け継がれてく想い>という歌詞も出てきて、劇場版の世界では卒業した先輩から後輩へ受け継がれる想いを表しているわけですが、TRUEさん自身として受け継がれているものは何ですか?

 私はデビュー5周年で、これまで多くの出会いや別れがありました。そもそも私を見つけてくださった方、デビュー当時に育ててくださった方から、今は違うスタッフに受け継がれています。常に周りが変化していて、その度にみんなが作ってくれたTRUEというアーティスト像を受け継ぎながら、新たなスタッフとの出会いによって塗り替えていくという部分もありますね。5周年の第一弾となる楽曲でもあるので、この5年の集大成とも呼べるものになるようにとの意識もありました。

――TRUE像を受け継ぎながら、みんなと一緒にTRUEというものを作っている、と。『響け!』でも、部活のみんなが先輩の思いを胸に、ひとつになって音を鳴らすところと合致しますね。楽曲はどのようにして?

 加藤裕介さんに作曲と編曲をお願いして、一緒に作っていきました。「DREAM SOLISTER」を作ってくださったのが加藤さんで、それを越える曲は、ご本人にしか作れないだろうと思って。前2曲を上回るためにはどうしたらいいか、ディスカッションを重ねて作っていきました。ボーカル録りにも立ち会ってくださって、本番のレコーディングでメロディが変わったということもありました。

 完成したトラックを最初に聴いた第一声は「なんて豪華なものをまた作っていただいたんだ!」というものでした。加藤さんの熱の籠もったディレクションが、音からも伝わってきました。そんな音の厚みに背中を押されて、「あとは自信を持ってマイクの前に立つだけだ」という気持ちになりましたね。

――TRUEさんの声はまっすぐで、まさしく管楽器の音がパーンと前に飛ぶような感じだなと思いました。

 ありがとうございます。あまりボーカル的なテクニックのことは考えないようにしようと思っていたので、きっと曲によって自然と引き出されたのだと思います。加藤さんがおっしゃってくれたのは、「歌が上手いのはもう分かっている。歌の上手さは大前提にして、上手く歌うことにとらわれず気持ちで歌うことが、この曲では求められているよね」ということsでした。多少のピッチのズレとかは気にせず、それよりもボーカルに思いが乗っているほうが、『響け!』の曲としてはよほど重要なんですね。だから、「とにかく上手く歌うな!」と(笑)。

――下手に歌えと言っているわけではないですよね。

 はい。ですが、気持ちを乗せれば乗せるほど、歌はブレる箇所が出てくるものなので、自分の中でのせめぎ合いはありましたね。でも、「上手く歌わなくていい」と言っていただいたことで、安心することはできました。

――MVは、働く女性を応援する感じのドラマ仕立てです。主人公の女の子は、女優の黒崎レイナさんが演じています。

 黒崎さんは『仮面ライダーエグゼイド』(テレビ朝日系)に出ていた方で、すごく可愛いんです! 私自身もオーディションの映像を観させていただいて、「絶対にこの子がいい!」と、お願いしました。

 ストーリーは、学生時代に吹奏楽をやっていた女の子が、社会人になって働いていて、ふとした時に自分が奏でていた音楽が勇気をくれる…というものです。私自身もそうですが、日常に音楽が散らばっていて、そこにある何気ない音符の連なりが、背中を押してくれたり元気や勇気をくれます。1人の女の子の日常にある、そういう音楽を上手く表現できたら、『響け!』の世界感とも通じるものになると思いました。きっと観てくださるリアルのみなさんと、『響け!』の世界のキャラクターとの、中間にあるようなドラマになったんじゃないかと思います。

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