大阪で結成された“エレクトロダンスロック”を提唱する6人組バンドのFABLED NUMBERが3月8日、東京・TSUTAYA O-WESTで全国ツアー『FABLED NUMBER presents 「Millionaire Tour」~銭、もろてもええですか?~』の東京公演をおこなった。ツアーは1月23日にリリースされた、メジャー3枚目となるアルバム『Millionaire』を引っさげて2月3日の神戸・太陽と虎を皮切りに6月13日の大阪・心斎橋BIGCATまで全18公演おこなうというもの。この日はXmas Eileen、バックドロップシンデレラと対バン。お互いの演奏で高めあい最高の空間を作り上げた。そのもようを以下にレポートする。【取材=村上順一】

形振り構わぬパフォーマンス

N’Eita(撮影=ゆうと。)

 今年の小媒体のインタビューでN’Eita[Gt/Vo]が、デビューから2年間の葛藤が『Millionaire』には詰まっていると話していたのが記憶に新しい。その葛藤のひとつにライブがあったという。その中で「ツアー初日でファイナルと同じくらいのレベルで出来たら、本当のファイナルはどうなっているのかというワクワク感がある」と、このツアーへ掛ける思いに、いつもとは違う雰囲気を感じさせてくれた。

N’Taichi(撮影=ゆうと。)

 その話を思い出しながら訪れたツアー4本目となる東京公演は、バックドロップシンデレラとXmas Eileenが大いにフロアを盛り上げ、既に会場はヒートアップ状態。その2バンドの熱を受け継ぎ、今回の主役であるFABLED NUMBERの出番。「The World's End」をSEに、宗光-Rodriguez[Samp/Prog]とN’Taichi[Ba/Cho]がまずは先陣を切ってフロアを煽り、全員のスタンバイが完了し、オープニングナンバーはニューアルバムから「The Wall」。序盤からクラウド・サーフィングも巻き起こり、ライブは最高のスタートを切った。

宗光-Rodriguez(撮影=ゆうと。)

 「Don't let me go」を終えこの日最初のMCでEitaは、「おおきにどうもありがとう」と、このツアーに来てくれたオーディエンスに向け、何度も感謝を告げる姿が印象的だった。MCに続いて届けられたのは、自分たちのやりたいことと世間が求めるものという、もうひとつの葛藤から生まれた原点回帰の1曲「I Bet My Life (or Death)」を投下。様子見なんかいらない、アクセル全開のロックアティチュードに満ちたパフォーマンスにオーディエンスも手を掲げ、バンドの熱量に応える。

Chii,pucchi(撮影=ゆうと。)

 アルバムのラストを飾るパワーロックチューン「Be Louder」、そして、Eitaお気に入りの曲で、インタビューでも「ライブでやったらもっと良くなる可能性を秘めた1曲」だと語った「Crush Out」と、ニューアルバムから立て続けに披露。バンドが放つラウドなサウンドに乗って、感情をぶつけていくEita。ハンドマイクということもあり、グルーヴに乗って体の動きでも楽曲を自由に表現していく。

 インディーズ時代からの人気曲「AAO」へ。Eitaに続き、オーディエンスのシンガロングが響き渡るライブならではの一体感。その中でのEitaの振り切り方は以前とはまた違ったものになっていた。自身を解放するかのようなパフォーマンス。続いての「MOVE」はエッジの効いたMako-Albert[Gt]のギターとゴリゴリのTaichiのベース、轟くMr,Donuld Betch[Dr]のビートで会場を席巻。宗光がステージ前方に赴き煽りまくった「Nothing to Change」で、さらにフロアとステージの垣根を壊していくようだ。

自分をさらけ出すしかない

Mako-Albert(撮影=ゆうと。)

 ここから後半戦へ。バンドの中でもメロディアスで幻想的な雰囲気すらも漂わせる「夜の鼓動」や「We don't care what you break my mind」で、景色を変えて楽しませてくれた。エモーショナルなナンバーで内面から熱いものを呼び起こすようなパフォーマンス。

 Eitaは「今やれることは自分をさらけ出すしかない。ステージに立って嫌われてもいい、ただ好きになってもらえるならば、一番好きになってもらいたい。そういうステージをこれからやっていこうと心に誓ってステージに立っています」と想いを赤裸々に話す。嫌われたくない、良く見られたい、それは人間誰しもが持っている感覚のひとつ。その偽善とも言える姿を脱ぎ捨て、本当の自分をさらけ出す――。ここまでのパフォーマンスを見ればこの言葉の意味が十二分に伝わってきた。

Mr,Donuld Betch(撮影=ゆうと。)

 ライブはラストスパートに突入。電光石火のナンバー「Like a Thunder」ではイントロからシンガロングが響き渡り、Eitaも張り裂けんばかりの歌声を響かせる圧巻のパフォーマンス。Eitaは「おまえ達のカッコいいところ見せてくれ。中途半端はいらない」と投げかけ始まった「YES」では、オーディエンスもモッシュピットで、バンドの放つエネルギーに身体で応える。バンドとオーディエンスによる全力と全力のぶつかり合いで生まれる景色がここにはあった。

 本編ラストはFABLED NUMBERらしさがあふれた1曲「Up All Night」。サビでは無条件に両腕を天高く伸ばしたくなるナンバーだ。激しいだけではない、異なる感情を訴えかける3曲を畳かけ、メンバーはステージを後にした。

 「アンコールは感謝の時間にしたい」というEitaの言葉から「Two」、そして、ニューアルバムからMakotoが原曲を制作した「Flames」と立て続けに披露。Eitaは今日参加してくれた、バックドロップシンデレラとXmas Eileenに感謝を告げ、Chii,pucchi[Key]のピアノの音色が印象的に響くエモーショナルなるなラウドチューン「The King」で締めくくった。

FABLED NUMBER(撮影=ゆうと。)

 まだツアーは序盤戦だが、ツアーファイナルかのような形振り構わない、良い意味でタガが外れたパフォーマンスは多くの人の心を掴んだのではないか。決して破れかぶれではない、感情を放出した限界突破のステージ。果たして、ファイナルのBIGCATではどのようなステージを見せてくれるの楽しみだ。

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