戸田恵梨香と大原櫻子が19日、東京・日本大学芸術学部キャンパスでおこなわれた映画『あの日のオルガン』の試写会イベントに出席。この学校の卒業生である大原は戸田とともに、この作品の参加により受けた印象や得た経験より、後輩や保育士を目指す学生たちにアドバイスの言葉を贈った。この日は、映画でメガホンをとった平松恵美子監督も登壇した。

 『あの日のオルガン』は、第2次世界大戦時に保育士や園児たちが東京大空襲から逃れるためにおこなった「疎開保育園」の実話を実写化したストーリー。終戦が近づき戦況が悪化する中、田舎に疎開した保育園の中で子供たち守るため、保母たちが日々直面する困難を乗り越えるべく奮闘する姿を描く。ストーリーの中心となる戸越保育園の主任保母・板倉楓役を戸田、戸越保育園に助っ人として加わった若き保母・野々宮光枝役を大原が担当する。

戸田恵梨香

戸田恵梨香

 この日のイベントは、将来保育士を目指す学生、および映画制作を学ぶ学生に向けて開催され、東京福祉大学・保育児童学部の学生100人、日本大学芸術学部・映画学科の学生50人が集い、映画鑑賞後に熱心に質問。撮影に向け保育士体験もおこなったという戸田と大原の言葉に、真剣に耳を傾けた。

 一方、昨年3月まで同キャンパスで勉学に励んでいた大原は、登壇して第一声「ずっとここで授業を受けていました。(こうして学生さんの前に立って見える)ここの光景は異様です」とすこし照れながらコメント、会場を沸かせた。また平松監督も「去年の1月に、ここで大原さんの卒業制作を拝見しました。懐かしいです」と、1年前を振り返った。

大原櫻子

大原櫻子

 今回の撮影で子供たちと過ごした印象として平松監督は「子供って、演技をしているんだけど、していないように見える。人間って大きくなっていくと、企みとか自分を飾ることを考えるけど、子供にはそれがなくていいなと思いました」と語る。

 同様に大原も「(子供たちが)一秒一秒、一生懸命生きて、楽しんでいる姿が一番勉強になりましたね」と幼子たちと一時を過ごした経験に、大いに触発された様子を振り返りながら「ストレートに子供たちを、笑顔にできる保母さんになりたいと思いました」と自身が狙った保母像を語っていた。

戸田恵梨香

戸田恵梨香

 他方、今回の撮影で大変だったことをたずねられ、子供同士だけに風邪などの病気の蔓延が早いことを危惧していたという大原とは視点を変えて、戸田は「体力…」と一言。「今朝、くしゃみをしたら身体をねじってしまって…“年だな”と感じました。そのとき“保育士の仕事をしている人って、どうしているんだろう?”とか。ここに向かっている最中にも思ったりしていまして。実際に保育園に行ったときも、とにかく体力のいる仕事だなと実感しましたし」と自身の苦労とともに、保育士という仕事の大変さを実感した様子を明かす。

 また、兵庫県出身で幼いころには阪神・淡路大震災も経験したという戸田は、映画で描かれる“当たり前ではない人生”“命の尊さ”などといった、映画で描かれる様々なテーマに深く共感したことを明かしながら、劇中で楓が『もう逃げるところなんてないの!』と叫ぶセリフとともに、戦争に向けて怒りをあらわにするというシーンを撮影する中で、子供がたずねてきた質問が非常に印象的だったことを回想。

大原櫻子

大原櫻子

 その子供は「なんで戦争なんかやるの? 戦争なんかしかなったらいいのに」とたずねてきたといい「(その子は)すごく純粋な心と目でたずねてきたんです。それにハッとして。そんな子供の言葉を聞いて“この子の未来を私たちがつないでいかなければ”と、実感させられました」とひそかに感銘を受けていた様子を振り返っていた。【取材・撮影=桂 伸也】

 ※文中の東京福祉大学の名称が異なっていました。訂正してお詫びいたします。

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