シンガーソングライター・ギタリストのReiが3月15日、東京・恵比寿LIQUIDROOMで全国ツアー『Rei Release Tour 2019 “Rei of Light”』のツアーファイナルをおこなった。ツアーは昨年11月にリリースした1stアルバム『REI』を引っさげて、2月1日の静岡・浜松FORCEを皮切りに全国10公演をおこなうというもの。『REI』からの楽曲を中心に「BLACK BANANA」などアンコール含め全17曲を披露。オーセンティックなロックサウンドで会場を席巻し、更に進化したソウルフルなパフォーマンスで魅了した。そのライブの模様を以下にレポートする【取材=村上順一】

恵比寿LIQUIDROOMは一つの目標

Rei(撮影=Stephen Jackson)

 この日のチケットはソールドアウト。恵比寿LIQUIDROOMには幅広い年齢層のオーディエンスが集まっていた。ロックミュージックの過渡期を体験してきたであろう人の姿も見え、それはReiの奏でる音楽に当時の音楽の匂いみたいなものを感じるからではないだろうか。

 会場のBGMにはReiが自らセレクトした楽曲が流れ、ライブへの高揚感を高めてくれる。開演時刻になり会場が暗転すると、ラウドなキックドラムが鳴り響き、音とシンクロし照明が点滅。その中をサポートメンバーの渡辺シュンスケ(Key)、真船勝博(Ba)、山口美代子(Dr)の“Rei and the Moonlights”と名付けられた3人がステージに登場。その後にこの日の主役であるReiが登場しステージ中央で、ストラトを抱えスタンバイ。

 ツアーファイナルはアルバムでも1曲目を飾る「BZ BZ」で幕は開けた。エレクトロニックなサウンドと、歪んだギターサウンド、そこに乗るReiの情熱的な歌声の融合で、一気にオーディエンスの心を掴んだ。続いて最高にファンキーな「My Name is Rei」でクールでソリッドなギターカッティングを聴かせ、続いての「MELODY MAKER」では、Reiも体を弾ませながら楽しむ。

 タンバリンを首に掛け、叩く姿が印象的だった「JUMP」とセットリストが進むに連れ、ステージ上の4人の繰り出すサウンドによって、フロアの熱気がどんどん上昇していくのが感じられる。その熱気に応えるかのように“Rei流”サーフロックナンバー「Follow the Big Wave」を投下。ノスタルジックなサウンドを現代にアップデートした演奏で魅了。

 Reiが「一緒に歌って!」と投げかけ<シンプルに生きよう>という歌詞が胸に響く「Arabic Yamato」。Reiの愛が詰まった楽曲で、心地よい空間を作り出しオーディエンスを扇情させる。続いてギターをリッケンバッカーにチェンジしスペーシーなサウンドが特徴的な「Dreamin’」で夢の世界へといざない、爽やかな風を運んできたReiの新境地の1曲とも言えるポップネスな「Silver Shoes」、そして、レイ・チャールズの「Hit The Road Jack」を彷彿とさせるジャジーなナンバー「Tumblin’」では、真船はコントラバスに楽器を変え、心地良いウォーキングベースを奏で、ReiはフライングVでロックのアティチュードを感じさせるギターソロで楽曲を彩った。昨年リリースされたEP『FLY』から「New Days」を演奏。ストレートに突き抜ける歌と感情の赴くままに表現するギターのコントラストで聴かせ、フロアを盛り上げ、幅広い音楽性を見せた。

 MCでは1つの目標だった恵比寿LIQUIDROOMをソールドアウト出来たことの喜びを伝え、集まったオーディエンスに感謝を伝えた。そして、今回のサポートメンバーは憧れのミュージシャンということもあり、一緒に演奏するプレッシャーもあったという。しかし、3人がフラットに接してくれたことにより肩の力も抜け、「すごく楽しかった!」と、このメンバーと回ったツアーの充実度が伝わってきた。

10回目の『Reiny Friday』の開催を発表

Rei(撮影=Stephen Jackson)

 ライブも後半戦へ突入。「The Reflection」、「COCOA」とノリノリのナンバーを立て続けに披露。そして、ステージが真っ赤に染まり、Reiと真船よるソロバトルから、盛り上がり必至のナンバー「BLACK BANANA」へ流れ込み、アグレッシブなサウンドで会場を席巻。間奏では渡辺がミニキーボードでステージ前方でソロプレイで盛り上げた。

 続いて、ギターをファイヤーバードにチェンジし、ドラムのスネアの連打に合わせReiのギターもシンクロ。雷鳴のようなサウンドと稲光のように点滅するライティングの相乗効果で煽り、「LAZY LOSER」を投下。途中、クラップとシンガロングで一体感を作り出し、徐々に音が重なり感情を揺さぶりかけるなか、ライブはクライマックスを迎えた。

 アンコールに応え、ステージにReiとサポートメンバーが再びステージに登場し、7月5日に自主企画イベント『Reiny Friday -Rei & Friends- Vol.10 Celebration!』の開催を発表。記念すべき10回目のゲストはReiが10代のときから聴き続けてきた山崎まさよしに決定。歓声が沸き上がるなか、アンコールは「PLANETS」を披露。音源よりもワイルドで心地よい歪のギターカッティングに心奪われれ、4人のグルーヴに有頂天。

 Reiの歌声もエモーショナルに響くなか、1stアルバム『REI』が今夏、Verve Recordsよりインターナショナル盤としてリリースされることを報告。そして、山口のドラム・ソロで盛り上がるなか、Reiはメインステージから離れ、フロアのサイドに設置されたミニステージで熱いギターソロとコール&レスポンスを展開。そのパフォーマンスにフロアもさらにヒートアップするなか、ハピネスに満ちたライブは大団円を迎えた。

 会場には彼女の原点であるクラシックギターの音色が安らぎを与えてくれる「before sunrise」が流れ、ライブの余韻に浸らせてくれる。しかし、鳴り止むことのない手拍子にReiがステージに再び姿を見せた。このツアーをサポートしてくれたスタッフやオーディエンスに改めて感謝を告げ、「7月にまた会おうね」と言葉を残し、希望という未来への光を感じさせた『Rei Release Tour 2019 “Rei of Light”』の幕は閉じた。

 ReiはこのライブのMCでこの恵比寿LIQUIDROOMは一つの目標だったと話した。今その目標に辿り着き、満員のオーディエンスの前でパフォーマンス出来る喜びを、歌と演奏で表しているかのようなステージ。愛と衝動に満ちたライブが今後どのような変化を見せていくのか期待が高まった。

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