興味のあることに対して、まず一回はチャレンジしてみたい

――映画『あまのがわ』を拝見させていただきました。現実的なもので構成されている、例えば登場するロボットも実際に開発されているものを使用されていたり、わりと現実味のあるもので構成されているなという印象でしたが、その一方で史織と星空の会話には、ファンタジーを見ているような感覚もあったり、不思議な感覚を覚えました。

 そうですね。実は最初、正直なところ私は撮影でロボットとお話をするという光景を、台本を読んだ時にはイメージがしづらいと思いました。

――どんな風に、この世界観を感じ取っていったのでしょうか?

 ストーリーの中で史織は、人に対して心を閉ざしてしまい、その瞬間に人に対しての拒絶の気持ちができてしまったけど、ある時そのロボットの存在が自分のそばにできたことで、人みたいな感覚で話せるけど、人じゃないという大きなくくりを超えたことによって、すごく史織にとって力を抜いて話せる時間になったと思うんです。

 相手がこのロボットという形だったからこそ、自分の弱い部分なんかを隠さずさらけ出せるということを感じ、自分でやっていてもすごくしゃべりやすい、という感覚がありました。

――実際の撮影では、常にロボットに向かって実際にしゃべり掛ける格好で演技をされていたのでしょうか?ロボットというか、相手からは実際に声が出る格好で?

 そうです。ただ相手がいつも同じ方ではありませんでしたが、ロボットと会話しながらの演技でした。

――では基本的にはこのロボットを相手にずっとやられていたわけですね。演じるという格好では面白いですね。

 確かに、対人じゃないというのは。でもだからこそ緊張はしなかったというか。

――全般的に緊張しませんでしたか?

 まさしく史織が心に何も考えず、言葉を選ばないでしゃべれるように、という感じで。人に対しての緊張感というものは、特になくできたと思います。

――今回は映画初出演で初主演ですよね。そのプレシャーもあったかと思いましたが、その意味では良い方向に進みましたね。出演が決まった時のお気持ちは、いかがでしたか?

 キャストの選考はオーディションでしたが、自分に決まったと聞いて、純粋にビックリしました、不思議な気持ちというか。

――ビックリ? ご自身の中で、“ここが決め手で受かった”と実感するようなところは思い当たらなかったのでしょうか?

 そうなんです、本当に全く手ごたえみたいなものがなくて(笑)。オーディションを受けさせてもらった時に自分でやったことは、お芝居もそうなんですが、それこそ自分をうまく見せるより、自分の欠点ばっかり見えたんじゃないかと思いましたし。“自己紹介を自由にしてください”と言われた時があって、応募者はそれぞれに設けられている時間の中で、自己紹介を行うという課題がありましたが、私の番では、その時間内にうまく収まりきらなかった気がします。

 ただ、古新監督とお話をしていく中で一人一人の人柄などといったところを見られていたというのは、あとからうかがったのですが、その意味では古新監督とお話をした時に、変に取り繕わないでナチュラルな自分、自然体の自分でお話ができたというところはあったと思いますし、そういった面では良かったのかなと今振り返ると思います。

――本質的なものを見せることができた、ということですかね。一方で、やはりご自身の目標としては“主役的なポジションを狙う”というか、ストーリーなどで、中心的な存在となる役を演じていきたい、というのが、ご自身としては将来目指していきたいと思うスタイルにつながるのでしょうか?

 必ずしもそうではないと思います。これからいろんな作品を経験していきたいなという思いはあります。その一方で、それこそ自分が目指している、目指すのは自由な中、自分が一番やってみたい役がどれになるかは、まだわからない。

 それこそ自分が何に興味が湧いてくるのかということもあると思うんです。それについてもタイミングなんかでその都度違う気もしますし。ただ、初めての映画で、主役をやらせていただいたというのは、すごく自分の中で大きかったと思います。なかなかできない経験だと思うし。

――では今回の作品に対してついては、大きな喜びではあったけど、これが自分のこれからの道を決めたものかというと必ずしもそうでない、一方でまだ“何でもやってみたい”という思いもあるという感じなのでしょうか?

 そうですね。何でもそうだと思うんですけど、お仕事を始めてから変わったことというか、興味のあることに対してまず一回はチャレンジしてみたい、という気持ちは今後、生きていく中でも、お仕事をしていく中でも、忘れたくないモットー、チャレンジ精神みたいなものだと思うんです。だから興味が湧いたことを大事にしたいというのは、この先にも続けていきたいし、これからもいろんなことはやってみたいです。

――例えばこんな人になりたい、みたいなイメージも、敢えて上げられないと?

 逆に、あまり決め過ぎたくないという。“誰のように”としてしまうと、そこに向かっていかないといけないという縛りになると思うんです。逆にいえば自分の性格上、縛られるということが合ってないという感じもするし。何か視野を広げて、その中で発見できる自分の一面を、これからどんどん探していければいいなと思います。

福地桃子

福地桃子


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