小林克也とデイヴィッド・フォスターによる対談が、BS朝日『ベストヒットUSA』で実現した。同番組のMCを務める小林。1月23日放送回では、グラミー賞を16度獲得している世界最高峰のプロデューサー、フォスターが登場。映画『ボディーガード』のテーマソングで、ホイットニー・ヒューストンが歌う「I Will Always Love You」や、アース・ウインド & ファイアーの名曲「After The Love Has Gone」の制作エピソードをはじめ、現在の音楽シーンについて語り合った。その放送回の模様を一問一答形式で以下に紹介する。

デイヴィッド・フォスターの次なる野望はブロードウェイ

小林克也

――今日は大変な大物ゲストを迎えております。「様」をつけたほうがいいかもしれない。デイヴィッド・フォスター“様”です。 “様”をつけるのは尊敬の証なんですよ。あなたは本当に多くのことを成し遂げたよね。まだやっていないことはあるの?

 出演できて嬉しいよ。いま私は新しいゴールに向かって頑張っているところなんだよ。ブロードウェイさ。ニューヨークのブロードウェイを制覇したいんだ。ミュージカルのヒット作だ。それはまだ達成してないんだ。でも絶対に叶えるさ。

――それではあなたの偉大な作品について話をしようホイットニー•ヒューストンの主演映画『ボディガード』の主題歌についてだ。

 あの歌には面白い歴史がある。簡単に説明するよ当初あの映画で使う予定だった曲は「What Becomes of a Broken Hearted」という曲なんだ。

――ホイットニーが選んだの?

 違うんだ。誰の判断か分からないが、とにかくその曲でホイットニーのためにデモを2つ作った。だけど撮影現場で彼女に聴かせたら「微妙ね…」と言われてね。確かに良い曲だがホイットニーには合わない。するとちょうどその時「What Becomes Of The Broken Hearted」がビルボードにチャートインしたんだ。歌ったのは…そう、ポール・ヤングだ! それでケビン・コスナーに「ポール・ヤングがヒットさせた曲はできない」って言ったんだ、そうしたらケビンは「他の曲を考える」って言ってね。後で聞いた話だと、彼の秘書が「I Will Always Love You」を提案したんだそうだ。誰が考えたにせよ、それは名案だった。

――誰が見抜いていたの? ホイットニーがあんな風に歌うなんて。

 それは私だよ。聴いた瞬間に自分の中で想像がついたんだ。ドンというブレイクの後に“and I…”と伸びるホイットニーの歌声がね。デモを聴かせたら「最高よ! 早く歌いたい」と言ってくれた。元はカントリーの曲なんだよ。実は私は原曲を知らなかったんだ。当時はインターネットなんてなかったから、アシスタントをレコード屋に向かわせて「I Will Always Love You」を買ってきて貰った。

 だけどそれはリンダ・ロンシュタットのバージョンだったんだ。要するに私はドリー・パートンのオリジナルバージョンをそれまで知らなかったんだ。やがてホイットニーのレコーディング中にドリー・パートンに電話した。彼女は友達だし、プロデュースしたこともあったからね。「ドリー きみの曲をレコーディングしているんだけど…リンダ・ロンシュタットのバージョンは最高だね!」と言うと「まさかリンダ・ロンシュタットのバージョンしか聴いてないの?」と言う。「うん それしか知らない」と返すと、「ダメよ! リンダのバージョンは2番までしかないの!3番がないと困るわ!」でも私はこう返した。「ごめん もう完成したんだ」でも彼女は「どうしてもダメ! 絶対に3番を入れて!」と言い張って…。それでスタジオに戻って3番を録ることになったのさ。でもそれが本当によかったんだ。3番は曲全体のフィナーレだったからね。

――それがあの素晴らしいエンディングにつながるんだね。


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