Yasei Collectiveが15日、東京・恵比寿LIQUIDROOMで対バンイベント『Yasei Collective presents“Hunting Hour”vol.2』をおこなった。昨年11月に別所和洋(Key)が抜けた3人体制での初ステージ。難曲ぞろいの楽曲をどう3人で演奏するのかにも注目が集まっていた。昨年2月におこなったvol.1では、SPECIAL OTHERSを迎えた。この日の対バンは、ELLEGARDENの生形真一とストレイテナーの日向秀和も所属する4人組バンドNothing's Carved In Stone。異色な組み合わせではあるが、音楽がつないだこの2組のそれぞれの持ち味を堪能できるイベントになった。豪華なセッションも実現した、この日の模様を以下にレポートする。【取材=小池直也】

Nothing's Carved In Stone

Nothing's Carved In Stone(撮影=TAKAHIRO TAKINAMI )

 この日の先攻はNothing's Carved In Stone。メンバーの村松拓(vo,gt)、生形真一(gt)、日向秀和(b)、大喜多崇規(dr)がステージインして「Like a Shooting Star」の各楽器が連打するイントロが始まった。ファンキーなリズム隊も聴きごたえあり。エンディングとともに、「Nothing's Carved In Stoneです。よろしく」とクールにMCする村松。

 続く「ツバメクリムゾン」ではオーディエンスが手を上げて反応する。さわやかで力強いサビが響いた。「In Future」からは村松がハンドマイクで歌い、「Bog」では自由にステージを歩き回っていた。4つ打ちのリズムでフロアを揺らす。その後も「Milestone」で生形がドライブ感のあるギターソロを披露するなど、各人が見せ場を作った。

 MCでは村松が「Yasei(Collective)は音だけで繋がってる希有な友達のバンドだと思ってます」とコメント。方向性が違うサウンドを志向する人々が音楽によって、仲間になっていく。それはとても美しいことではないだろうか。

 それからNothing's Carved In Stoneのステージは、ベースの何気ないフレーズに歌心を感じた「Out Of Control」、アグレッシブなビートが6単位で進む「Spirit Inspiration」、アウトロの攻撃的な7拍子が印象的だった「Shimmer Song」でフィニッシュ。Yasei Collectiveにバトンにつなげた。

Yasei Collective

Yasei Collective(撮影=Kana Tarumi)

 若干大がかりな転換がおこなわれ、いよいよ新体制のYasei Collectiveの出番だ。メンバーの松下マサナオ(ds)、中西道彦(ba,synth)、斎藤拓郎(voc,gt,synth)が初陣に挑む。

 拍手で迎えられた3人。初球は「African Doorz」から。ステージ上は下手に斎藤、中央に中西、上手に松下。鍵盤が抜けた穴を中西と斎藤がシンセサイザーを用いることで補う編成だ。

 中西のキーボードは鍵盤が観客に見える様、斜めにセッティングされている。ドラムの低音がずしっと響き、早いビートと遅いビートを切り替えながら曲が進行していった。そして突然の「Trad」。難曲だが、3人体制でも遜色ない。途中、新たに中西がシンセを担当するセクションが追加されるなど、以前とはまた違うカラーのサウンドになっていた。

 MCでは「『African Doorz』は久々すぎて緊張した」と松下が話してから、3人が仲良さげな雰囲気で話していた。前回のツアーファイナル終了後から、3人でリハーサルを重ね、この日を迎えたという。「ショウケース的な感じで、1曲1曲気楽にやるので楽しんでいってください」と松下が締めて、演奏再開。

 シンセの音が気持ちいい「Okay」は途中から5拍子と4拍子のポリリズムになる。そしてサンプラーを松下が使用した「Interlude」から「Goto」へとつなげていった。「I Won't Forget」では中西がエレキベースを中心にプレイ。素朴な斎藤のシンセも印象的だった。最後は消えるようにエンディングへ。

 再度MC。「今まで海外を意識して活動してきたんですけど、よりそういう面を強く持つ様になりました。大人に合わせるのはめんどくさいので、好きなことをやらなきゃだめだなと。これからは3人が『OK』ということしかやらないと決めた」と松下。

 そして、これから彼らの軸になっていく音楽だという「Convert」がスタート。黄色の照明に照らされ、斎藤がひとりシンセとボコーダーを弾く。松下がサンプリングパッドを用いた浮遊感のあるビート。

 セットリスト本編終盤は「radiotooth」「David」と並べた。シンセベースが腰辺りの骨に響く。締めは「O.I.A.K.A」。「新生Yasei Collectiveをなにとぞ、宜しくお願いします」と話してから、ドラムを叩き出した松下が序盤から冴えている。最終的に斎藤のギターがリードをとって展開していった。

 アンコールはNothing's Carved In Stoneから、村松と日向を招いたセッションから。曲は「Red Light」。1コーラス目は村松、2コーラス目で斎藤がボーカルをとる。Nothing's Carved In Stoneの楽曲だが、松下がサビ前でフロウしたリズムを叩くなど、Yasei Collective風な味付けになっていた。そして最後に「SUNDAY」を演奏してこの日の演奏は終了。新体制になったバンドの新たな可能性の片鱗をのぞいた気がしたイベントだった

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