Wakanaが20日、ソロ1stアルバム『Wakana』をリリース。12歳から声楽を学び、17歳から音楽活動をスタート。2008年に、先日解散を発表したKalafinaのメンバーとしてデビュー。今年2月に「時を越える夜に」でソロデビュー。1stアルバム『Wakana』は、武部聡志、Shusuiなどの作曲家に加え、MISIAの「Everything」を手がけた松本俊明や、中島美嘉の「雪の華」を生んだSatomi、松本良喜のコンビなど多彩な作家陣が参加。Wakana自身が、作詞を手がけた楽曲も多数収録。ソロとして歩みを始めたWakanaのどこか懐かしく癒やしのある歌声というポテンシャルが最大限に引き出されている。今回は彼女に新作についてインタビュー。自身が歌えるのは周りにいる人々やファンのお陰だと話し、「約束を持って生きなければいけない」と自身に課している彼女。歌詞に込めた想いなどを語った。【取材=榑林史章】

支えてくださるみなさんに“声”でお返し

「Wakana」通常盤

――昨年夏頃からソロでライブをおこない、今年2月にシングル「時を越える夜に」でソロデビューされました。今作『Wakana』は、ソロデビューアルバムになりますが、そういった流れを踏まえて、今はどんなお気持ちでしょうか。

 デビューシングルの「時を越える夜に」で、初めて作詞を経験させていただいたのですが、「もう二度と作詞はしない」と思うほど、その時は大変でした。でも同時に、まだ自分にやれることがあると思い知らされたし、今まで感じたことのなかった楽しさも感じて、もっと先の風景も観てみたいと思う気持ちが生まれました。今回のアルバム制作はどの行程を取ってもとても楽しく、それはきっと「時を越える夜に」の作詞で苦労したおかげだと思っています。

 アルバムの収録曲を考える中では、自分が歌ってみたい曲、この曲は自分で作詞をしてみたいとか、自分自身の思いを込めることができました。そこから結果として曲が集まりレコーディングして1枚を通して聴いた時には、別々の曲だと思っていたものが不思議と一つにまとまった感じがあって。私のことを知らない方にも聴いて欲しい、私のことをもっと知って欲しい。そうした気持ちを込めて、わかりやすく『Wakana』と、自分の名前をタイトルに付けさせていただきました。

――このアルバムは、いつくらいから準備をしていたのですか?

 昨年の夏に初めてのオーケストラのみなさんと一緒にコンサートをおこなわせていただいて、そのときにお披露目したのがソロデビュー曲「時を越える夜に」です。その「時を越える夜に」の制作において、同曲の作曲に加わっているShusuiさんたちと、いろんな曲を制作させていただいていました。

 また、昨年秋のツアーでも、音楽監督の武部聡志さんから「ライブのために曲をたくさん作ろう」と声をかけていただき、夏の間にたくさん楽曲制作をして、「僕の心の時計」や「翼」などが生まれました。この約1年、そうやって流れの中で、たくさんの曲に触れさせていただきながら、曲を作らせていただいていました。もちろんアルバムのために、新たに作らせていただいた曲もあります。

――Wakanaさんがソロをやる上で、自分がやる音楽についてはどんな風な考えを持っていましたか?

 ソロをやる上で、最初にShusuiさんから「どんな音楽がやりたいの?」と聞かれました。その時は「自分では選べないです」と答えたのですが、ありがたいことに「じゃあ、みんなでそれを探っていこう」と言っていただきました。主体性がないと言われればそうなのかもしれませんが、周りの方から薦められるものを素直に受け入れ、たとえ失敗しても経験だと思って、何でもトライしていきたい。そんな考えです。実際にいろいろなタイプの曲をたくさん歌わせていただきながら、昔なら敬遠していた楽曲にも挑戦することができました。私を支えてくださるみなさんからの期待に、しっかり“声”でお返しながら作ることができた1枚だと思っています。

 もしかしたら、「いい意味で今までと変わり映えしないよ」と言っていただけるかもしれませんが、私としてはどの曲もとても新鮮で、毎回大きな挑戦でした。以前との劇的な変化ではありませんが、今まで出したことのなかった音域を出したり、今までやったことのなかった手法をやったり、自分自身で作詞を手がけたこともそうです。そういう小さい変化の積み重ねで、私が一生歌い続けるであろう曲が、またこんなに増えましたという感覚です。

――Wakanaさんの声は、丸みと包容力があり、どこかクラシック音楽のような要素も感じさせます。Shusuiさん、武部さんをはじめとした作曲家のみなさんは、Wakanaさんの歌声を楽器のひとつのように捉えて、その声質を活かした曲作りを考えてくださったのでしょうね。曲によってフォークやラテン、歌謡曲、ニューミュージックのテイストがありますが、全体にどこか懐かしさみたいなものも感じさせます。

 たとえば「瑠璃色の空」や「Hard Rain」は、どことない懐かしさがありますね。みなさん「シティポップ系の楽曲だ」とおっしゃってくれるのですが、きっとそれが私に合うと思って、敢えてそういうムードで作ってくださっている部分もあると思います。シティポップの楽曲は、今まで聴くことはしていましたけど、それを歌う楽しさを知りませんでした。なので、今回チャレンジさせていただいて、とても新鮮で楽しかったです。特に「瑠璃色の空」は、歳上の男性の方からの評判がよく、そういう年齢層に届けることも大事だと思いました。

――「金木犀」もいいですよね。どこか和の雰囲気があり、別れの切なさが感じられます。

「Wakana」初回限定盤B

 私も好きです。「金木犀」は、女性の反応がいい楽曲です。作曲が松本俊明さん、編曲が坂本昌之さんなのですが、おふたりによる音が、そういうイメージを触発させるのだと思います。メロディから触発された歌詞なので、松本さんが描いたものを私が拾い集めて形にしなければいけないという気持ちで作詞しました。

――どうして金木犀が出てきたんですか?

 曲を聴いて懐かしさを感じたので、花の香りによって懐かしい記憶を思い出す、ということを表現したくて。それで、ふわっと香るけど力強い香りのする花ということで、金木犀が出てきたのかな、と。自分のなかで、忘れなければいけない恋みたいなところにアプローチしてみたいと、そのときの自分は思ったのだと思います。

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