あんにゅと小幡康裕によるユニット・コアラモード.が3月6日、7枚目となるシングル「ビューティフルデイズ」をリリース。昨年は2ndアルバム『COALAMODE.~街風泥棒~』をリリースし、夏にはツアーもおこない活発に2018年を駆け抜けたコアラモード.また、SNSアプリ「TikTok」で3年前にリリースした3rdシングル「さくらぼっち」を使用した動画が8万5000件以上投稿され話題となった。2人は次のステップに向かうべく様々なことを話し合い、やりたいこと、面白いことに挑戦していく新プロジェクト『Coalamode.Labo 2018→2019 ~あれもShow! これもShow!~』を立ち上げ、2人だけのライブ『ONLY TWO!! 2019』など実施。その中で読売テレビ・日本テレビ系アニメ『逆転裁判 ~その「真実」、異議あり!~ Season 2』エンディングテーマとして現在OA中の「ビューティフルデイズ]を制作。大切な記憶をテーマに生のストリングスが壮大なスケール感を打ち出した渾身のバラードに仕上がった。その制作エピソードやこれからの展望など2人に話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

時を隔てても褪せない曲を

あんにゅ

――去年2ndアルバムを出して、ツアーもおこなってと駆け抜けてきた感じがありますが、2018年を総括すると?

小幡康裕 とにかく2ndアルバムを上半期にもの凄い勢いで作って、それを広める旅に出て…下半期は2019年に向けての準備という感覚もありました。『Coalamode.Labo』という新しい試みが始まったり、どんなことをしたら次のコアラモード.にみなさんが喜んで意外性、良い意味での驚きを持ってくれるのか、そういうことを準備しながら考えていました。

――そういった準備をしていた最中にTikTokで「さくらぼっち」がバズりましたね。

あんにゅ びっくりしました。去年の10月くらいに色んな人から「『さくらぼっち』いいよね」みたいな連絡が来て、「何で今『さくらぼっち』を褒めるんだ?」と思って(笑)。何でだろうと思ってSNSを見ていたらTikTokをやっている人が沢山いて「何で私達知らなかったの?」みたいな。その状況に遅れて気が付いたんです。昨年秋にこうして花開いたので今年の春にも、もう一咲きして欲しいなと思っています。

――「さくらぼっち」が本領を発揮するのはこれからの時期ですよね。また一盛り上がりありそうですね。こういう風に昔の曲が出てくると、曲って色褪せないなというか、聴いてくれる人は聴いてくれて、こういうきっかけでまたみんなが知ってくれるのは嬉しいですね。

あんにゅ TikTokを利用している層が小中高学生くらいが多くて、「さくらぼっち」という曲も学生さんの恋の歌であるので、一番届いてほしい所にTikTokを通して届いてくれたんだなと思って私達は嬉しく思っています。3年経ちましたけどちゃんと届いてるんだなとホッとしました。

小幡康裕 全く予想できなかったですし。時を隔てても褪せない曲をこれからも作らないとなと思いましたね。

――さて、新曲「ビューティフルデイズ」はTVアニメ『逆転裁判 ~その「真実」、異議あり!~ Season 2』エンディングテーマとして流れていますね。作品を観てから曲を作り始めたのでしょうか。

あんにゅ 実はアップテンポの曲など何曲か作って、その中から「この曲がいいですね」ということで選ばれたのが「ビューティフルデイズ」だったんです。

――出だしの<始まりは逆光の中 手探りで 触れた指>というのが世界観があっていいですよね。

あんにゅ ちょっと覚え辛いメロディかなと思って。最初は、この曲は今までのコアラモード.にしてはというか。いつもキャッチーなものを出していこうということを意識していたので。そこを考えると今までの曲とは違うという印象が私達の中ではありました。

――作り方を変えたということはあったのでしょうか?

