挑戦だった「すき。ということ」

 この歩みのなかでリリースされる新曲「すき。ということ」。前作に引き続き自身で作詞した。この時期にぴったりな甘い恋心を、エレクトロ要素の入った明るいポップサウンドで表現した。また、歌詞や歌唱表現の変化も一部でみられる。

 気になるのはミュージックビデオだ。恋人と生活をしていくなかでの「日常」を切り取った。自身初のリップシーンのない、全編ドラマ仕立ての内容で、相手役を務めるのは塩野瑛久。2人の「間」や「空気感」、「表現力」を大事にするため、あえて台本にセリフはなく、監督自ら書き上げた物語・シチュエーションの設定のみ。

 板野はここでもナチュラルな演技を見せている。

 実在するかのような恋人同士のやり取り。YouTubeでは公開以降「“胸キュン”するMV」として話題を集め、再生回数は170万回を超えた。

 新曲への想い、そしてMV撮影秘話。ここからは一問一答形式で届ける。

板野友美

板野友美

――「すき。ということ」のコンセプトは?

 11枚目のシングルだったので、今までにやったことがないというか、ライブのことも考えて。可愛らしい恋愛曲が凄く好きなんですけど、自分の曲ではないなと思って。自分の作詞で可愛らしい乙女心を歌った恋の歌を書きたいなというのもずっとあったので、このタイミングでそういうのが書けたらいいなと。

――その時の気分が選曲にも影響しているという話が過去にありましたが、今回も自分と繋がる部分はあった?

 若い女の子が誰もが1回は憧れるような胸がキュンとする恋愛を描きたくて。ただ、みんなが共感してくれるような曲にしたかったので、あまり自分の恋愛観では描きたくはなくて。それこそ自分の10代の頃の気持ちも掘り下げて考えて。あと自分の好きな少女漫画や昔買った物が家にいくつかあって、それを全部最初から読んで「やっぱりキュンとする!」みたいな(笑)。周りの友達に、そのときの初々しい恋愛模様を聞いて「私もこんな思いをしたな」というのをメモして。それをもとに曲にしました。またこういう思いをしてみたいなという願望ではある感じで作詞しました。

――歌詞が可愛いですよね。

 ありがとうございます。私もそんな気持ちを思い返したいって(笑)

――<大きな背中>という歌詞の部分が良い表現だと思いました。

 この歌詞のなかで自分の恋愛観が表れているのは<大きな背中>ですね。今はそんなことはないけど、大きな背中フェチで(笑)。小中学生の頃は大きな背中の男の子が好き、みたいなのがあって。付き合うとかはなく、みんなで遊園地とかに行ったりするじゃないですか? そのときに「あの人大きな背中だな。カッコいい!」みたい、そんな気持ちを書いたんです。そういうのが好きだったので。

――歌い方も特徴がありますよね。特に<大きな背中>の「おおき」の部分の歌い回しは自分で?

 「ディレクションして頂いて。気持ちが乗ったというのもあるんですけど。こういうニュアンスにしたいというのはなかったんですけど、いい感じにハマったというか」

――全体的に自然に歌っているという印象を受けました。演技などはそうだというお話でしたが、この曲もなりきっていた?

 歌詞も自分で書いたのでこの曲を凄く好きになって、レコーディングのときはウキウキと恋をしている気持ちで歌ったからそういう表現ができたんだと思います。

――歌詞がストレートですよね。

 そうですね。オシャレ過ぎたりしないようにしたいと思ったし、若い女の子には特に共感してほしいと思った歌だから、そういう方に響くのは英語とかではなくて、それこそ一つの物語を読んでくれたような気持ちで一番伝わるように書いたので。オシャレっぽくするのっていくらでもできるんですけど、そうすると伝わるものも伝わらなくなると思って。

――歌詞のなかにいくつかありますが、「かな?」という疑問符で終わるのもいいですね。

 それは絶対入れたかったんですよ。歌詞を考えているときに、「だめかな」とか、全部「かな?」にしようと先に決めて物語を決めたんです。

――歌詞を書くということは難しいと思うんです。

 でも好きな歌だと凄く出てきます。メロディが良かったりとか、書きたいことがあったりしたら。私は歌詞を書くときにはノートに物語を書くように、曲を聴きながら自分が覚えている胸キュンなシーンを書いたりとか、漫画を読んで書きたいことを全部物語風に書いて、そのなかから譜割りによって「10文字だな」とか「5文字だな」とか思ったら、ここはこういう想いを書きたいということでその5文字を探す、みたいな感じです。そうやっていくとけっこうスラスラ書けます。そのときのときめきを思い出すために漫画を読むのに時間がかかって。でも歌詞は一日くらいで全部書き上げました。

――落とし込むことが得意なのでしょうね。それが演技などにも出ているのかと思います。台本も読み込むタイプでしょうか?

 読む方かもしれないです。好きなことってすぐに入ってきませんか? 私はこの世界観が凄く好きだったから漫画を読んでいる時点からウキウキと楽しくて、書くのも凄く楽しかったです。

――嫌いなことも好きになれる?

 いっぱい読んで好きなところを見つけたりしますね。

板野友美

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