シンガーソングライターの片平里菜が2月24日、東京・Zepp DiverCityでワンマンライブ『片平里菜 live 2019「fragment live darling & honey」day2 honey』をおこなった。デビュー5周年を記念し昨年11月にリリースされたベストアルバム『fragment』を引っさげて、10日に大阪 なんば Hatchで開催された『day1 darling』と24日の『day2 honey』の2公演をおこなうというもの。この日は「誰にだってシンデレラストーリー」や新曲の「sunny」などアンコール含め全19曲を披露した。その模様を以下にレポートする。【取材=村上順一】

ここから新たな始まりを見てもらいたい

片平里菜(撮影=ヤオタケシ)

 多くのオーディエンスがこのライブの始まりを静かに待ちわびる。開演時刻になり暗転するとアコギをフィーチャーした爽やかなSEに導かれるようにサポートメンバーに続いて、片平が衣装をなびかせステージに登場。片平の合図でオーディエンスもスタンディングし「baby」でライブの幕は開けた。序盤から突き抜けるような力強い歌声が会場に響く。「楽しんで行きましょう!」と手拍子を煽り届けられたのは「HIGH FIVE」。活き活きと体を弾ませながら歌う片平の姿が印象的だった。

「この5年間の楽曲たちを今の自分の歌い方で、みんなに届けたいと思います。とにかく楽しいライブにしたいと思っています」と久々のワンマンへの想いを告げる。

 サポートメンバーを紹介し「頑張っている人に向けて歌います」と「誰もが」を披露。しっかりと地面に根を張るような、どっしりとしたサウンドの上で、背中を押してれるような歌声を届ける片平。続いてのミディアムナンバー「結露」では歌のトランジェントを変え、様々な表現力で聴かせてくれた。このセクションには強さと弱さという対照的な一面を打ち出しているようだった。

 「ヨッシャー!」と気合い十分の声から「Oh JANE」へ。そして「みんなであったかいお家を作りたいと思います」と投げかけ、カントリーの要素も感じさせるナンバー「Come Back Home」。マイクを指揮棒のように振り、それに合わせオーディエンスもシンガロング。温もりを感じさせる歌声に包み込まれる心地よい空間が広がった。続いて、幻想的なシンセパッドが流れ始まったのは「異例のひと」。暖色系のライティングに吸い込まれそうな中、透明感のある歌声を届けた。

 ここで弾き語りで「ラブソング」を披露。歌とギターのみの最小限での表現は我々との距離をグッと縮めてくれる。片平は「弾き語りになると1対1、ステージ対大衆という感じになります(笑)」と話し、東京という街でどうやって力を発揮できるかを模索し、悩んでいる時に辿り着いた答えのひとつだという「なまえ」を披露。急遽、生歌で届けたいとマイクを通さず歌唱。乾いたアコギの音は、彼女の声に寄り添うように一体となった姿を見せてくれたが、出だしのワンフレーズで演奏を止め「端っこまでいっていない気がした…」と、再びマイクを通し仕切り直した。

 バンド編成に戻り中盤戦へ。片平は「ここから新たな始まりを見てもらいたい」と話し「始まりに」を披露。前へ進んでいくんだという強い意思と決意に満ちた歌を放つ片平。そして、片平のエレキギターのストロークから「小石は蹴飛ばして」、「誰にだってシンデレラストーリー」から「女の子は泣かない」へと畳み掛ける。女性の本音が詰まったキャッチーなナンバーで、「東京の声を聴かせて下さい」と投げかけ、オーディエンスもシンガロング。ブギー・チューン「BAD GIRL」ではロックな片平120%を堪能。なかむらしょーこ(Ba)、村山☆潤(Key)、浜 公氣(Dr)、山本幹宗(Gt)と個性あるれるソロから片平のシャウト、そして、オーディエンスとのコール&レスポンスと盛りだくさんな楽曲構成で盛り上げた。

日常に寄り添えるような曲を作っていきたい

片平里菜(撮影=ヤオタケシ)

 ライブはラストスパートに突入。盛り上がり必至の「Party」、オーディエンスも腕を掲げステージから発せられるエネルギーに応える。片平は「直接会ってみないとわからないことってたくさんあって、ネットは便利なツールではあるんだけど、ダイレクトに伝えられるっていいなと思いました。もっともっといっぱいみんなと会える時間を増やしていきたいな。音楽を続ける為に環境を変えましたが、これからグワーっとやりたいと思うので宜しくお願いします!」と意気込みを見せ、「福島を想像して、そこから広がる海、そして、もっと大きな地球の事を考えて書きました」とこの曲の制作背景を語り、東日本大震災の時に書いたという「心は」を本編ラストに届けた。感情を放出するかのような、慈愛に満ちた歌声が会場の隅々まで浸透していくのを感じさせた。

 アンコールを求める手拍子。再びステージに片平とサポートメンバーが登場。「新曲やっても良いですか?」と、投げかけ届けられたのは「sunny」。晴れ渡る夏の空を想起させる軽快な8ビートに、サビでのファルセットを使った爽快な歌声が印象的で、これからの季節にぴったりなナンバー。心躍らせながらも、新曲ということもありじっくりと聴き入るオーディエンス。

 ここで、5月11日、12日の2日間、東京・新宿BLAZEでワンマンライブ『sunny to bloom』の開催を発表。さらに水面下で曲もたくさん作っているとファンには嬉しい報告。「次の時代に私の歌がどれだけ届くのかわからないけど、変わらず日常に寄り添えるような曲を作っていきたい。日々楽しく、苦しいことも乗り越えて生きて下さい」と、話しラストは「あなた」を披露。丁寧に語りかけるよう歌う片平の歌をオーディエンスもしっかりと受け止め、新たなスタートを感じさせた「fragment live darling & honey」は大団円を迎えた。

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