あんにゅ この曲は2013年くらいに私が一人で弾き語りをしていた時に出来たメロディなんです。

小幡康裕 最近意外とそのパターンがあって。前作「花鳥風月」も過去に作ったメロディから引っ張ってきてたり。今作も『逆転裁判』というアニメに向けて曲を書こうとなったときに、昔作ったメロディを一通り聴いてから制作に入った感覚もあります。そのメロディに引っ張られて“ビューティフルデイズ”という言葉が出てきたんです。

あんにゅ もともと「みんなさみしいんだ」という仮タイトルでした。ちょっと寂しい歌詞だったんですけど、そうじゃなくてもっと前を向いて行けるメッセージをメロディに流し込んでいこうと言って、切なさもあるんですけど、小幡さんと一緒に作っていきました。

――歌詞は共作ですね。

小幡康裕 「ビューティフルデイズ」と「カンパイ!」に関してはあんにゅがベーシックを作って、僕はミーティングをしながらアドバイスをしたぐらいですけど。主観と客観とで今回作りました。

――サビはわかりやすいですし、Aメロは物語が始まるかのような幻想的でMVに合っているなと。撮影はどちらで?

あんにゅ 千葉県の森です。天気に恵まれまして。トラブルもなくて良かったです。

小幡康裕 アーティスト写真もその日のうちにいっぺんにやるんですけど、MV撮影の合間にアーティスト写真を(笑)。

――その日は忙しいですね。映像は“ビューティフルデイズ”という言葉にすごく相応しいものになりましたね。

あんにゅ 監督さんがこの曲を聴いて色々考えてくださったんです。最初はどういうセットのお写真を拝見させて頂いたときは「カワイイ」という印象しかその時はなくて。でも「この思い出の温かさ、人の温もりみたいなのが感じられたらいいです」と監督さんにお話しさせていただいて、額縁があって「ビューティフルデイズ」を切り取っていく、イメージ通りのもの凄く温かくて優しいMVになりました。

――サウンドについてですが、今回は生のストリングスということで、これはインストゥルメンタルも入れたくなるのがわかるなと思いました。

小幡康裕 そうなんですよ(笑)。今回のデモは最後まで作り込みました。ストリングスは譜面に書いた通りやっていただいたんですけど、リズム隊のみなさんには、このデモはひとつの別解釈として捉えて、仮歌に寄り添うかたちで、「みなさんの解釈で演奏していただきたい」というお話をさせていただきました。プレイヤーのみなさんそれぞれの解釈でセッションする形でレコーディングしたんですけど、それが凄く良くて、レコーディング・マジックが起きたなと思っています。なかでもドラムが村石雅行さんなんですけど、村石さんの叩くバラードが僕達大好きなんです。

あんにゅ 村石さんのドラムは言葉の一つひとつに寄り添ってくださるので、本当に素晴らしかったです。通常は「ボーカルが引っ張っていかなきゃ」って思うんですけど、村石さんが導いてくれたというのがこの曲にはあります。サウンドに助けられた部分が大きいくらいです。もともと部屋で私が小声でボソボソ歌っていました(笑)。なので、出来上がりもミニマムな仕上がりになるだろうと想定して作っていたので、ここまでストリングスが入って壮大になるとは思っていなかったんです。

――イメージを超えてしまったんですね。

あんにゅ それもあって最初はちょっと歌うのが難しかったんです。でも生のバンドに差し替えてからは「こう歌えばいいんだ」ということが一気にわかるようになりました。音数も少ないので、Aメロとかの歌い方も声があまりにも聴こえてくるので、そういう意味でも歌っている印象が違ったのではと思うんです。

――さて、歌詞に<時計の針を戻せるなら>とありますが、もし時計の針を戻せるならどこまで戻しますか?

あんにゅ 今は戻したいと思わないくらい幸せなんですけど、やっぱり亡くなった祖母であったり、会いたい人はいますね。そこに行って「今私はコアラモード.というユニットでメジャーデビューしてお仕事をさせてもらってるよ!」ということを伝えたいです。私だったらそう思うんですけど、この曲を聴く人それぞれに会いたい人とか思い出がきっとあるので…。

――小幡さんはどこまで戻したいですか?

小幡康裕 本当に何げない記憶が尊いなと最近思っていて。それこそ実家も出て一人で暮らしていますけど、小学校の頃とか土曜日に帰って、父親も姉達もいて、そこでみんなで食卓を囲んでご飯を食べるみたいな。MVのなかで額縁を持って様々なシーンを何げなく切り取っているような、そういう一個一個の断片、一つひとつが僕にとっては「ビューティフルデイズ」だと思います。戻ってみたいなという過去への執着みたいなものを持つときもありますけど、この曲の最終的なテーマはそれを背負って今を生きていこうと、最後の「ありがとう」という言葉で結んでいるところにあると思います。ポジティブな歌だと思います。

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